今回はフランス姉のところへ!
フランス「~♪」
フランスは優雅に食後の散歩をしていた
フランス「今日はどこを見て回ろうかしら」
ガサッ
近くの草が動く
フランス「?なにかしら?ここには私たちしか存在しないはずだけれど…」
フランスが動いた草に近寄ると…
フランス「あら!」
「にゃー」
そこには小さく灰色の子猫が居た
フランス「あらあら。可愛らしいchatonね」
フランスの足下に子猫が近寄って来てスリスリと子猫は「にゃー」と鳴きながらフランスの足に頭を擦りつけている
フランス「ふふっ私のお召し物が汚れてしまうわ。でも、この世界には野良猫は居ないはずよ?貴方、もしかしてペットショップから逃げてきてしまったの?」
「にゃー」
子猫は変わらず鳴き声を上げている
フランス「まぁ、通じるわけないわね」
フランスは子猫をじっと見つめ
フランス「…ここで会ったのも何かの縁よね。いいわ!貴方、一緒に来なさい」
フランスが歩き出すと子猫も着いてくる
フランス「貴方の名前は何が良いかしら?貴方は灰色だし定番のグリ(Gris)かしらね」
「にゃー」
フランス「ふふっ決まりね。貴方の名前はグリよ。よろしくねグリ」
グリ「にゃー」
そして暫く歩きフランスの城に着く
フランス「まずはお風呂に入らないとね」
グリ「?」
フランス「お風呂よ。お風呂は体を綺麗にするものよ」
フランスが屈んでグリと目を合わせて説明をする
グリ「?」
が、グリは依然と首を傾げるだけで伝わっていない様子だった
フランス「まぁ仕方ないわよね。私とグリでは違うもの」
城内を少し歩いて浴場に着く
フランス「さ、一緒に入るわよ」
フランスはバスタオルを1枚巻きグリを抱えて中に入る
フランス「猫は水が嫌いだと聞いたのだけれど、貴方は平気なの?」
グリ「にゃー」
フランス「まぁ、聞いてもわかりはしないわね」
優しくシャワーをグリにかけると
グリ「にゃー 」
グリは一瞬はびっくりしたもののすぐに冷静になった
フランス「貴方、珍しい子ね」
そして黙々と洗っていくと
フランス「あら!貴方って毛並みは白色だったのね」
そう。グリは白猫だった。さっきまでは汚れて灰色に見えていただけで本当の毛並みは美しい純白だったのだ
フランス「私、もうあなたにグリと名付けてしまったわ。今からでもブランにしようかしら」
グリ「にゃー!」
グリはさっきよりも強く鳴き声を上げた
フランス「!…ふふっ貴方はもうグリだものね。」
フランス「今から乾かすから大人しくしていてね」
そして全てが終わった頃にはグリは美しい姿になった
フランス「拾ったときも可愛らしかったけれど今はさらに可愛いわね。美しいわ」
グリ「にゃー」
フランス「ふふっ今からご飯をあげるわね」
グリ「にゃー!」
そうしてフランスはグリと一緒に暮らして早くも3年が経った
フランス「あら」
グリがティータイム中のフランスの膝の上に飛び乗る
フランス「今日はここの気分なのね」
グリ「にゃー」
フランス「貴方ももう成猫ね。貴方は大体拾ったときが0歳とするともう3歳なのね。人間年齢だと28歳くらいね」
フランスがグリを撫でる
フランス「…!ねぇグリ、人間の世界見てみたくはない?」
グリの耳が動きゆっくり目を合わせてくる
フランス「次の人間達との対面でお願いしてみるわ。貴方も次は私と一緒に出席なさい」
グリ「にゃー」
フランス「それとついでに首輪に小型カメラをつけさせて貰うわね。ふふっこんな悪いことを企むのは何年ぶりかしら」
フランスは意気揚々と準備に取りかかる
そして次の対面の日になると
フランス「~」
人間「~?」
フランス「~」
人間「~」
フランスと国の偉い人間達の間はたった1枚の薄いカーテンで区切られている空間で政治の話やお金の話などを話し合っていた
フランス「(このカーテン1枚を抜ければあちらの世界なのに、なぜもっと厳重にしないのかしら) 」
フランスがそう思うとさっそくグリの話を持ち出した
「ねぇ、私は最近この子を飼っているとお話ししたわよね?それで話があるのだけれど、この子を少しの間だけそちらの世界連れて行ってくれないかしら?」
人間「!?」
人間側が少しザワついているがお構いなしに話をする
フランス「この子は私以外の生き物を見たことがまだなくって、新しいことに触れさせたいの。もちろん。私は貴方たちの顔は見ないし、そっちの世界にも行かないわ。行くのはこの子だけ。駄目かしら?」
