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最近、神風の様子が少し変わった気がする。あのしつこくて明るい彼が、なんだか本気になっているような気配がする。私に対するスキンシップが増えたことや、少し真剣な表情を見せることが増えてきたからだ。そんな神風を見ていると、なんだか複雑な気持ちになる。
放課後、神風が私の前から去っていくと、ふと彼が詩音のところに向かうのを見かけた。二人は幼なじみで、仲が良いから、何か相談でもするのだろうか。気になって、私は思わずその方向に目を向ける。神風が真剣な表情で詩音に何かを話しているのが見える。
「おい、詩音。俺、月見のことが本気で好きなんだ」と神風が言ったのが、かすかに聞こえてきた。驚きと戸惑いが私の心をかすめる。彼がこんなに真剣に言っているとは思わなかった。普段は冗談ばかり言っている彼が、今はまるで心の底から思っているかのように見えた。
詩音は静かに神風の話を聞いている。どんな言葉を返すのだろうか。心配と期待が交錯する。神風が何を言うのか、そして詩音がどう返すのか、興味があった。でも、心のどこかではその状況を見ているのが恥ずかしくもあり、聞き耳を立てている自分が情けなくも感じた。
神風が続けた。「俺、月見に『愛してる』って言ったことがないから、どう伝えたらいいのか分からない。彼女にどう思われてるか、すごく不安なんだ」。その言葉を聞いた瞬間、私の心がドキリとした。彼の言葉には、本気の思いが詰まっている。いつもふざけている彼が、私のことをそんなに真剣に考えてくれていたなんて。
詩音は、優しく微笑んで神風を見つめ、「まずは素直に気持ちを伝えてみればいいんじゃない?」と返した。彼のアドバイスを聞いていると、神風の表情が少し柔らかくなるのが分かる。まるで彼女の言葉が、彼の心に響いたかのようだった。
神風が詩音と話している様子を見ていると、彼がどれほど私を大切に思っているのか、少しずつ理解できてきた。彼の不安や焦りが伝わってきて、なんだか切なくなる。神風が本気で私を想っていることが、私の心にも影響を与え始めていた。
その後、神風が詩音に感謝の言葉を述べる姿を見ていると、私の心の中で彼への気持ちが少しずつ変化しているのを感じた。これまで「うるさいだけのやつ」と思っていたのに、今は彼の真剣な思いを受け止めたいと思う自分がいる。
彼がどのように私に気持ちを伝えてくるのか、ドキドキしながら待ち望む気持ちが高まっていく。神風のことを、今まで以上に考えるようになってしまった。果たして、彼が私にどんな言葉を投げかけてくるのか、期待と不安でいっぱいになった。