テラーノベル
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なにより綺麗な石は。
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長い睫毛、綺麗な肌、顔立ち。
焼けた肌にはブラウンの混じった睫毛が良く似合う。髪の毛は綺麗に染められていて
風に靡かせればふわりと溶けてしまいそうなほどにさらりとしてて、
閉じている目の中には赤い目が隠れている。
「……」
すー、と寝息を立てる健やかな口に前より幾分か太くなった細長い首元、きらりと下げられたネックレスはよく映えている。
筋肉で仕上げられてきた身体、手はその筋肉で筋が出てきたが自分よりまだ肉が残った手、太くも長い指についた爪は綺麗に短く整えられていて。正に人を惹き込む姿には
「…ルビー」
そんな宝石の名が頭を浮かぶ
でも、間違っている気はしない。自分の指に時折入り込む髪が太陽で照らされてて、それがまた自分の発想を沸騰させる。
「ん…」
「!…」
開けた目を直ぐさま閉じた彼はごろりと頭を俺の腹に向ける。寝息は聞こえない。きっと起きてるのだろう
「…綺麗だなぁ。お前」
あぁ、神様。それがいるのか知らねぇけど、この幸せが続くのであればそれで良いから、どうかこのままで。
ふと、緩いTシャツから見えた自分の着けた内出血の後、噛み跡が姿をだす。
「んん…」
瞼を上げて赤い目がゆっくり俺の顔を映す。
その目の中にいる俺は、慈愛に満ちた顔で、眉を下げて自然に口角が上がっていた。
「くまちゃ、」
「んー…?」
「おはよ…」
おはよう。そう返した後ゆっくり起き上がるそいつの首筋に触れるだけのキスをした。
「ん…」
それに応えるように赤くなった顔は俺の方を向く。
頬に着いた柔らかい感覚の後、リップ音が耳に広がる。
「…飯でも行くか?夕方も短くなってきた。」
「ウン…行く」
でも、もう少しだけ。そう言って抱きつかれれば次第に身体はそいつの頭をまた撫でる。甘い匂いが鼻に通り頭がふやけて落ち着く。
こうやって生きてて、そんな人生の中でできた
彼の心情はなにより好きだ。どんな色をしていようとも。どんなに弱くとも
「阿形…」
俺はそれが宝石以上に思える。
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ドッッッ純情、いいですよね
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