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楽しい日曜日はあっという間に過ぎ、お別れの時間だ
名残惜しそうに寿司屋の駐車場で、二家族は話し込んでいる。まだ元気が有り余っている、レオと明が駐車場を走り回る
「こら~~~~!駐車場では走らない!!」
レオ母が叫ぶ、二人は犬のように走って帰ってくる
「レオ君・・・・こんどうちに遊びに来てね、北斗さんに言ってコーンマヨネーズ軍艦、沢山作ってもらうわ 」
「え?寿司作れるの?」
「たとえ無理でも、レオ君が来る頃には練習して仕上げてくるわ、それが北斗さんだから」
「ほんと?今から行っていい?」
ギャハハハハハ「まだ食べれるのぉ~~~~???」
アリスがもう無理!とばかりに、北斗に買ってもらった赤のベンツAクラスの、ボンネットに寄りかかって笑い転げている
どうやらレオはアリスの笑いのツボらしい
「これ!レオ!」
レオ母が赤くなって恥ずかしそうに、むりやりレオを車に押し込む
「バイバ~~~~イ、レオく~~~~ん 」
「おう!明日学校でな!」
お互いに充実した一日を送り手を振り合う、今日一日でアリスはレオに影響を受けて、やんちゃになる明を沢山見て来た
それからアリスはしばらくは、レオの事を「コーンマヨネーズ君」と呼ぶようになったのは言うまでもない
::.*゜:.
ふんふ~~ん♪
「北斗さんが買ってくれたこの車快適~♪」
北斗のベンツと同じだがこのタイプは小回りの効く、女性用に開発されたタイプの車だ
しかしそれでもメルセデスだ小さいボディに、内装は見事メルセデスクオリティがギュッと詰まった、実力派のコンパクトカーだ
はやくもアリスはこの車が大好きになった、ご機嫌で運転していると北斗から通話の知らせが来た。ハンドルの横の通話モードボタンを押すと、アリスのスマートフォンとベンツのスピーカーが連動する
「もしも~し!北斗さん?うん・・・うん・・・今お寿司屋さんの帰り、アキ君おなかいっぱいで寝ちゃったみたい・・・」
助手席に乗っている明をそっと見ると、首が90度に曲がって爆睡している。シードベルトに頬を食い込ませ、口からよだれが出ている
キャハハハ!「もうレオ君とってもいい子よぉ~~~俺様口調でサイコーなの!ぜひ北斗さんも今度レオ君と回転寿司に行くことをお勧めするわ、レオ君につられてアキ君もおっかしい~~の!、あら!初めて回転寿司屋さんに入ったけどマナーはすぐにわかったわ!お寿司がレーンで回ってくるのよ!、職人さんはいなかったわ、今日はきっとお休みよ、え?北斗さん?何笑ってるの?」
アリスは北斗に逐一回転寿司屋の出来事を話した。あれもこれも全部北斗に話して聞かせてやりたい、アリスのイメージしてたレオは明と同じ大人しいタイプかと思いきや、想像の遥か上を越えてきた
でもレオと一緒にいる明は輝いていた、文字通り明のお腹はちきれそうに膨らんで、寝息で上下に動いている、満足そうにぐっすり寝ている
「え?いやっだぁ~~~もちろん私は帰って、北斗さんのごはんを食べるわよ!そう思って1皿しか食べなかったんだからぁ~~」
アリスが嬉しそうに話す
うふふ♪「だって北斗さんのごはんが世界で一番おいしいもの~(はぁと)私はもう北斗さんのご飯を食べないと生きて行けない身体なの、楽しみにしてる♪大好きよダーリン♪ん~まっ♪」
チュッと音を立てて投げキスをして電話を切った
ふふん♪「これで今から北斗さんはもう1品は作るわね♪」
近い将来二人の子供達もこうやって、送り迎えすることになるだろう、北斗からの贈り物の、この車とは長い付き合いになりそうだ
「楽しい一日でよかったね・・・アキ君 」
アリスは眠る明にそっと囁いた
::.*゜:.
明とレオはいつでも一緒にいるようになった、アッキーズとレオの攻防戦は相変わらずで、それでも明は学校生活がとても楽しく、そして一日のほとんどをレオと過ごした
「よし!アキ!じゃんけん鬼するぞ!負けたヤツはおんぶして玄関までだ!」
「よぉ~し負けないぞ!」
じゃんけんで負けたのは言い出しっぺのレオだった、明はレオの分のランドセルを背負って、のしっとレオの背中に飛びつく
「げぇ!重てぇ!」
「わ~い♪楽ち~ん♪」
こんな時はレオの中でカエルがざわつくが、レオはあえてそれを無視した
またはある時の水飲み場では
「俺はこの一番端しか使わない!セーブポイントだ!」
「じゃぁ僕も! 」
「真似すんな!」
「いーじゃん!」
そういう明にレオは呆れながらも悪い気はしない
またレオは音楽室の後ろにある首だけの、ベートーベン像には毎回敬意を込めて、鼻の穴に小指を入れる。もちろん明も同じように真似をする
二人のくだらないゲーム、二人しかわからないサイン、二人の冒険・・・・どんなくだらない事でも明はレオの真似をし、そしてレオはそれを内心嬉しく感じていた
「レオくぅ~~~ん!次体育だよ~!」
ある日レオが外遊びから帰ると、明が嬉しそうにレオの所に駆け寄って来た
えへへ~♪「僕!もう体操服着替えたよ!」
「そうか」
カシャカシャカシャカシャカシャカシャ・・・
今ではアッキーズ察知能力が人より長けているレオが、廊下の向こうの芝生の中から、フラッシュが焚かれているのに気が付いた
レオがギロリと睨むと永原さんを先頭に、カメラを抱えた数人の女子学生が、蜘蛛の子を散らすように逃げる
最近では永原さんの弟子が出来たようで、明を盗撮するカメラが増えている
人気があるのも考えものだ、こうやって無法地帯になるのは気に入らない
レオが学校指定の半袖の、体操服姿の明をじっーと上から下まで見つめる
「・・・?レオ君?着替えないの? 」
ニコニコ明がレオに言う
レオ視点・・・①深くV字に切れ込んだ半袖の体操服、明は大きめを着ているので少し屈めば鎖骨の下まで見える
②・・・二の腕までまくり上げている袖先、腕を上げれば脇が見える、角度によってはダブついた所から、乳首が見える可能性がある
③・・・学校指定のレトロな体操服の半ズボンはのび太並みに短い、あらわになった太ももが惜しげもなくさらされている、きっとアイツらは体育座りをした、時中心に狙ってくるだろう
―結論―
ぴ~っ・・(泣)「どうして僕だけ長袖、長ズボンジャージなのぉ~?レオくぅ~~ん 」
「着てろ!アイツらの餌食になってもいいのかっ!肌をさらすな」
「暑いよぉ~~~(泣)」
「アイツらにシャッターチャンスを与えるな!」
明がきっちりレオに首元までジャージのファスナーを止められる、今や明にはレオと言う鉄壁のガードマンが付いている
レオはどんな小さなことも見逃さない、とにかくコイツをアッキーズの好きにはさせない
今後はより一層取り締まりを強化しなければと、硬く心に誓うレオであった