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佐久間大介長身化事件
それは、地上波の冠番組『それSnow Manにやらせて下さい』の収録裏で起きた。
「ちょっとみんな!! 助けて!! 天井が近い!! 視界が高すぎて怖い!!!」
楽屋の廊下から、いつもの佐久間の爆音ボイスが響いてきた。……が、何かがおかしい。いつもならドアの下の方から聞こえてくる声が、なぜかドアの上枠のあたりから降ってきているのだ。
ガラッと勢いよくドアが開く。
そこに立っていたのは、いつものピンク髪の佐久間大介……ではなかった。
いや、顔は間違いなく佐久間だ。しかし、その首から下が完全におかしい。
ぶかぶかのはずのつなぎの衣装は、丈が足りずにツンツンテン。手足が異様なほど長く伸びており、その身長は隣に並んだ目黒蓮(185cm)やラウール(192cm)を遥かに凌駕していた。
推定身長、195cm。
「「「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!???」」」
楽屋にいたメンバー全員が、漫画のようにのけぞった。
「え、誰!? 股下何センチ!? ラウールよりデカいじゃん!!」
深澤辰哉が椅子から転げ落ちる。
「佐久間くん……? え、上を見上げないと佐久間くんの顔がない……」
阿部亮平が首を痛めそうな角度で見上げている。
当の佐久間は、長くなった手足を操りかねて、生まれたての小鹿のようにガタガタと震えていた。
「動くとね! 景色がびゅんびゅん流れるの!! 照! めめ! ラウール! お前ら毎日こんな高いところで生きてんの!? 怖っ!!」
「いや、俺らも195の世界は知らないから」と目黒がツッコミつつ、そっと佐久間の隣に並ぶ。あの目黒蓮が、初めて他人を「見上げる」という貴重な構図が完成した。
「うわ……佐久間くんの胸元に俺の顔がある。なんか変な感じ」
「めめが小さく見えるーーー!!!」に向井康二が大興奮でカメラを連写する。
「ちょっと佐久間、こっち来て」
ラウールが手招きすると、佐久間は一歩の歩幅が大きすぎて、ドタドタと巨人のように進んできた。ラウールが隣に並び、背比べをする。
「負けた……僕、Snow Manで一番デカいのがアイデンティティだったのに、佐久間くんに抜かれた……」
最年少がガチでショックを受けている。
「佐久間。この体でアクロバットはできるのか?」
岩本照が真面目な顔で聞いた。リーダーとしての冷静な分析だ。
「え? やってみる!」
佐久間はその場でバク転を試みようと体を屈めたが、
「ストーーーップ!!!」
渡辺翔太が全力で止めた。「お前その長さで回ったら、遠心力で楽屋の壁突き破るわ!! 破壊神になるからやめろ!!」
「っていうかさ」と宮舘涼太がすっと前に出る。「佐久間、衣装が限界を迎えているよ」
見ると、つなぎの股下のボタンがパツパツで、今にも弾け飛びそうだった。
「舘さまぁ! 服がキツいよ〜〜!」
大男のサイズ感でいつものように甘えてくる佐久間に、舘さまも「よしよし、とりあえず私のガウンを羽織りなさい」と、規格外の包容力で特大の羽織りを差し出した。
「これさ、あと20分で本番の収録だけどどうすんの!?」
深澤が頭を抱える。「9人並んだ時の凸凹感、バグり散らかしてるぞ! いつもの『シンメのめめさく(身長差)』が、逆転してさらに広がってんだから!」
「……もう、これでいくしかないんじゃない?」
阿部が諦めたように笑う。「今日の企画、確か『全力体力測定』だし、このリーチがあれば佐久間くん、無敵だよ」
「確かに!! 俺、シャトルランとか3歩で終わる気がする!!」
長身化を受け入れた佐久間が、楽屋の天井に手が届くのを「すげー! 電球替え放題じゃん!」と喜び始めたその時。
ポフンッ。
もはやSnow Manの楽屋ではお馴染みとなった、謎のファンタジー効果音が鳴り響いた。
一瞬の白い煙の後、そこに残されていたのはーー
特大のガウンに完全に埋もれて、床にちょこんと座り込んでいる、いつものサイズ(168cm)の佐久間大介だった。
「わっ! 戻った!?」
ガウンの襟元からひょこっと顔を出した佐久間は、自分の短い(通常サイズの)手足を見てホッとしたように息を吐いた。
「あー、落ち着く! 地面が近いって最高!!」
「戻ったぁぁぁ!!」
メンバー全員が安堵の息を漏らす。ラウールも「よかった、僕のセンター(物理的)の座が守られた……」と胸を撫で下ろした。
「おい佐久間、服ぶっ壊れてんぞ」
渡辺が安全ピンで留められたつなぎを指さすと、佐久間は「へへ、衣装さんごめんなさーい!」といつもの高い声で笑った。
こうして無事に(?)いつものサイズに戻った佐久間だったが、その日の収録の『高跳び』の種目で、「さっきの感覚なら絶対いけたのにー!」と悔しがっている姿を見て、メンバーたちは「やっぱりいつものちっちゃい佐久間がいいや」と、しみじみ思ったのだった。
コメント
1件
うわぁぁぁめっちゃ面白かった!!🤍✨ 佐久間くんが突然195cmになっちゃうっていう設定、めちゃくちゃツボでした(笑)めめが見上げる構図とか、ラウくんが「アイデンティティが…」って凹むところとか、舘さまがガウン差し出すとことか、メンバー一人ひとりの反応がちゃんとキャラに合ってて、読んでてニヤニヤが止まらなかったです🥀 「破壊神になるからやめろ」に声出して笑っちゃいました。最後に元のサイズに戻って「地面が近いって最高!」って安心するところも、なんか愛おしい…。明星宵さんの、メンバーの空気感を大事にした書き方、すごく好きです。続きも読みたいな🌙