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br × sm
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sm視点
nk「でさ、そしたらきんときがさ笑笑」
kn「おい!その話すんなって!笑笑」
sm「…」
いつものように、Nakamuときんときが話してる。他愛もないただ普通の会話。
それなのに
sm「っ、ぅるっせえなぁ…っ、、」
nk、kn「…っ、」
sm「…っ、はッ、ご、ごめんっ、」
nk「…、いいよ、いつものでしょ?」
sm「う、うん、」
kn「ごめんごめん、俺らもちょっと騒ぎすぎたかな、」
sm「や、そんなこと…」
俺には昔から、自分にしか聞こえない“声”が聞こえる。ふわふわした、男の人の声。
“すまいるく〜ん、僕と遊ぼーよー”
“あっ、こっちの道危ないから、あっちから行こう!”
“牛肉にじゃがいもか〜…、今日の夜はカレーかな?”
俺の行動一つ一つに口出ししてくる。
この声に気がついたのはほんと最近の話。声に心当たりがある訳でもないし、何故この声の主が俺の名前を知ってるのか、俺に付きまとうのか分からない。
Nakamuときんときは理解してくれてるみたいだけど、それでも迷惑かけてることには変わりないし、俺自身とても耳障りだ。
でも、原因が分からないんじゃ、対処のしようがない。
nk「じゃあな、スマイル、なんかあったら言えよ?」
sm「あぁ、うん。じゃ、」
1人になると、待ってましたとでも言うように、
“あはっ、やっと僕のスマイルくんが1人になってくれたぁ”
“聞こえてるんでしょ〜?無視しないでよぉ”
って。
sm「ただいま〜」
誰もいないアパートの一室に投げやりに言葉を放った。
“おかえり〜”
帰り道の途中に買った菓子パンを片手にスマホをいじる。通知は来てないけど意味もなくTwitterを開いて、TLを眺めるだけ。
“ねぇ〜僕のご飯は〜?”
今日は土曜日。また明日も休みだ。今日はNakamu達と遊んだから1日が早くすぎたけど、明日はどうしよう。
そう思ってた時、Twitterの広告に興味深いものが流れた。
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取り憑かれてる、ねぇ…。
明日、神社にでも行ってお祓いでもしてこようかな。
“あー!こら!お風呂入る前にお布団入っちゃだめー!!”
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
次の日。
いつものようにちゃんとは寝付けなかったけど、それでもいい。
今日はお祓いに行く。一応、Nakamu達にも伝えた。
“本当に行くの?”
“僕、なにか悪いことしたかなぁ”
いつもの声が少し寂しそうに聞こえたのは気が付かなかったことにしようと思う。
神社は少し遠いところにあって、電車を使っても2時間はかかる。それでも、その神社はご利益があることで有名な場所だから、時間をかけてでも行きたいと思った。
“へ〜、こんな山奥にあるんだねぇ”
噂では聞いてたけどマジで階段多いなここ。
山の中だからエスカレーターとかがある訳では無い為、1段1段足を進めていく。
何段登ったか分からないけど、だんだん空気が薄くなっていくように感じた時、上の方に赤い神社が見えた。
sm「鳥居でか…」
“僕の好きな赤色だ〜”
奥の方に神主さんが見える。この人に相談してみようか。
sm「あの、神主さん…ですか?」
その人はびっくりしたようにこちらを見た。
『…こちらへどうぞ。』
淡々としてる、というのが第一印象。
砂利道をザクザク歩いて神主さんの後をついて行った。
案内されたのは神社の裏側にある墓地。
sm「ぼ、墓地…」
“ひろいねぇ”
声が言うように、かなり広かった。神主さんが言うには、ここの墓地にはまだ御骨は入っていないだとか。
『ここから、自分の名前探してください』
sm「…は?」
言っている意味が分からなかった。俺は生きてる。それに御骨は入ってないはずじゃ…。
“……ぁ”
“…ね、みて、すまさん。”
“僕の名前”
声が、
声が読んでる。
自分の名前を見つけたって、
君は誰なんだ。
無意識に声の方に足を進めた。
“ここ、これ、僕の名前”
一つだけ英語で、書かれたその名前はゆっくりと光を放った。
『見つけましたか?』
…あ、
思い出した。
なんで忘れてたんだろう、俺。
孤独だった俺に唯一仲良くしてくれた子。
Broooockって名前は俺がつけたんだ。
自分の命よりも大切だった
“猫”
俺が地元から離れたから、こいつは、死んだ…
餌をやる人間がいなくて、面倒を見てくれる飼い主だって居なかった、俺と似た猫。
sm「ぶる…っ、ごめ、ごめんっ、ごめん、俺ッ…、」
“しょうがないよ〜、どうせ人間より早く死ぬんだし、”
“それより、思い出してくれてよかったっ”
気づいたら俺は自分の家の写真立てを見ていて、そこには、楽しそうに笑う1人の少年と小さな子猫が映っていた。
それから俺は、声が聞こえることはなくなった。
Nakamu達も安心したように俺といつも通り変わらず話してくれる。
もう、忘れないよBroooock。また、どこかで、
今度は顔を見せてよ。俺のところに会いに来て。待ってるから。
nk「あ!見て!猫!」
Nakamuが指さした猫は赤い首輪をつけていた。
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