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兄は人として、胸も器も大きいので、
弟が胸を触ってきたぐらいじゃ気にしない。
しかしその胸の感度はすこぶる良く、
すぐに喘ぐのであまり弟から尊敬されない。
弟は変態なので見られることを好む。
見られていないと何もしない。
ある日、弟をドアの影から覗いた。
目が合った弟はあわただしくエロ本をめくり、
残った左手を股間に添えた。
そして間をおかず射精した。
その間、目はずっとこちらに向けていた。
兄が大きな腹を抱えて走り寄ってくる。
よだれを垂れ流しながら追いかけてくる。
兄が生きた犬を丸呑みして、
まだ消化できないままもう三日になる。
食った犬に頭を乗っ取られてしまったのだろうか。
兄がどういうつもりでも構わないが、
服は着て欲しいと思った。
弟の趣味は昆虫採集なのだが、そのペースがあまりに速い。大量に虫が絡まった虫取り網を、
そのままダンボールに詰め込んで帰ってくる。どう網を使えばああなるのだろう、網に何か塗っているのだろうか。ある日僕も、弟の昆虫採集について行った。弟はダンボールを抱えて草原へ走る。ただでさえ暑いのに、走るからよりしんどい。2人とも汗でベトベトになった。
ここだよ、と弟は立ち止まる。そこには大きな木がある。弟は服を脱いで裸になると、木にしがみつく。そしてじっと動かない。どうしたものかと僕が立っていると、色とりどりのトンボが現れた。そして弟の体をみるみる覆っていく。弟は動かない。そのうちに弟が木からぺらりと剥がれる。そして木の影にふわりと転がった。弟は脱皮をしたのだ。地面に落ちたのは弟の抜け殻だった。
表面にトンボが群がった自分の皮を、弟が丁寧に裏返してダンボールに詰める。
それでも皮の構造がゆるいのか、ふわふわとほどけてトンボが逃げる。ああこれが虫取り網に見えていたのかと納得する。今日はトンボが多いね、と弟が僕に話しかける。裏返された皮の中にはトンボ以外にも、コガネムシとか蛾とかがいた。