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病名は「�����」でした。
…見たことのない天井だ、ここは…?
医者「月ノさん。やっと目を覚ましたのですね。」
私「月ノ…?って誰ですか?」
医者「やはり…あなたは月ノ輪(つきのりん)という人間ですよ。恐らく…いや、記憶喪失でしょう。」
私「…は?私は記憶喪失なんかじゃない、ずっと幸せに暮らしてきたの、」
この医者とやらはきっとヤブ医者だ。そうに決まっている。私は覚えている。笑って暮らしていたことも未来を約束した人間がいることも。でも…なんでここにいるんだっけ…?
医者「月ノさん、貴方は今混乱している。取り合えず落ち着きましょう。私は一旦離席します。名前は…水間と名乗っておきます。何かあったらお呼びください。 」
水間…さんか。いい名前だと思うが、何か引っかかる。聞きたいことが沢山あるのに何も聞けなかった。戻ってくるのを待つか…?
あれ、視界が暗く──────────
水間「あ、おはようございます、月ノさん。また眠っておられたのですね。」
水間…?ずっと見ていたのか…?何が目的なんだ、こいつは。それより…聞きたいことが沢山…
私「あの。私はなぜ病院にいるのですか。何かの病気なのですか?」
水間「貴方は…山道で一人倒れていたんですよ。目撃者が通報してくれたおかげで一命を取り留めましたが…記憶障害を患ってしまったようです。もうどうにもならないでしょう…。」
山道?一人?記憶障害??
頭が痛い。思い出せない。脳が機能していないみたいだ…。脳が事実を拒否している、これは嘘か?夢か?
水間「これから、お見舞いに来てくださる方がおられますので何か思い出せることがあったら良いですね…」
私「お見舞いに…?それは誰ですか…?」
その時。病室の戸が開いた。背が低く…高校生くらいか?まだ子供だ。この子は一体誰なんだ?
水間「お、丁度来ましたね。この方は、貴方のご友人の守登野ロン(すとのろん)さんです。」
私「え?この子供が…?」
水間「あぁ…覚えてないのですね。貴方はいま高校生なのですよ。この方と同い年、16歳です。」
あぁ…ずっと勘違いしていた。大人じゃなかったのか…守登野ロン…珍しい名前だなぁ。
守登野「りん、お前ほんとに俺の事覚えてないのか…?」
私「…ごめんなさい。何も覚えてないんです…記憶障害だとは思ってないのですが…」
守登野「その敬語やめろよ。なんで俺相手にかしこまるんだよ。他人みたいな対応とるな。」
なんだこいつは。今の私にはこの人は他人にしか見えない。なのになんだこの言われようは…まあ良い。友達なんだから…悲しいだろう。 それでもなんか腹立つな。
私「あ、うん、ごめん。守登野くんは…私の友達なんだよね、だから色々知ってるだろうし…私起きたばっかりでなんにも覚えてなくて笑色んなこと教えてよ。」
守登野「俺は友達なんかじゃねぇから。でも俺はお前の事を何でも知ってる、一番知ってる。何でも教えるから思い出してくれよ、」
私「守登野くん…?」
なんで泣いてるの。なんで泣くの?覚えてなかったから…?ごめんなさい。全部思い出すから…泣かないで。なんでだろう。とても胸が痛い。知らない人なのに、さっき出会ったばかりなのに。
私「守登野くん、守登野くんは私の大切な人なんでしょ…?忘れちゃいけないくらい大切な人なんだよね…?ごめんね、思い出せないよ、泣かないで。思い出すから。思い出させて…」
守登野「…お前も泣いてんじゃねぇかよ、りん笑りんは俺を大切な人だと思うんだな…そっか…そっか…。俺が思い出させてやるからな。頑張れよりん。じゃあ…もう帰るから。また。」
嵐みたいな人だった…でも。大切な人なんだろうな…。あまり思い出せなかったけど、忘れちゃいけない人を思い出せたんだ…よかった。
水間「守登野さんがいれば大丈夫そうですね…。月ノさん。貴方は明日で退院です。」
…は!?急すぎるって!?バカじゃないの…まだ全然思い出してないのに…守登野くんに迷惑かけちゃうよ…
私「わ、わかりました。私はどこに帰るのですか?」
水間「それは…守登野さんが教えてくれますよ。守登野さんを信じ、守登野さんに導いてもらって下さいね。今日はもう疲れたでしょう?私は他の人のところへ行くので、ゆっくりして下さい。」
私「はい…ありがとうございました。」
これから私は…守登野さんを頼りの綱として生きていくのかな…親は会いにこなかったんだなぁ。忙しいのかな?明日は親に会えるかな…どんな人なんだろう。学校も楽しみだな、早く明日にならないかな…───────────