人間「…いいでしょう」
フランス「!」
あちらがこんなに早く認めてくれると思っていなかったフランスは少し驚きはしたがすぐに冷静になり
フランス「 Merci beaucoup」
そしてまた暫く話いよいよ解散をすることに
フランス「行ってらっしゃい」
フランスはそう言ってグリを膝の上から降ろすとカーテンを潜ってカーテンの向こうに行った
グリ「にゃー」
グリは鳴き声を上げ人間達と共に人間の世界へと行った
フランス「Faites un bon voyage」
そうしてグリを送って1ヶ月。次の対面の日が行われる日になった
フランス「~♪」
フランスはいつもの対面の日とは違い、少しご機嫌な様子で向かった
フランス「あら、もういたのね 」
カーテンの向こうから声が聞こえ、いつもはフランスが1番に着くが今日はそうではなかったよう
人間「えぇ、今日は言わなければならないことがありまして」
フランス「?一体何かしら?」
するとゴロゴロと音が聞こえてカーテンに何かが当たっているような形になりこちらに入ってきた
入ってきたのはタイヤがついた少し小さめのテーブルとその上に乗っている冷たいグリだった
フランス「…あら、これはどういうことかしら?」
フランスはいつも通りの声色で聞く
人間「首輪に何者かによってカメラが仕込まれており貴方様が危険なのではと思い殺処分致しました。」
フランス「へぇ、そうなの。そしてカメラを仕込んだのは誰かはわかるのかしら?」
人間「いえ、それがまだわかっていないのです」
フランス「…まぁ、いいわ。それで?今日の話なのだけれど_」
フランスは3年間可愛がっていたはずのグリを殺されても何も動揺はせずにその日の話は終わった
人間「では、そちらの猫はどこで埋葬しましょうか?」
フランス「私の所でいいわ。貴方たちは忙しいでしょう?」
人間「お心遣いに感謝します。それでは」
そうして人間達は帰って行った
フランス「さてと、では、お家に帰りましょうか。グリ」
グリを持ち上げると真っ赤な鮮血が飛び散っていた
フランス「あら、白猫の貴方に赤は映えるわね。今までで1番美しいわ」
そうしてフランスはグリを抱えて家の方角へ進む
フランス「貴方は死んでしまったのね。でも、貴方とはたったの3年間しか居なかったから悲しくは無いわ」
フランス「だって、死は美しいものよ。でも実際に死体に触ったのは貴方を含めて二回しかないの だけれどね。一回目は先代をこの手で殺して食べたときだったわ」
フランス「味はとても美味しかったわ。もう二度と食べられないものだからかしら?死に際もすごく美しかったわ」
フランス「あら、お話ししてたら着いてしまったわ。では、お庭にでも埋めようかしらね」
フランスはシャベルを持ち庭を掘る
フランス「~♪」
なんだかフランスは楽しそうだった
フランス「はい。今日からここが貴方の寝床ね。花に囲まれてとても美しいでしょう?」
グリをゆっくりと中に入れようとしたとき、フランスの動きが止まる
フランス「…でも、貴方をここに埋めるのは勿体ないわね…!そうよ!貴方を食べてしまいましょう!」
フランスはグリを食堂まで運び皿の上に置いた
フランス「貴方の寝床を掘っているときは貴方に最後の声をかけられるのが私で嬉しかったわ。でも、今は凄く嬉しいの」
フランス「なんでさっきは気づかなかっのかしら?貴方を食べれば貴方の血は、肉は、私の中で共に生きられるのよ?ふふっでは、いただくわね」
フランスはフォークとナイフで優雅に食べ進めていった。人間がこの光景を見たら正気ではないと思うに違いない。だがしかし、国の世界と人間の世界ではどこか価値観が違っているのはおかしくないことではないか?
そんなこんなでフランスは途中で水も飲まずにグリを食べきってしまった。きっちり骨までも
フランス「美味しかったわ。貴方は見た目も中身も美しかったわ。ありがとう。グリ」
そうしてフランスはいつもの日常に戻っていった。グリは元からフランスの血肉であったように錯覚させる程にいつも通りであった___
スクロールお疲れ様です!
フランスは骨を食べたとありますが、それは骨を残すという発想がなかったからです!
先代を食べるときも何一つ残らず食べるのでその名残ですね!
では、見てくれてありがとうございました~!
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