コメント
1件
最高です! 表現力も文才もあって最高です!! 辞めちゃうんでしたよね…? また,いつか書き始める時があれば喜んで推させていただきます!
⚠️福乱
⚠️設立秘話あたり(捏造)
⚠️福沢さん呼びにしてますが私の好みです
『乱歩。眠れぬか』
モゾモゾと蒲団の中を動いていると、福沢さんが目を開けた。
大きくて骨張った福沢さんの手、暖かい……。
「んー……さむい」
『毛布を取ってきてやるから待ってろ』
部屋を出ていく福沢さんの銀色の髪の毛がふわりと揺れる。
毛布がなくても、福沢さんがいれば暖かいのに……。
『乱歩、こうすれば暖かいぞ』
「……ふくざわさんが善い。毛布よりずっと暖かいもん
同じ蒲団だから、くっついてた方がもっと暖かいでしょ?」
『……今日だけ、特別だ』
福沢さんの方に身体を寄せると、そっと抱き寄せられる。
ふわりと優しいおひさまの匂い……。
「ふくざわ、さん……?」
『これで満足か?』
かたくて大きい腕の中に閉じ込められると、大切に守られている気になって、怖いものは無くなった。
『お休み、乱歩』
「……おやすみなさい、 」
腕の中で小さな寝息を立てる乱歩の柔らかい髪の毛が顔に当たって擽ったい。
幾ら冬だとはいえ、彼の足先は氷のように冷たかった。
「……おとう、さん……おかあさん……?」
魘されているのか、それともただの寝言なのだろうか。
とても小さな声だったが、彼は確かにそう呟いた。
たった14歳の少年が、これ程辛い目にあう必要があったのだろうか……。
「……あれ?ふくざわさん……?」
『大丈夫か?』
突然、閉じていた目が開く。
暗闇の中でも、目に涙を浮かべているのがよく分かった。
『お前の事は何があっても守ってやる。
泣きたい時は思う存分泣きなさい。
……お前は、私の大切な家族だ』
「……ふくざわ、さんっ、?」
堰を切ったように大粒の涙が彼の頬を伝う。
私は大きな声を上げて泣きじゃくる乱歩の背中をそっと撫でた。
『辛かっただろう……。お前はもう一人ではない』
「……ほんとに、?」
『嗚呼、約束する』
美しい翠緑の瞳が暗闇の中で輝く。
わぁ、と先程よりも大きな声で泣く乱歩を腕の中にそっと閉じ込めた。
私の仕事は、この小さくて強い少年を護ることだ。
私はこの少年、江戸川乱歩を命を懸けて護る事を、彼の涙に誓って約束しよう。
初福乱!ここまで読んでくださりありがとうございます!!!
短編集何ヶ月も更新できなくてすいません……。
ゆるゆるちまちま更新してますのでたまに覗いてやってください🥲
また何処かでお会いしましょう!