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#モブさく
時雨 雫
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𝓜𝒚𝒖
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「君たちが、桜くんを泣かせたのかな?」
その声の主は言うまでもなかった。
タッセルピアスをなびかせて、一人の男に蹴りを入れている_蘇枋だった。
「誰だよ。今、お楽しみ中なんだよ」
「へぇ、彼が嫌がっているのに?」
上品な笑みを浮かべているが、その目は、全く笑ってなくて、汚物を見るような冷たい目だった。
さらに、どす黒いオーラをまとっていて、明らかに怒っている様子である。
桜は、仲間が助けに来てくれた安心と、仲間に、知らない人との口付けを見られてしまったことの羞恥心でぐちゃぐちゃな感情になっていた。
「今すぐ、桜くんを離してください」
「蘇枋ッ…」
「へっ、邪魔者が入ったか。」
「桜さん!!」
「楡井までっ…」
「桜さんの馬鹿ッ!!俺たちどれだけ心配したと思ってるんですか!!」
「とにかく、この場を離れましょう!!」
「ちょっとまて。蘇枋も危ないんじゃないか?俺も手伝って…」
「蘇枋さんなら、桜くんが手を出されたことに相当ブチ切れてるので心配いりませんよ。おそらく1人でも相手を全滅させると思います。」
なんて話しているとちょうどよく蘇枋が戻ってきた。
「ごめん、待たせたね。2人とも」
「蘇枋さん!もう終わりましたか!」
「相手が思ったより弱かったよ。(まぁ、桜くんに手を出した時点で、あれだけじゃ済まさないし、後できっちり片付けておくつもりだけど…)」
と、蘇枋は、優しい笑顔の裏で腹黒いことを考えていた。
「桜くん。怖かったよね。 」
桜は、今までの恐ろしさを思い出し、とうとうポロポロと涙を流し始めた。
「わりぃ。2人の言うこと、聞けなかった。」
「一体何があったんですか?」
「それは…」
「あの!さっきの男の子ッ!」
高い声が聞こえてきたと思うと、先程助けた若い女性だった。
「さっきはあの男の人達から助けていただき、ありがとうございました!」
深々と頭を下げる女性。
そして、桜は若い女性と共に楡井と蘇枋に顛末を伝えた。
男達に絡まれていた女性を桜が助けたこと。
桜が女性の身代わりになってしまったこと。
男達に、貶されて酷い扱いを受けたこと。
蘇枋と楡井は黙って聞いていた。
そしてゆっくりと口を開いた
「そうか…辛かったね…。桜くんがそんな酷い目にあっていたなんて…」
穏やかな口調の蘇枋であったが、心の中では。
「(よくも桜くんのファーストキスを奪ってくれたね。後でどんな目にあわせようか…)」
と、憎悪の感情で渦巻いていた。
「桜さんは、今後一切ひとりで外出禁止です!」
「はぁぁ!?なんでだよっ! 」
「町の位置を把握出来るまでは、外出する際は、俺と蘇枋さんが付き添います!」
「そうだね。」
「勝手に話進めんな!」
3人は横に並んで帰宅し始めた。楡井が2人の手前を歩いている。
蘇枋は、楡井にバレないくらいの小声で、桜にこう告げた。
「もう二度とあんな場所に行かないでね。」
「約束、破ったらお仕置きだよ。」
「お仕置きってどういうことだっ」
「それは、ここでは言えないかな」
蘇枋は、くすくすと笑っていた。
「俺が見てないからってイチャイチャしないでください。それに蘇枋さん、抜けがけは良くないっすよ」
ふたりの会話が聞こえていたのか、楡井がムッとした表情で蘇枋に告げる。
あたりはもうすっかり暗くなっていた。
コメント
1件
読了しました🥀 蘇枋さんの、笑顔の裏に冷たい怒りが滲んでるところがもう…たまらなかったです。桜くんが助けられた安心と恥ずかしさでぐちゃぐちゃになる感じ、すごく伝わってきました。楡井の「抜けがけは良くない」のツッコミも大好きです笑 約束破ったらお仕置き、気になりますね…次が楽しみです🌙