「琴乃葉せ〜んぱい、パーカー返しにきましたよ。」
クラスの女子たちが黄色い悲鳴をあげる。その鬱陶しいと思えるほどうるさい悲鳴を遮り、俺は夏咲がいるところへ向かう。
俺はパーカーが入っているであろう紙袋を受け取る。
「洗っときましたよ。」
「別に洗わなくてよかったのに。」
昨日、俺は貸すときに「そのまま返してくれていいよ」と言ったはずだが、夏咲は洗ってきたらしい。
「先輩に俺の匂いつけたかったので。」
後ろから聞こえる悲鳴は聞こえなかったことにしよう。心の中でそう決める。
「聞こえるように言うなよ」
恐らくだが俺は赤面している。それを面白がるよう夏咲が笑う。
「俺のものって示しちゃダメですか?」
ニヤっと笑う夏咲にすごく殺意がわく。こうなっているのは少し時を遡るとわかることだ。
頑張って完結させます。
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