テラーノベル
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最近、少しだけ忙しさが増していました。
「……ただいま戻りました」
いつもより遅い帰宅。
玄関の電気はついています。
——嫌な予感がしました。
「遅いアル」
やはりいました。
リビングで腕を組んでいる中国。
静かですが、明らかに怒っています。
「申し訳ありません。少し立て込んでおりまして…」
「“少し”じゃないアルな」
「……はい」
靴を脱いでいると、ふらっと視界が揺れました。
「あ」
一歩踏み出した瞬間、体がぐらつきます。
「日本!!」
気づいたときには、中国に腕を掴まれていました。
「何してるアル!!立てるアルか!?」
「だ、大丈夫です…少し疲れているだけで…」
「大丈夫じゃないアル!!」
珍しく声を荒げる中国。
そのまま強引にソファへ座らされました。
「最近ずっと無理してたアルな」
「……」
言い返せません。
「なんで言わないアル」
「ご心配をおかけしたくなくて…」
「もうかかってるアル!!」
ぴしゃり、と言い切られました。
「日本が倒れたら、我どうするアル」
その言葉に、胸が少しだけ痛くなります。
そのとき。
「うわ、修羅場じゃん」
ドアが開いて入ってきたのは韓国でした。
「韓国、空気読むアル」
「いや無理でしょこの空気」
韓国は苦笑しながら、私の顔を見て表情を変えました。
「……日本、それガチでやばい顔」
「そうでしょうか」
「そうだよ」
韓国はため息をつきます。
「ほら、横になりなよ」
「いえ、そこまででは——」
「あるアル!!」
中国と韓国の声が綺麗に重なりました。
「……」
少しだけ、驚いてしまいます。
結局、私はソファに横にならされました。
「ほら、水」
「ありがとうございます、韓国」
「あとでちゃんと休みなよ」
「はい」
横目で見ると、中国はまだ不機嫌そうです。
「……中国さん?」
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「なんアル」
「怒っていらっしゃいますか?」
「怒ってるアル」
即答でした。
「でも」
少し間を置いて、続けます。
「心配してるアル」
「日本ってさ」
韓国がぼそっと言いました。
「なんでそんなに自分のこと後回しにするの?」
「それは…仕事ですので」
「違うでしょ」
ぴしゃりと遮られます。
「自分が壊れてもいいって思ってる感じ、する」
「……」
言葉に詰まりました。
静かになった部屋で、中国が口を開きます。
「日本」
「はい」
「我のこと、兄だと思ってるアルか」
「もちろんです」
即答しました。
中国は少しだけ目を細めます。
「じゃあ頼るアル」
「……」
「兄はそういうものアル」
その言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなりました。
「……では、少しだけ」
「なんアル」
「今日は、甘えてもよろしいでしょうか」
一瞬、空気が止まります。
「……当たり前アル」
中国はそっぽを向きながら答えました。
耳が少し赤いです。
「むしろもっと早く言うアル」
「はは、日本やっと言ったね」
韓国が笑います。
「それくらいでいいんだよ」
その日、私は久しぶりにしっかりと休みました。
隣には過保護な兄がいて、
近くには呆れながらも見守る親友がいて。
「日本、寝たアルか?」
「寝たね」
「……顔、少しマシになったアル」
「そりゃね」
どうやら私は——
思っている以上に、守られているようです。
(続く …かな?)
コメント
2件
あは…は、頑張…ろうかな、?
過保護なのめっちゃ好きなんですよ!! こっからどうなってくのかが楽しみです☺️