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🍈🍞893パロibsm

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1 - 第1話/歯車

♥

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2025年03月25日

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このままだといつまで経っても投稿できないので見切り発車で投稿して書きたい時に書くことにしました。

全て予定です。完結もしない可能性があります。


🍈🍞腐向け


ibsmヤクザパロです。

とっても暗め。誘拐とか欠損とか監禁とかSMとか快楽堕ちとかする予定ではあります。 私の性癖にしか配慮されてません。

ibがヤクザ、 smがそーいちです。

同主演者様の他作品の似たような台詞や設定をお借りしてるところがあります。色々オマージュして使っているのでそういうのが気になる、無理だという人はブラウザバックお願いします。

全て捏造です。現実のあらゆるものとは全く関係ありません。


𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃


ibsm/歯車


𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃


爽やかな秋晴れの、ジャケットを着るにはまだ早く、シャツ1枚でいいような。そんな、少し暑い日だった。

そこで俺の歯車は狂ったんだろうか。それとも、狂ったなんてことはなく、産声を上げた瞬間にこうなる事は決まっていたんだろうか。


「はい、これ!」

「…は?」

なんだか見た事のある顔だった。

どこで見たかは忘れたけど、印象に残る顔だった記憶がある。…正直、多忙を極めて荒んだ心に衝撃を与えるには十分な、どタイプな顔だったから。


どこで?いつ見たんだっけ?確か写真と名前が一緒になってて…


俺よりも頭1つ分くらい高い身長が同じ目線に屈み、その身体に見合った大きい手を目の前で振られるまで、声をかけられていることに気付かなかった。

「あれ?おーい」

「誰、ですか?」

しかし日々の疲れが溜まった頭では、こう発することしか出来なかった。

「君さぁ、さっきこれ落としてたよ」

誰だ、という問いには答えずに男は続ける。

「これ名刺入れ?イケてんね!」

なんて笑いながら落としていたという皮財布のようなものを差し出す。さっき歩きながらカバンの中でスマホを探したから、その時に落としたのだろうか。

受け取ってみると、まさしく俺の名刺入れだった。

そしてその時、見えてしまった。まだ半袖で十分な秋晴れの日、暑さの残る夕方には、長袖のシャツは暑かったのだろう。ちょうど2回ほど捲られた袖口から覗く、色鮮やかで深みのある刺青が。


よし。見なかったことにしよう。うん。そうしよう。自分のためにも、この人のためにも。わざわざヤのつく仕事をしているなんてバレたくはないだろうし。

「俺のですね、助かりました。どうも」

「ねぇ、今帰り?」

「あなたに関係あります?」

「つめたいね〜」

さっき、名刺入れ?と聞かれたってことは、中身が見られたということ。でも、わざわざ名刺入れだと確認した後にその名刺をまじまじと見て覚えて…なんて非常識なことはしないはず。せめて名前をちらっと確認するとか、それだけ。ヤのつくと言ってもちゃんとした普通の大人の対応が出来るはずだ。

こちとら久しぶりに家に帰れる貴重な日なんだ。何か深堀りされる前に撤退するのが得策だろう。早く帰りたい。

「落とし物、届けていただいて助かりました。ではこれで失礼します」

これ以上話しかけるなよ、信じてるからなお前の空気読みスキル!

踵を返し歩き出そうとした瞬間。


「ねぇ、芝浦署捜査一課の志摩一未さん?」


前言撤回。空気も読めない非常識な野郎だった。

「今帰り?」

「…いえ」

「うっそだ〜ぁ!こんな時間からどっか行くの?ブラックだね〜」

まぁうちもブラック企業なんだけどネ、と聞いてもいないことを教えてくる。ていうかヤクザをブラック企業と呼ぶな。

「だったら何ですか?」

「飲みに行こうよ、ね?」

空気の読めないコイツの、ね?とか言うその声色から、空気が読めてしまう俺は、こちら側に決定権がないらしいことが分かってしまった。




最悪すぎる。

隣には「ね〜ね〜何飲む〜??」なんて呑気に酒を仰いでいる男がいる。

こいつは伊吹藍、赤藤(アカフジ)組の若頭。

「俺伊吹藍!好きに呼んでね〜」

という自己紹介を聞いて思い出したが、こいつは芝浦署管内のB、いわゆる暴力団のリストに入っていた男だった。チラッと見た資料に顔と名前が記されていたので、それで覚えていたのだろう。一瞬でもタイプだなんて思ってしまった過去の自分を殴りたくなった。


ちなみに俺は男女関係なく恋愛対象だ。そう自覚したのは高校の時。所謂、バイってやつだろう。数年前に、ある人を亡くしてから男ばかりになったけど。今は忙しすぎて恋人どころではない。

