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準決勝飛ばして決勝にします。相手は梟谷です
主の都合上、今回と次回のお話で試合終わらせる可能性あります。
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摩浪side
春高最終日。俺たち稲荷崎の相手は梟谷。
摩浪『(ここまで来たら勝つ以外の道は無し)』
アップ中、対人パスをしていると聞き覚えのある声が聞こえ俺は後ろを振り向く。
摩浪『! 兄貴!』
李律「ふふっ気づかれた」
摩浪『来てくれたの?仕事は?』
李律「休み取った。摩浪の大事な晴れ舞台だから」
決勝という大舞台を兄貴に見てもらえるなんて嬉しすぎる。これは情けない姿は絶対見せられない。
李律「頑張ってね」ナデナデ
摩浪『うん』ニカッ
兄貴に手を振り稲荷崎のところに戻る。
〈スターティングメンバー〉
侑 尾白 角(赤木)
耳 摩 治
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鷲 猿 木兎
赤葦 木葉 尾長(小)
侑「やっぱボクト狙うか?」
摩『狙うのはアリですけど彼のショボクレに期待はしない方が良いですよ』
彼はこの前の狢坂戦で様子が変わった。それ以降フワフワした様子も、落ち込んだ様子も見られない。
摩『侑さん、サーブの時は5番さんと7番さんの間狙って下さい』
侑「それはええけど何で2人なん?7番はWSやろ」
摩『7番さんはとても器用ですから。セットアップも中々にレベル高いです』
彼は俺の指示通りに2人の間を狙ったサーブを打った。上げられはしたものの、サービスエースを3本も獲得した。
摩『うぃうぃ(上手いこと牽制出来たかな)』
赤葦さんと木葉さんを同時に牽制できる場面は、あの2人が隣同士になる時だけ。それでも点差をつけるには丁度いい。
摩『(木兎さんくる)』
侑さんのサーブが上げられ、梟谷の攻撃。
摩『治さんストレートガッツリ締めてて下さい』
治「りょーかい」
ブロック2枚揃え木兎さんの攻撃を阻む。彼のストレートは厄介で強い。特に乗ってる時は尚更。
摩『(だからこそ得意のストレートを締められれば、クロスに打つんだよね)』
て思ったけど彼はリバウンドで切り替えた。俺が思ってる以上に彼は頭がキレるんだろうね。さっきから反応も異常に早いし。
角「本当にしょぼくれないみたいだね」
摩『むしろ絶好調』
ローテが回り角名さんが前衛。
角「ストレート締めれば大丈夫?」
摩『はい。そんで治さんはクロスがくる事を頭に入れてブロックお願いします』
治「凄いもんなぁ。クロスも」
彼の打ち分けに注意しながらもブロック。でも、彼ばかり警戒していてはダメ。彼の右腕とも言える存在赤葦さんがいるから。
侑「5番は本当にぶれんな」
摩『落ち着いてますしね』
治「ツムもあんな感じやったらな」
侑「なんやと!?」
尾白「やめろ」ベシ
侑「アダ」
試合が中盤に差し掛かった時、梟谷がタイムアウトを取る。ベンチに戻り、気持ちをリセットさせる。
赤木「摩浪、この前言ってたヤツなんやけど」
摩『この前?』
赤木「追う者は追われる者に勝るってヤツ」
摩『はい』
赤木「俺らは今も追う者なん?」
全員が俺を見る。俺は音駒戦で“追う者は追われる者に勝る”と言った。
摩『赤木さんはどう思います?』
赤木「俺は追われる者の方がええ」
赤木さんがそう言うと全員が頷く。常に上を目指す彼ららしい回答だと思う。
摩『ふふ。そうですか』
赤木「摩浪は?」
摩『俺はどちらでもいいです』
赤木「なんで?」
摩『どちらにでもなれるから』
無責任かもしれない。でも、必ずしも追う者が強いとは限らないし負けるわけでもない。
摩『強ければなんにでもなれます。特にあんた達みたいな人なら尚更』
笛の音が鳴りコートに戻る。今年最後のお楽しみタイムが始まる。そして3年生の晴れ舞台をもっと輝かせるために、俺は跳ぶ。