「私って…なんだか、向いてないのかも…」
私は、ベットに潜り込み静かに涙を流した。「どうしたのよ、白穂ちゃん」
「…。」
「白穂ちゃん?」
ディアロが話しかけてくれている事も気づけなかった。
「白穂ちゃーん」
「…やっぱりだめだぁ、あたし咲みたいな強い戦士になれないよ」
「ちょっと、電話なってるよ!白穂ちゃん!」
「なにもかもできない、やっぱりこんなの無理…」
「ダイヤモンド‼︎」
おっきな声に驚いた、ディアロは隣で話しかけてくれていた。
「な、なに?!」
「…咲から電話よ、名前を呼んでも返事しないんだもの。」
「あ、咲」
私は電話に答えた
「…もしもし」
『あ、白穂大丈夫か?』
「ううん…やっぱり私向いてないよ、なんにも役に立たないし何にもできない…私、やっぱり―」
『なんだ、白穂らしくない。』
「…?」
『白穂…いや、ダイヤモンド、君はそんな柔い意志じゃないはずよ。大丈夫、私が―』
「いい加減にして…」
『…』
「意味がわからないよ、大体なんなの…なんで私が世界を救わなきゃならないのよ」
『……』
「咲がやればいいじゃん…」
『俺だけじゃ、力不足だよ。』
「私足手まといじゃん!どうせ邪魔なんでしょ!」
「結局助けらればっかり!私なんて、私なんて…」
『…わかった、君をそんなに追い詰めていたならもういいよ。』
「…え?」
『俺一人で何とかする、この世界を救う。』「…………」
『それなら、君が思い悩む必要が無いだろ。』「…でも…」
『…じゃぁな、辛かったらまた連絡してこいよ。』
「待っ…―」
電話はそこで切れてしまった…。「咲…………」
ディアロもいつの間にかいなくなっていた。「…ディアロもどっか行っちゃったし」
「もう寝よう、私は無理よ…。」
私は涙を流し、深い眠りについた。
何も無い、真っ暗な夢
(怖い…なんで、こんな夢…)
(ついてないなぁ、私…)
「ダイヤモンドちゃんとやらは、こんなにも弱い人間だったのか…」
怖くてとても低い誰かの声が夢の中を響き渡った。
(誰…?)
「俺はラバー・マグマ…いずれお前を溶かしに出る悪魔、とでも言っておこうか。」
「な、なんなのよ…」
夢の中は炎の様に真っ赤に染まり、段々とドロドロと溶岩のように溶けて行った。
「ひっ…?!」
「…可哀想に、こんな小さい頃に無駄なことを…」
「む、無駄ってなによ!」
目の前には、三つ目のヤギ男が現れた
「あなたはなんなの?私たちの…」
「あぁ…実に綺麗じゃないか、早く俺のマグマでドロッドロに穢してやりたい…」
ラバーは早足で歩き、
私に「―?!」
ゆっくりと口付けをしてきたのだ。
「んっ…ちょっと!」
私は咄嗟に身体を押した
「…時期にわかるさ、君の美しさが、その儚さが全てを狂わす事を…。」
「?」
「あと、紫水晶は割っておいてやるよ…俺らの生活には必要ない。」
「紫水晶…?あ、まさか!」
「じゃぁな、また会おうぜ。」
ラバー・マグマはゆっくりと溶けるように消えてしまった。
私は飛び起きた、時間は深夜23時…
「咲ちゃんが危ない…!!」
私は感じた、咲ちゃんはいつかどこかで砕けてしまうのだと…。
「伝えないと…っ」
心の中でそう思っていたが朝になると、不思議に忘れていた。
溶岩が、その事を溶かしてしまったかのように。