1回他の小説書いてたんですがデータぶっ飛んで結構期間が空いてしまいました。すみません。次はバレンタインにfw総受け出そうと思ってます。皆に愛されてる不破さんが私大好物なもんで。もし間に合えばcpでもう1つバレンタインの話作りたいとも思ってます。(間に合えばの話)
※nmmn注意、hrfw.mcfw.kgfwになっております。R表記はありません。
誤字脱字には目をつぶって下さい
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「おはようございまーす!すんません遅れちゃいました…って、え?もちさん?」
今日も今日とて遅刻した俺は急いで控え室のドアを開ける。が、どういう訳かいつもとは違う光景がそこにあった。髪色と目の色が反対になっており、白の制服を着ているという普段とちぐはぐな格好の剣持刀也がいるのだ。思わず眉をひそめていると俺が来たことに気づいたのか甲斐田と社長がこちらに向かってくる。
「アニキ!この部屋に入らないで下さい!!理由は後で説明するんで!!」
「?何や甲斐田ぁ、そんな慌てて。てかもちさんイメチェンした?」
「無視するなよ!!!」
「あ、あの不破さん。…今控え室に1歩でもいいから入った記憶あります?」
「?そりゃドア開ける時に1歩は入って「あーー!!やっぱそうですよね…クソ、不破さんだけはと思ったんだけどなぁ」え、何どしたん社長??」
2人共俺の言葉を聞いただけでその場に崩れ落ちている。この場の状況を呑み込めず頭にハテナを浮かべているとDの声が部屋のスピーカーから聞こえてきた。
『すみません、実はバクが発生してしまったみたいです。今この控え室に入った人達はランダムで反転した世界線の自分と入れ替わります。我々も急いで修正しているので今日の収録は一旦中止とさせて下さい。それと入ったらそこからしばらく出ないようお願いします』
あー、なるほど。これで甲斐田と社長があたふたしてた理由ももちさんの容姿が変わっている事も理解出来る。それにしてもさっきからずっとこちらを見ているのだが、どうしてだろうか。困惑の表情を浮かべながらも顔がほんのり赤くなっている。……照れてるんかな?
「ふ、不破くん、なんだよね??」
あ、懐かしい呼び名やなそれ。今はふわっち呼びだからか初期の頃の呼び方に少しむず痒くもなる。返事の代わりにコクコクと頷けば、顔が明るくなりこちらに猛突進してきた。
「うわー!!こんなふわふわしてる不破くん初めて見た!!かわいい!」
「ちょ、もちさん近い近い!!近いっす!!!」
その勢いのまま抱きつかれそうになったので慌てて後ずさる。なんか後ろから凄い視線を感じるが気づかないフリをしよう。それにしてもこのもちさんは俺がよく知ってる彼よりもずっと年相応の喋り方だ。まだ幼い感じがして微笑ましくもある。するとその視線に気づいたようで怒られるかと身構えていると予想外にもにまっと笑って衝撃的な言葉を放つ。
「子供扱いしても怒りませんよ?こっちの自分の事は知りませんけど、俺は媚びること楽しんでるんです!…って、不破くん、どうしたの?顔赤いけど」
「っあーーー……[俺]はちょっと、刺激が強いって言うかぁ……」
まさか彼の口から[俺]と言う一人称が出るとは思っていなかった。配信でも偶に出ると言い直していた事から反転した彼は通常で使っているのだろう。子供っぽい彼から少し大人な部分があるギャップにやられてしまって顔が沸騰しそうな程に熱い。クソ、いつもならこんなんで照れることないってのに。
「へぇ…俺の世界の不破くんも可愛いからカッコいい人かと思ってたんだけど、やっぱ不破くんが可愛いのは変わんないんだ。ふふっ、ちょっと触ってみても良い?」
「か、勘弁して下さいよぉ………調子、狂うって、ほんま、に……っ」
俺の否定の言葉を無視して両頬をむにゅうと掴まれる。やめろやめろと抵抗していたのだが恐ろしい事にビクともしなかった。それどころか必死に抵抗する俺を見て彼は可愛い可愛いと愛おしく連呼しており、普段の彼と180度違うせいか顔の赤みが引かず余裕を持てなかった。暫く触った後「やっぱ柔らか……赤ちゃん」と呟いていたのは聞かなかったことにしよう。もちさんは満足したようでそっと頬から手を離す。
「っは〜可愛い、めっちゃ可愛いねほんと……持って帰っても良いかな」
「ダ、ダメ!!ダメやろそれは!…ちょ、腰に手ぇ当てんなってぇ……!!」
