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次の日、目が覚めると隣には若井が居て。僕が動いたら起こしてしまうかな、なんて考えながら寝顔を眺めていた。
昨日あんなに可愛いかったことなんて忘れさせるくらいに静かで美しい寝顔。それを見れるのは僕だけなんだと思うとどうしても浮ついた気持ちになる。
「ん…、もとき。おはよう?」
パチリと彼が目を開く。寝起きだからか、はたまた昨日喉を使いすぎたのか、少しざらついた声で挨拶をしてくる。
「おはよ。」
頭を優しく撫でながら、同じように返してやる。
「へへ…っ、てい”ッた!!」
「どうしたの急に…?」
「いや…なんか、っ腰が…痛くて。」
「…っは、昨日はちょっとやりすぎだった?」
「うん…まぁ、別に。」
満更でもなさそうな顔につい口角が上がってしまう。そっか、なんて言って口付けを落とすと幸せそうに笑ってて、朝から幸せだと思った。
「そういえば…涼ちゃんから聞いたんだけど、若井最近なんか悩んでた? 」
「えっ…?あぁ、…いいよ、それもう解決したし。」
「そうなの?ちなみにさ、どんなことに悩んでたワケ?」
「……。」
「教えてよ、そんくらい良いでしょ。」
「……のこと。」
「え?」
「元貴の……こと。」
「僕?」
「そう、好きって気づいてから、色々考えちゃって。」
なんだ、そんなことか。僕のことで悩んでくれてたんだ。益々若井のことが好きになった。
「そうだったんだ。…でも、これからはもう悩まなくて済むね。」
「ま…まぁね、//」
「ほーんと、その顔ズルすぎ。」
キスをしてやると嬉しそうに微笑みを返してくれた。本当に、愛おしくてどうにかなっちゃいそうだ。
「じゃあぼく、ご飯作ってくるから。」
「ん…ありがと、待ってる。」
なんか夫婦みたいだ、という邪な考えを振り払ってキッチンへ向かいスマホを触る。
『涼ちゃん、若井のことはもう解決したよ。安心して。』
送信ボタンを押して、朝ごはんの準備に取り掛かった。