「 今宵も月が綺麗ですね 。 」
もう何年も前だ 。
当時好きだった彼が私に放った言葉 。
「 貴方と見る月だからでしょうね 。 」
そう微笑み返したのは私 。
なのに 、
先に消えたのは貴方の方でした 。
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2023年 、冬
聖なる夜の日だ 、
私が悲劇のヒロインとなった日 。
振られたのである 。
6年も付き合った彼だった 。
お互いの身体を求めては 愛し合った 。
でもさっき、あの人は言った 。
“ 他に好きな人ができたんだ ”
やっぱり 、一人は寂しい 。
守って欲しいけど 、一人になりたい気分だった 。
泣こう 、泣こう
今日くらい悲劇のヒロインぶったっていいよね 、
人気の無い道のど真ん中 。
思いっきし泣きじゃくったのは 、
紛れも無く私である 。
成人の女が声を上げて泣いている 、
情けない 、
でも
泣いてやりたい 、
「 あの 、 」
後ろから声を掛けられた 。
惚れてしまうような 、甘い声に
「 ああ、どうも、、、すみません 」
振り返ると、目が合ったのは
コメント
2件
はぁもうほんと好き久しぶりにはなちゃんの作品見たけど最高すぎまじ