寂しいって、辛いって、悲しいって――何。
わたしには、それらがよくわからない。
かろうじて、血の感覚や肉塊を引き裂いた感覚なら、鮮明に憶えている。
鮮烈な血が一気に噴き出す記憶。
そして――それと同時に悲鳴を上げる人間。
この世界には、寂しいのも、辛いのも、悲しいのも知っている奴らがたくさんいる。
わたしはそれが嫌だった。
腹立たしくて仕方なかった。
だから、わたしは今日もそいつらを。
人体実験と称して――。
殺し屋でもあり、マッドサイエンティストでもあるわたしの、最高のショータイムを――。
始めたのだった。
今宵もいよいよ、楽園と称された箱庭――。
――人間動物園の中で見世物小屋が開催される。
だけど、その見世物小屋に終止符……ピリオドを打った青年が、いつしかそこにいた。
わたしの心の中に、いつの間にか――いたのだった。
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