触れることに対して遠慮しない彼は両手を俺の腰に当てて背を反らせてくる。反らした事により顔と顔の距離が近くなり俺の身長も小さくなるわけで、元の差が1センチしかない為ちょっと縮んだだけでも上目遣いになてしまうのが恨めしい。
「ん〜不破くんの照れてる顔もっとみたいなぁ、ダメ?」
こてっとかわいらしい効果音が付きそうな程にあざとく首を傾ける彼とは裏腹に腰に当てていた手がどんどんいやらしい手つきと変わっていく。元々腰が弱いから当てられてるだけでも良くなかったってのに、更にエスカレートしていくせいで変な声が漏れてしまう。相手に聞かれまいと手で抑えてみるが息苦しくなるので心拍数が上がって脳がくらくらする悪循環だ。止めて欲しいと目で訴えても彼の目はもう獣のような鋭い目つきになっていて、あやうく、堕ちそうだった。
「っ…ぅん、……は、…ゃあ、!…んぁ………っは、……………やめっ!」
ヤバい、ほんとにやばい。ホストが男子高校生に襲われるとかシャレにならん。何とか逃げ出したくても力が入らないし、あっちもガチの目してるから余計に厄介だ。一心不乱に最善策を考えている俺が面白くなかったのか突然耳に息をふきかけてくる。驚いた反動で手が離れてしまい喘ぎ声が漏れてしまった。バレたくなかった、一番の弱点。恥ずかしすぎて目尻から涙が出てくる。泣いてる顔を見られたくなくて下を向いていると顎を掴まれてくいっと上に上げられた。あ、喰われる。直感でそう感じてしまう程に彼は雄の顔をしていた。
「…………っ…ん、」
「はは、敏感なとこも一緒なんだ…ねぇ、このまま「何してんだガキ!!」いったァ!!…」
突然、彼の頭に拳が落ちる。ゴンッという音と共に彼は頭を抑えて拳を上げた人物の方に目を向けた。俺もそちらに目を向けると、そこには見慣れたいつもの2人……ではなくグレーブラックの髪に茶色の瞳と白の羽織をした甲斐田とネイビー色の髪と瞳に白のスーツを着た社長が立っていた。まさか、2人も入れ替わってしまったなんて。呑気に考えているといつの間にかもちさんが甲斐田の方に行っており、社長が傍にいた。
「こっちの不破さんにまで手を出すとかお前何考えてんだよ?!」
「いやーこっちの不破くんの反応がまた新鮮だから…可愛くて、つい?」
「ついじゃねえよ!!」
普段と立場が逆な説教を唖然として見ることしか出来ない。反転した甲斐田は口悪いんか…何か一気に年上だったっての思い出すなぁ。暫くその様子を観察していると横から社長が話しかけてくる。
「ヤバすぎますねー……あ、みなとさん大丈夫ですかぁ?」
み、なと、さん?あ、俺か。名前で呼ばれる事無いから凄いびっくりした。そっか、そっちの俺は名前で呼ばれてるんだ。…良いなぁ。
「!う、うん大丈夫よーしゃちょ!ありがとね」
「社長?…..もしかして、こちらの世界で俺は社長って呼ばれて…?」
「あ、そうそう!……は、にゃはは」
社長のさり気ない[俺]呼びにときめいてしまい、誤魔化すために下手な笑い方をしてしまった。彼はいつもの社長と違って気怠げな目とのんびりとした空気が漂っている。その人から、俺という言葉が出てくるのが、何か、こう…狡くて。少し冷えていた体がまた熱くなる。てか俺一人称変わっただけで動揺し過ぎだろ、乙女か。
「あのぉ、もしよかったらハヤトさんって…呼んでくれませんか」
「?ハヤト、さん…」
「!…ありがとうございます〜…!!」
「笑笑もしかしてそっちの俺はハヤトさん呼びなんすか?」
「そーですねぇ..いやぁ、新鮮だなぁ社長呼びなんてって、思いましてー」
「んはは笑俺もみなとさん呼びは新鮮っすよ〜?」
「笑おや、そうでしたかぁ…と言うか、不破さんも[俺]って言うんですねー」
「あー、そっちはいつもなんて言うんです?」
「[僕]って言いますね〜。あぁでも、[俺]呼びも堪らないなぁ…なんて」
「ひゃわ……」
いたずらっ子のように目を細めてこちらに不敵な笑みを浮かべる。大人の色気ってこんな破壊力あったのだろうか。完全に口説かれてるって思っちゃうやん。何なん。思わず変な声でたし。社長の顔を目視出来ないままでいると背後から声がかかる。
「あ”ー!!加賀美さんも何やってんだよ!!!」
「おや、バレちゃいましたかー。相変わらず視野広いなぁ…」
「えー加賀美社長ずるい!俺も刀也くんって呼んで下さい!!」
「と、とうやくん。……これでえーの?」
「!!ありがとうございますー!かわいー!」
「にゃはは……」
