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人間が歩いている
人間が笑っている
人間が味を感じている
人間が生きている
人間が夢を見ている
『なんか今日夢見たんすよw』
『チョーー怖くてww』
『え、それはどんなんなん?』
『なんか浜岡さんがメイド服着て追いかけてくる夢なんすよwww』
人気お笑い芸人の番組がテレビに映されていた
「夢ねぇ……」
「……」
テレビに夢中になり後ろにいた太宰に気付かず
後ろにいる太宰に押されて窓から落ちた
「やーい莫ァー迦」
「…チッ、」
考えてしまった。
ここで死んだらどうなるのか
「…赤ワイン美味かった」
「なんか言った?」
「中也?」
「…なんで、落ちて…」
血の気が引いた。
重力で止められるはずの相棒が
自分の意思で止めず自殺行為に至ったことに。
ガチャッ
「太宰さーん国木田さんが呼んでますよ?」
「太宰さん?どうしたんですか?」
「…太宰さん…何かしました、?
血の匂いが凄く漂っているんですけど…」
後輩に情けない相棒の姿を見せてしまった
「…中也さん!?」
「太宰さん!?太宰さんがやったんですか!?」
「いくら何でも嫌いだからってこんな事!!」
「敦くん。与謝野先生の所に連れて行ってあげ給え。」
「太宰!!ほんっと大莫迦者だねェ!!」
「ここまで莫迦とは思わなかったよ…」
「…わざとじゃないんですよ」
「小学生の言い訳じゃないんだからさ」
「…知ってますよ」
「…知ってたらこんなことにならない筈なんだがねぇ」
「…空気吸ってきます」
「…被害者ヅラかい?」
「……」
「中原、起きたかい?」
「……死んでねぇ」
「なんだい?太宰にでもなりたかったのかい?」
「…別に、そういうわけじゃねぇよ」
「…患者のことは知っておかなければいけない。」
「妾は医者だからね。」
「…別に何もねぇよ」
「…話す気になったら話してくれ。」
話す気なんてないんだろうけど
「…太宰君?」
「…森さん。怒ってます?」
「…うーん、怒ってはいるよ〜?」
「…怒ってる人の発言じゃないんですよ」
「紅葉君がねぇ〜…」
『太宰は何処じゃ!!!!』
『太ァ“宰ィ“!!!!』
「…ほら、壁越しにでも聞こえるだろう?」
「…私、今日が命日ですか?」
「そうかもしれないね」と口角を上げ目を細めて森さんは
私を嗤った
「そして何より聞きたいことなのだが、
何故中也君を押したのだい?」
「…何時も通り、異能で止まると思っていたんですよ、」
「…ふむ、でも彼は止まらなかった、とね」
「…おかしいじゃないですか。」
「何がだい?」
「落ちる時の顔ですよ、顔!」
「…本気で死ぬ気でいたんですよ。」
「…彼も彼なりに悩んでいたんじゃないかなぁ?」
「そんな軽く…」
ガチャッ
「…」
「あーー、」
「紅葉君…」
「太ァ“宰イ“ィ“!!!!!!貴様ァ“ア“!!!!!」
「私は退散しよーっと…」
「ちょ!!!森さん!?」
ガチャッ
「…中也君!」
「…あ、首領、」
「はっ、」
「中也……?」
「ぁ、姐さん……」
「この大莫迦者ぉぉおおおぉ……」
「…すみません…姐さん、」
「何故あんなこと…!!」
「……」
「姐さん。どいて」
バンッと銃声が鳴り響いた
「……は、」
「ほら、ちゃんと生きているだろう?」
「……」
「太宰君…」
「何をしておるんじゃ……」
「…二度も言わせないでください。」
「生きているだろ?」
「……」
「…嗚呼、生きてる」
「太宰、何を企んでいるのだ」
「社長…私はなーにも企んでなんかいませんよ?」
「…では何故あのような事をしたのだ。」
「…私はあの蛞蝓がこの世で一番嫌いなんです。」
「…中也があんな顔するなんて初めてだ」
「私は認めたくなかったんですよ」
「初めて中也に負けるかもと思ってしまって」
「…負ける?」
「…今まで勝負には勝ってきたんです」
「でも今初めて負けそうなんです」
「…御前の言っていることはわからんな」
「……」
俺が夢を見ることが出来たらどんな夢を見るだろうか
夢には正夢というものがあるらしいな
太宰を殺す夢が初夢だったら嬉しいがな