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omr side
「 …39.2°か、… 」
頭がぼーっとする。身体がだるい。熱い。
そう思って熱を測ったら高熱。
今まで生きてきて体調を崩すことは
滅多になかった。
だから、家に薬とかそういうものはなくて
「 …買いに行くしかないよね、… 」
咳き込みながらも重い体を起き上がらせる。
昨日脱ぎっぱなしにしていた服を着る。
マスクをして、帽子も被る。
財布、スマホ、鍵だけを持って家を出た。
今日は、じめじめしている天気で
更に体調が悪くなるように感じた。
僕の家からすぐ駅があって、その横に
ドラッグストアとコンビニがある。
そこで色々買い物を済ませる。
「 …これぐらいか… 」
買い物を済ませたらできるだけ早く
家に帰ってゆっくりしたい。
明日にでも治さないと
課題提出も間に合わないし…
「 いて、 」
僕は誰かにぶつかってしまった。
考え事をしていたのと、
辛くてあまり前を見て歩いてなかったから
避けられなかったんだ。
「 …おい。何してくれてんだよ 」
…うわ、めんどくさい、
すぐに謝って家に帰ろう。
「 …すみません、 」
「 いやいや、謝ってもねぇ? 」
あぁ、終わった。
こういう時に限ってめんどくさい相手に
引っかかってしまった。
急いで家に帰って休みたいのに、
「 ちょっと来いや。」
僕は2人ぐらいの男の人に連れていかれた。
路地裏の奥に追いやられた。
「 怪我しちゃったなぁ、医療費払えよ 」
「 …いま、現金持ってないです、 」
「 じゃあ、身体で払ってもらうか?笑 」
男の人がゆっくりこっちに来る。
脱がされるのか、それはごめんだ。
けれど男はナイフを持っていて、
臓器でも売るんだろうかと思った。
ヤられるよりかは全然ましだ。
僕は目を瞑る。
もっと色んなことしたかったな、って
「 何してんの? 」
僕はゆっくり目を開ける。
そこにはヘッドホンを付けた青年が立っていた。
彼はギターを背負っていて
男たちの知り合いらしい。
「 怪我させられたんだよ!
若井!俺、可哀想だろー? 」
彼の名前は“若井”というらしい。
「 へぇ、可哀想だね 」
彼は素っ気なそうに答える。
そして僕をじっと見詰めた。
彼がこちらに来る。僕はまた目を瞑る。
「 …熱、あんの…? 」
何かが僕の額に触れた。
僕は恐る恐る目を開けると
彼が僕の目線に合わせてしゃがんでいて
手で額に触れていた。
「 ぇ、…あ、…はい… 」
「 タクシー呼ぶわ。待ってて。」
彼は男たちとの対応とは違って
僕を助けてくれた。
僕は嬉しかったけれど
男たちが文句を言っているのが聞こえた。
けど、僕の身体は限界で何て言ってるかは
あまりよく聞こえない。
「 話は後で聞くから。1回退ける? 」
「 …っ、」
男たちは彼に逆らえなくてすぐに道をあけた。
彼は僕をお姫様抱っこで抱えて
路地裏から出た。
外ではタクシーが待っていて
扉が開いたと思えば彼が僕を乗せる。
「 これ、俺のメアド。」
僕にメアドと名前の書いた紙を握らせた。
「 …若井、…滉斗、 」
「 うん。若井だよ。
俺の友達がごめん。
元気になったらここに連絡して 」
彼はニコッと微笑んでタクシーの運転手に
「 お願いします 」
と伝えた。そして扉を閉めた。
若井…。どこかで聞いた事あるような、
…思い出せない。
また、どこかで会えたらちゃんと
お礼をしなきゃ。
僕は住所を伝えてから目を閉じた。