短編集

春休みのいつか、桜が咲くころ。

自室の椅子にもたれかかりながら。

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宿題しないと。　面倒くさい。

あの本読みたいな。　面倒くさい。

ゲームしたい。　面倒くさい。

今日は曇りかー。カラスうるせえ。

16時、、、お昼食べたっけ？　面倒くさい。

喉乾いたなあ。　面倒くさい。

通知、、、　面倒くさい。

トイレ行きたい。　あと30分くらいもつか。

昨日読んだ漫画、アオちゃん可愛かったなー。アカネくんかっこええなー。

（〇〇ちゃん、××にフラれたんだって、かわいそー・・・）

いいなー、青春。でも面倒くさい。

好きな人。いるのかな､､､

やば、母さん来る。

机に投げられていたスマホをとる。

「ちょっと、ずっとスマホ見てたのー？」

「笑　まあ、春休みですからねえ」

「春休みの宿題、早めにやりなさいよ」

はーい、と生返事しながら通知を確認する。

「あ、次の担任変わるかも。」

「ええー、ようやくいい先生だったのにねえ」

「さいあくうー」

「あんた、学校ではなんか上手くやってるらしいけど、もうすぐ大学受験なんだから勉強しときなさいね、ホラ、新しい先生に目つけられないように。」

「はあい」

起き上がったついでにトイレに行く。

手を洗うついでに水を飲む。一雫もこぼさないように。

洗面所の鏡前は毎朝登校前に髪型チェックする場所。学校､､､か　面倒くさい。

（学校では上手くやってるらしいけど、大学受験なんだから勉強しときなさい・・・）

面倒くさい。

（どうしたらそんなに頭良くなれるの？）

いうて、好きな時に勉強してるだけなんだよなあ。でもそんなこと言ったら面倒くさいことになりそうだしなあ。

「まだお昼食べてないでしょ。カップラーメンあるから食べなー、ヨーグルト用意しとくから」

「ありがと」

YouTubeの適当な動画を見ながら食べる。

剣持さん、100万人行ったんだ。耐久配信、2時にやってたんだ、スマホ制限あるから見れなかったなー。

うえー、起きちゃった。また寝るのも面倒だし勉強するか。はあ。

（勉強できるやつはモテるんだぞ。）

チッ、全然モテねえよ。それともまだ足りないってこと？はあ。

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季節の変わり目、春の初々しさと気だるさが徐々に世界を覆っていく頃。新高校一年生のどこかの誰かは怠惰と少しの期待を胸に、日々勉強に勤しむのでした。ちゃんちゃん。