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プロポーズ
俺には愛する妻がいる。
妻はすごく可愛いんだ。
どう言い表せばいいか分からないが、すごく可愛い。
俺はあまり愛情を表に出せる方では無いと思う。
それでも妻にはたくさんの愛情を注ぎたい、
切実にそう思う。
そんな妻は一昨日亡くなった。
自殺だった。
なにがそんなに彼女を追い詰めていたんだと深く大きな怒りに襲われた。
それと同時に何も気づけなかった自分が酷く情けなくて仕方がない。
俺は海に来ていた。
彼女との思い出の海だ。
10月の少し冷たい風が俺の冷え切った心をさらに冷やした。
俺は2年前ここで彼女にプロポーズをした。
ありきたりなプロポーズだ。
俺がひざまずいて彼女に指輪を渡す、彼女は泣きそうになりながら喜ぶ。
どこにでもあるようなそんな素敵なワンシーンだった。
あの頃は毎日が楽しかった。幸せだった。
君のいないこの場所はすごく暗いように見える。ああ、なんだか足が冷たいな。
なんだか沈んでいくようなかんじがする。
あれ、おれいまなにしてるんだっけ、
つめたい、かおがつめたいな、ああ、もういちどあのころにもどりたいな