いつもと違った賑やかさに頭を悩まされる日が来るとは。しかも、俺が。甲斐田が申し訳なさそうな顔でこちらへとやってくる。
「あの…ごめんウチの2人が。あれでもお前..ア、アンタに会えたことが嬉しいからだから…その、憎まないであって欲しいってゆーか、」
さっきまでの厳つい彼は何処やら、慣れない敬語を使おうとしているせいか所々ボロが出てタジタジになっている。何だかヤンチャな子が必死に謝ろうとしているようにしか見えなくて、思わず大丈夫よと背を伸ばして頭を撫でてしまった。目をぱちぱちとさせている彼に怒られるかと思ったが、撫でていた俺の手をギュッと掴みもっと、と蚊の鳴くような声で言われるもんだから、両手で偉い偉いと普段彼には言えない褒め言葉をいっぱい言いならがら撫でてやった。
「可愛いーやん甲斐田ぁ……あ、そっちの俺は呼び方違うんよね、何て言ってる?」
「っ…………は、晴くん」
「そかっぁ、晴くん。みんな個性強くて大変やろぉ?頑張ってんなぁ」
「!…あ、アンタにそう言われると……嬉し、い」
褒められてちょっと表情が緩んでいるのを見てこちらも嬉しくなる。大人びているとはいえやはり中身は甲斐田なんだと再確認した。よしよしと少し雑だが優しく撫で続けていると、横から手が伸びてきて甲斐田の腕をやんわりと引き剥がしてくる。無理やりじゃないのが人の良さを感じられて、誰が来たか直ぐに分かってしまった。
「甲斐田さんばっかズルい。不破くん俺も褒めて下さい!」
「ん〜?もちさんも偉い子やねぇ……いつも配信頑張っとるんやろぉ?」
「そうですそうです!なんてったって毎日配信してますから!」
「うぉお毎日……」
あのもちさんの事だから反転したらそうなるだろうと思ってはいたけども、高校生が毎日配信をしているというのはやはり衝撃的だった。凄いぞ剣持、偉い偉いやんとなでなでをいっぱいしていると少し不満げな顔をしていた社長が近づいてきて、後ろから俺に抱きついてくる。
「んぁ?…は、はやとさ? 」
「2人ばっか構ってて狡いですよぉ……俺にももっとかまって」
「あぅ」
何で、やろ。さっきから社長にずっとやられっぱなしな気がする。この人多分わざとじゃなくて天然からだから更にタチが悪い。この彼はいつもよりいくらか素直で。抱きつかれても離して欲しいとは思わないし、何より正直言えば本音を聞けたみたいで嬉しい。早く撫でてと言わんばかりの社長が物欲しそうにこちらを見ていたので負けじと手を伸ばしてよしよした。
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その後も3人は中々戻らず、有意義な時間を過ごしていると急にもくもくと煙が現れて周りを覆い尽くす。暫くして視界がクリアになり煙の中から現れたのはいつもの彼らだった。
「アニキ〜!!!!ただいまです!」
「甲斐田うるさい、おかえり」
「ただいま戻りました」
「ん、社長おかえりなさ~い」
「ただいまです。ふわっちは…結局ならなかったの?」
「おかえりもちさ〜ん。なってないよ〜もちさん達こそどうだったんすか?」
「僕は意識がなかったので寝てたんじゃないかな。社長は?」
「私も意識がなかったですね…」
「あ、僕もなかったです!てことは…“ここ”にいた僕達だけ意識があったんですかね?」
「そうなるね…ふわっちは会った?」
「会ったよ〜いつもと違うから新鮮やったぁ〜もちさん、いつもより元気で微笑ましかったし、社長は素直でめっちゃキュンときたし、甲斐田は不器用で可愛かったなぁ…それに呼び方も変わってたんすよ!みんな名前呼びだったらしくて、俺下の名前で呼んだことなかったから嬉しかったなぁ。あ〜また会うことないんかなぁ……」
さっきまでの出来事を振り返って思い出に浸る。中々ない経験だが次も体験したいなと感じる程には楽しかった。俺は今いる彼らの事を忘れて次会えたらどうしようかと妄想に夢を膨らませていると、急に空気がピリッとして思わず振り返る。
「へぇ、それはいつもの私よりもあちらの方が良いと?」
そう言ってこちらに近づいてくる社長は笑顔だが何故か目が笑っていない。
「んぇ?いや、そういう訳じゃなくて…」
後ずさろうとすると誰かにぶつかり振り向けば同じく怖いくらい笑顔のもちさんが立っていた。
「ヒドいじゃんふわっち、僕じゃ物足りないの?」
「ぇ、あ、もちさん??」
何とかドアの方に行こうと左へ手を伸ばせばその手をもう1人に掴まれて隅へと追いやられる。
「逃がしませんよ、アニキ。」
