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「不協和音」

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「不協和音」

1 - 「不協和音」

♥

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2025年01月15日

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!Attention!

・双子設定 ←これ大事

・曲(右/肩/の/🦋)パロ

・☕の病みっぽい表現ありかも?

・要素少なめですがちゃんと🥞☕なはずです

・自分でもよく分からない文です (←!?)

あ、少し地雷かも…と感じた方はBackをお願いします🙇

悪口等は一切受け付けません。












オレ達は双子だった。

それ以上でも、以下でもなかった。

恋愛対象だなんて、絶対にない。

そう思っていた。


あの日までは_____




「はよ、冬弥」

「…あぁ、おはよう」

これがオレ達の朝の挨拶だ。

「昨日もピアノの練習か?」

「よく分かったな」

「ま、隈できてるしな」

兄の冬弥はピアノ三昧だった。

毎日毎日帰ってから夜までずっとピアノを弾いていて。小さい頃はまともに遊んではくれず、いつも独りだった記憶がある。

「今日は放課後助っ人か?」

「ああ、断りたかったんだけど」

はぁ、とため息をつけば微笑みが返ってくる。

いつもそうだ。本当は辛いはずなのに。毎晩、練習が終わってから泣いてんの知ってんだぞ。帰る度に手が震えてんの知ってんだから。もういいだろ。

「なぁ、お前本当は___」

「そろそろ行こう彰人。遅刻はダメだぞ」


___なあ、お前を悪夢から引きずり出すにはどうすればいい?




「なー田島付き合ったの知ってる?」

「へー」

「あ、お前聞いてないな」

授業の合間の休み時間。同じクラスの布川が話をかけてきた。

「彰人って恋愛とか興味ねーの?」

「ねぇな。んな暇があったらサッカーの練習してる」

「ストイックだなー。気になる人もいねーの?」

「、いねぇ」

「もっと青春しろよー」

「うっせぇ」

気になる人と言われてふと冬弥が頭に浮かんだ。

(いや…まさかな。だって双子だし)

その時、視界にひらひらと舞うものを捉えた。

(あ、蝶)

無意識に視線を向ければ、そこには紫の蝶がひらひらと飛んでいた。まるであいつみたいな、なんて。なんだか落ち着かなくて、その後の授業には全く集中できなかった。


思えばこれがすべての始まりだった。




助っ人の練習が終わり、図書館で委員会の仕事をしているであろう兄を呼んだ。

「冬弥」

そう呼び掛けるも返事がなかった。帰りはいつも一緒で、先に帰るなんてことはないはずだ。そう考えながら探していると、カウンターの方でうつむいている冬弥を見つけた。

(寝てるだけか…)

体調でも崩したかと不安で見れば、眠っているだけで安堵した。起こすのは悪い気がしたのでしばらく待つことにした。寝顔なんて見たことなかったなと思いながら。それが間違いだった。何故だか寝ている彼が愛おしく見えてきて。邪魔だろうと思った髪を耳にかけてやればその姿が美しく、心臓が跳ねた。

ダメだと分かっていた。

そんなわけないって。

そんなことあっちゃいけなかった。

でも自覚してしまった。

この気持ちも止められない。

もう戻れない。

前の関係には、戻れない。

でも、どうしても

(__好きだ。)

そう自覚してしまってからは、もうだめだった。冬弥のひとつひとつの行動に意識してしまい、顔もまともに見れなかった。




今日の天気は雨。次の日には花がたくさん咲きそうなぐらい大雨だった。

「あ、」

「ん?どうした?」

「傘を忘れてしまったようだ」

「行くとき確認したよな…?」

「折りたたみを入れたはずなのだが…」

「まあ、とりあえず入れよ」

「いいのか?」

「おう」

「申し訳ないから傘は持とう」

「あ、あぁ。さんきゅな」

いや、全然良くないのだが。好きなやつ(といっても兄)と相合傘なんて意識するに決まってる。傘を忘れることはよくあった。前はなんとも思わなかった、前は。作り笑いはできただろうか。ちらりと横を見ると、冬弥はほとんど傘に入っていなかった。それよりも、その美しさに目がいってしまった。髪から滴る雫、首元をつたう雨粒。前はあまりなんとも思わなかったのに、なぜか色気を感じてしまった。ふと思った。この白い首筋に噛み痕がついたらどんな感じなのだろうと。

(って、何考えてんだオレは…)

まさか、噛みたいまで欲求があるなんて。


「「ただいま」」

色々考えてたうちに、家に着いた。

「帰ってきたか冬弥。練習するぞ」

「……はい」

仕方ないと悲しそうな顔をしながら素直に従う冬弥を見て、さすがに耐えられなくなった。

「少しは自由させてもいいんじゃねぇの」

「!」

「関係ないやつが口を挟むな。行くぞ冬弥」

「っ、おい…」

「いいんだ、彰人。……、おやすみ」

いつもこれだ。きっと今日は夜までやるつもりだろう。


___ガチャ

ドアの開く音に目が覚めた。

(…あいつ、やっと練習終わったのか)

時計を見れば長針が4を指していた。

夕方から仕事なため、母親はこのことを知らない。伝えようと思ったけれど、家族仲が悪くなるのが嫌だった。し、口止めされていて言えなかった。その上、あいつは母親にだけはいい顔をする。タチが悪い。

オレとあいつの何が違う?どうしてオレには自由させてもらっているのにあいつには自由がない?

「可笑しいだろ、そんなの…」

独り言は虚しくも雨の音に書き消された。

いつもはこのまま二度寝するが、今日は違った。

『お”ぇえ、……ゔっ……っかは…、』

冬弥の部屋から嗚咽が聞こえた。一気に不安になり、慌てて隣の部屋に行った。

「冬弥っ、………は、?」

そこには、自室のゴミ箱に顔を埋める想い人、血塗れのカッターや空になった大量の瓶薬、破られた楽譜があった。声がでなかった。ここまで思い詰めていたなんて思いもしなかったから。

「おま、え」

冬弥はこちらを見た瞬間顔が真っ青になった。

「ぁ…ちがっ、こ、これは違うんだ!」

オレは慌てる冬弥を抱きしめた。

「悪い、気づかなくて。こんなになるまで思い詰めさせて、…っ、……わるかった…っ」

「あ、あぁあ…っ」

泣き疲れたオレ達はいつの間にか寝ていた。


[留守番よろしくね 母より]

起きて下に降りたとき、机に母からの手紙が置いてあった。どうやら母と父でお出掛けに行くそうで。つまり、今日1日は帰らないと言うことだ。

「ん…彰人、おはよう…」

「はよ。今日はあいついねぇぞ」

「そうか…」

冬弥の安心した顔を見るのは初めてな気がした。その顔にまた心臓が跳ねた、気がした。

「今日はリフレッシュできそうか?」

「ああ、ゆっくり休もうと思う」

久しぶりな気がする、心のそこからの微笑みを見たのは。前みた微笑みよりも何故だか可愛く見えて、体が動いた。

「んっ」

その日、オレは浮かれてキスをした。

一線を越えてしまったのだ。

いや、もうこの際どうだっていい。

「一緒に堕ちよう、冬弥」

そう言ってオレは右肩に紅い蝶を飛ばせた。

視界に、紫の蝶を捉えながら




_____これは、オレ達の禁断の恋だ

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