テラーノベル
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ウーバーでサンドイッチとアイスコーヒーを頼むと、30分ほどでやってきた。
私はそれらをトレーに乗せ書斎へ運んだ。
「神崎さん、失礼します。」
「どうぞ〜?」
今度は少しだけ機嫌のいい声。
何かあったのだろうか?
「あぁ、こっちに置いておいてくれますか?」
「はい。」
「ところで、小田さん?」
「はい?」
「この原稿読んでもらえますか?
少し第三者の意見も聞きたくてね。」
「はい、良いですよ。」
私は一枚の原稿用紙を手渡された。
すぐに音読する。
「彼女の息は荒くなり…?
僕は彼女のたわわな胸を服の上から貪るように…
って、ギャァァァァ!
これ、何ですかっ!?!?」
「何って…
ファンタジー小説に見えます?
官能小説ですよ。」
「変なもの読ませないでください!」
「人の仕事を変呼ばわりですか?」
「いえ、そういう意味じゃ…」
「あなたの第4の仕事っていうのはね、僕の仕事のアシスタントです。」
「は…!?
つまり、エロ小説に協力しろって事!?」
「官能小説、ね。」
「い、嫌ですよ、そんなの!」
「ねぇ、小田さん?」
「は、はい…」
段々と距離を詰めてくる神崎さんに、私は若干後退りしながら答えた。
「家政婦派遣会社ロビは、登録料さえ払えば、契約内容は雇用者と家政婦の間で決める事が出来るんですよ。」
「はぁ…」
意図が分からない。
「つ・ま・り?
給料をいくら払うかも自由なんです。
月に30万円でどうですか?」
「さ、さ、30万円!!」
「そうそう。
あなたさえやる気があるなら、僕は払いますよ?」
「…何をすればいいんですか?」
「そこに座って。」
私はソファに座った。
「エプロン取って、手は上に。」
「な、何を…?」
「30万円分の仕事をしてもらうだけですよ。」
彼は私の隣に座り、そして、両手で胸を揉んだ。
「ちょっ…何して…!?」
「やっぱり服の上からじゃ感じませんか?」
「当たり前でしょ!
ブラしてるんですから!」
「ふぅむ、訂正が必要そうだ。
ありがとうございます。
とりあえず今日の分1万円渡しておきます。」
え、一万円!?
一万円なら、あれも買えるし、これも買えるし…!
少しのセクハラに耐えるだけなら…!?
私の心は一万円に揺らぐ。
「あ、もう良いですよ。
明日もよろしくお願いします。
そうだ、掃除はお願いしますけど、紙類だけは絶対に捨てないでください。
後のゴミはご自由に。」
そして、神崎さんはサンドイッチを食べ始めた。
私の家政婦初日は波乱の幕開けで終わったのだった。
一万円を握りしめて、私は帰路についたとさ。
コメント
1件
第3話、読み終わりました!「え、家性婦!?」ってタイトルからしてインパクトありますね。神崎さん、官能小説家だったんか…しかも家政婦契約を盾に30万円でアシスタント扱いって、ずいぶん強引というか。でも最後の一万円ポンと渡されて「これなら耐えられるかも…」って心揺れる小田さんの感じ、すごくリアルで笑ってしまいました。掃除はOKでも紙類だけは絶対捨てるなってのも、創作資料が散らかってるっぽくて職業柄がにじんでますね。次、どうなるんだろう…続きが気になります!