「か、ぃだ…………んえぇ??…何でみんな怒ってんのぉ?」
「「「そりゃ怒るでしょ/りますよ/ります」」」
「えぇ〜……???」
何かマズイこと言ってしまったんだろうが生憎察することが出来ず、あちこちにはてなマークを飛ばすばかりだ。じりじりと詰め寄られて俺は3人の圧に悲鳴をあげていた。あと、少しで壁に付くという所で、突然俺を白い煙が襲う。
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「けホッ…..んぅ、……!?あ、貴方達誰ですか?!ここ何処っすか???んぇ、えぇ???……」
白煙から再び出てきた彼はさっきと違って灰色の髪に黄緑の目をしている。服も緑系統に変わっておりバグが発生した事は一目瞭然だった。
「あちゃ〜!今来ちゃったか…」
「いやタイミング良過ぎでしょ」
「ですねぇ、それにしても……」
「???」
涙目でこちらをキョロキョロと忙しく見ている彼にはなんとも加虐心を煽られる。あの玉ねぎを入れても泣かない人が、逆になればすぐ泣くというのは当然な訳で。普段彼は涙や怯えている表情などの弱い部分を自分達に見せてはくれない。でも、今はいっぱい見れるのだ。それに気づいてはどんどん優越感が湧き上がり、良からぬ事を考えてしまった。あんなに反転した自分達を気に入っていた彼だ。そんなに言うなら、こちらも”この彼をたんと可愛がってあげよう”。きっと、戻った後に沢山”この彼”の話をすればあの時の自分達の気分を十分に知れる筈だ。そう考えていると自分の袖を弱々しく掴まれて現実に戻る。掴んだモノの正体は紛れも無い不破さんの手だった。
「あ、あの…晴くんと、ハヤトさんと、刀也くん……ですか?」
「!は〜い、僕は晴ですよぉ」
「そうですね、私はハヤトです」
「当たってるよ。僕は刀也です」
下の名前で呼んでいたと言う彼の言葉を思い出す。確かに、名前呼びされると嬉しいと言う気持ちは全然あった。他人では無いということが分かったからか彼の顔がパァっと花が咲いたかのように明るくなる。事の状況を説明するとしっかりと呑み込んでくれて眉が下がりながらもにへらと笑ってくれた。それはいつもの愛想笑いではなく、ほんとの純粋な笑顔。僕らがまだ数回しか見たことない、とっても可愛い顔。
「……僕、不破さんが言ってた事がわかる気がするかも」
「奇遇ですね、私もです」
「僕も思ってました。…でも、止める訳にはいかないでしょ」
そう、彼があの話をしてから因果応報だった事は決まっていた。
「ふふ、そうですね。まあ当たり前かぁ」
「??ぇ?…ぁ、なんの事ですか?」
「大丈夫だよぉ不破さん!戻るまで沢山お話しましょ〜!」
絶対逃がさないぞという意味を込めて袖を掴まれていた手を両手で握る。隣の社長もそれに気付いたのかドア側へと移動し肩に手を置いた。
「敬語なんていらないから、ありのままで話していいよ」
「!…ありがと、刀也くん!」
もちさんもぽんっと頭に手を置いてふわふわな髪を撫でた。あぁ、帰ってきた彼の顔が楽しみだなぁ。どちらの不破もたぁんと可愛がってあげようと3人は心に決めその独占欲丸出しの顔で細く微笑んだ。
不破が元に戻るまであと…………
剣持刀也(反転)…容姿は緑髪に藤色の瞳で白い制服を着ている。媚びることを楽しんでおり、ろふまおのメンバーを積極的に称えている配信が多い。The高校生。よく不破に懐いているが、セクハラめっちゃしてる。一人称:俺
加賀美ハヤト(反転)…容姿はネイビー色の髪に藍色の瞳で白い上着を着ている。消極的で喜んでいても表に出さない。いつもボーッとしており時に冷めているところがある。不破に面倒を見られがちな最年長。一人称:俺
甲斐田晴(反転)…容姿は黒寄りのグレーの髪に茶色の瞳で白の羽織と黒い着物を着ている。堅固で短気であり、人間不信の為仲良いライバーとしか基本喋らない。実は不破といる時はよくちょっかい出してる。(ツンデレ)一人称:俺
不破湊(反転)…容姿は灰色の髪に青緑のメッシュと黄緑の瞳で緑のジャケットを着ている。気弱でいつも泣いているが表情はとても豊富。面倒見がよく常識人で苦労人。弱そうに見えるが自分の意思は誰よりも強い。一人称:僕、偶に俺
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いつも拝見しています…スト―リ―が本当に好きすぎて毎日読みまくってます…まじで大好きです💞👊🤭 次の話も待ってます😋💪💕💕💕