だからといってヤクザのこと「あ、超どタイプ…」なんて目で見るなんて刑事失格だ。あの日あの時の俺を本当にぶん殴ってやりたい。お前がタイプだと思ったその男はクソみたいに非常識で空気が読めなくて出会ったその日に自己紹介もまともにせずに俺を飲みに連れていくヤツだ。

「志摩ちゃんはさぁ、なんで刑事になったの?」

「…さぁ、いつの間にか。」

「えぇ〜つまんね〜」

「じゃあ逆になんで…」

「ん?」

「…」

なんでヤクザになんてなったんだ、と聞こうと思ってすんでのところでやめた。伊吹藍がヤクザであることは、知らないふりをするつもりなのを思い出したからだ。知らない方がいいことも、知らないフリした方がいいこともこの世には溢れている。

「やっぱりなんでもないです」

「ふーん。てかさぁ、志摩ちゃんはいくつなの?」

「34ですけど…」

言ってから思った。なんでヤクザに個人情報教えてんだよ、って。

「え!?同い年じゃーん!!!!!!!!」

「はぁ」

かなりうるさい。

「じゃあ今からタメ口ね!俺のこと呼び捨てしていいよー」

刑事がヤクザと酒を飲み交わす仲、ましてや呼び捨てし合っている、なんて知られたらどうなる事か。手柄のために協力しているのではなんて疑われたら、それこそ生きていけない。

「ほらほら〜?何か聞きたいことないの?」

伊吹は、ニコニコ…というよりニヤニヤとした顔で俺の顔を覗き込んでくる。

特に聞きたいことなんてないが、今は建前上何か聞いた方が角が立たないのかもしれない。

「なんで、見ず知らずの人間に飲みに行こうなんて言ったんだ?」

「仲良くなれそうだなって思ったから」

「へぇ。」

「てかこれ一応ナンパだし」

「へぇ。…は?」

「ちょろいね〜志摩ちゃん!」

クソ、

「帰ればよかった」

「志摩ちゃん、口に出てるよ」

「…お手洗い行ってくる」

「あいよ〜!」



とりあえず避難してきたがどうする?

隠れて帰るか?いや、席が出入口の前にあるからそれは無理だ。でもアイツはかなり呑んでいる。顔は赤くないが、さっきよりテンションが上がっている気がする。騙せるか?いや、相手はヤクザだぞ…?適当に用事作って帰るか???ダメ元で言ってみるのもありかもしれない。

なんでよりによって俺なんだ。ナンパって何だよ。アイツもそういう趣味なのか?あんなにモテそうな顔してもったいな…ってクソ何考えてんだよ俺!


トイレに入ってから5分が経過した。

さすがに帰らないと怪しまれるだろう。怪しまれないにしても絡まれて面倒になるのは目に見えている。


「遅かったねー」

「ちょっと…体調悪くて」

「え!?大丈夫??」

「ご心配なく」

「水飲む?夕方会ってから何も飲んでないっしょ?」

さすがにまだ暑いし熱中症とかなっちゃったら大変だよ?と言われ、心配を無下にするのもなんか恨まれそうで嫌だな、と考えてしまった。

でも、この男を残して席を立ったあとの飲み物は、さすがに飲みたくない。

「…」

「あ、飲みたくないよね?新しいの頼むから」

大将〜お冷1つ!と一声かければ真新しい水が運ばれてくる。直接手渡された水なら大丈夫なはず。そう思ってゴク、と1口。

「よし、お勘定にしよう!」

そう言って伊吹は席を立つ。

「俺払うから、ちょっとまっててね〜」

「いや、悪いから俺も…」

「いいのいいの〜!誘ったの俺だし、かっこいいとこ見させてよ」

そう言われてしまえば断るほうが無粋だろう。大人しく財布をカバンに戻し、お勘定を終えた伊吹と店の外へ出て、その日は解散した。



ガチャ

どこにでもあるような平凡なアパート。鍵をさして回し、ドアを開ける。

ミニマリストという訳でもないが、如何せん家具に興味が無いため、そういう類いは必要最低限。

明日は公休だ。今日のことは忘れて1日ゆっくりしよう。風呂に入るために脱衣所のドアを開ける。と、なにかポケットの中に感触があった。

今日は手に掛けて持っていたジャケットの左ポケット。左手に時計をつけているのもあり、引っかかるのがストレスだから自分では使わない。取り出してみると名刺入れのようだ。

動揺してこんなところに入れていたらしい。



俺はそこで気づけばよかったんだ。

名刺入れの隅に、変な厚みがあることに。

ヤクザに物を拾われて、怪しまなかったことに。俺の事を好意的に思っているならいつか利用できるかも、なんて考えなければ。今ならそう思う。



「また会おうね、志摩ちゃん」

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