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た よ . *ღ
第25話
あらすじ
大森の重い期待に、若井は言葉を失った。
しかし、それでも期待に応えたいと願ってしまう。
⚠️Omr攻め Wki受け⚠️
苦手な方は注意して読んでね!!
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「ずっと一緒にいよう、お願い」
若井の顔に添えられた両手が、頬の肉を強く揉んだ。
ヒリつくような痛みと圧迫感で、若井は動けない。
「僕に飽きたって思わせないで
終わったって思わせないで」
大森の真っ黒な瞳が、若井の瞳を覗き込んだ。
「それだけ守ってくれるなら
ずっと大切にしてあげる、死ぬまでずっとね」
そんな脅しのような言葉に、若井は恐怖より哀しみを覚えた。
大森の瞳に映る光が、ゆらりと 揺らめくと涙が零れたように感じたからだ。
もう一度、しっかりと観察すれば涙は零れていない事は分かる。
しかし若井は、その表情に不安を抱いた。
実は追い込まれているのは、大森の方なのではないかと思ったからだ。
若井は、こくりと頷くと口を開いた。
「分かった…約束する
だから、ずっと一緒にいてくれる?」
若井がそう言うと、大森はふんわりとした柔らかな笑顔を浮かべた。
若井と同じように頷くと、甘えるような声で答える。
「うん、いてあげる」
安心したのか大森の雰囲気が優しくなった。
若井は、これで良かったんだと自分に言い聞かせる。
「じゃあ…若井
そのままじっとしてて」
「え、」
若井は、言葉の意図を読み取れずに聞き返した。
困惑した若井の表情に、笑いが込み上げてきたようだ。
大森がそれを堪えるように、もごもごと唇を噛む。
若井には何が面白いのか分からないので、余計に戸惑ってしまった。
「え、なに…どういうこと?」
若井は懸命に大森の瞳を追いかけると、意図を探った。
すると大森は、あざとさが詰まった上目遣いで若井を見つめ返す。
「だから、じっとしてって」
「あ…う、うん」
大森は若井が頷いた事を確認すると、悪戯ぽく笑って若井の身体から抜け出した。
対して、若井は四つん這いのまま指示通り動かずにじっとしていた。
ベッドのへこみで、大森が若井の後ろに向かった事は分かる。
動くなとは言われたが、大森が何をしようとしているのか どうしても気になった。
若井は好奇心と恐怖に駆られて首を捻るように、ゆっくり振り返ると大森の様子を伺う。
すると、大森は薄いハンカチを手に持っていた。
それを指でくるくると回すと、簡易的な紐が出来た。
想像通りの物ができたのか、大森が目を細めると若井に視線を向ける。
若井は、慌てて前に向き直った。
今、見たものをかき消そうとしても頭の中に 紐を使ったプレイがいくつか並んだ。
しかし、性的なジャンルに興味の薄い大森がそんな物を知ってるのだろうか。
若井はそう思っても、安心できなかった。
そんな知識が無くても、大森なら素でやってしまいそうだからだ。
「若井」
突然、大森が耳元で囁いた。
若井は肩を跳ねらせると、声のする方に振り返った。
すると、大森が息がかかりそうな程に顔を寄せてくる。
「え…へへ」
若井は、何とも言えない緊張感を変な笑い声で誤魔化した。
「右手、上げて」
大森がキッパリと指示をする。
「…みぎて?」
若井が、同じ単語を繰り返すと大森の瞳の色が強くなった。
「あ、うん…右手ね」
若井は意味が分からないまま、挙手するように右手を上げた。
「違うよ、こっち」
大森はそう言うと、ぐっと肘を持った。
そして、そのまま腕を後ろに引っ張られる。
「うわ、ちょっ」
不安定な体制になった若井は、バランスを崩すと右側に倒れた。
まるで、拘束術をかけられている気分だ。
「な、なに、これ」
若井は、戸惑うままに言葉を吐きながらも残った左手でバランスを立て直す。
すると、さらに追加で大森が指示を飛ばした。
「はい、次は左手」
若井は、ぱたりと口を閉じると手元を見つめた。
左手も同じように、後ろに回されるのだろうか。
だとしたら、さっきの紐は
若井の頭に、じんわりとした確信が広がる。
「滉斗くん、左手」
大森が優しく名前を呼ぶ。
若井は小さく息を吐いた。
めずらしく名前を呼ばれたのに、喜びより恐怖が勝った。
若井は頭を前に倒すと、顔を枕に埋めた。
両足を開いてバランスを取ると、残った左手も後ろに回す。
大森は何も言わずに左手首を掴むと、背中の方に捻りあげた。
「…ぅ、」
前に重心が傾くと、さらに顔が枕に沈む。
呼吸がしずらい。
腕に、さらりと布が触れるとそれがきつく両腕を締め付ける。
「っ…」
若井は枕に埋もれながら、眉間に皺を寄せた。
遊びのような感覚ではなく、実際に動けないように拘束したいのだろう。
ぐいぐいと布を締めて来るので、腕が軋むように痛む。
「よし」
やっと満足したのか、大森が呟くと若井の顔を覗き込んだ。
「若井、もうちょい足開ける?」
「ぇ…あ、うん」
若井は枕に顔を埋めながらも、懸命に足を開こうとした。
しかし、両手を縛られているので上手くいかない。
若井の忠誠心をかき消すように、羞恥心が湧いてくる。
服も着てないのに、全裸で何してんだろう
一度そう思ったら、恥ずかしさでどうにかなりそうだ。
そんな若井の姿を眺めていた、大森は満足そうに笑うと呟く。
「ふふ…ミノムシみたい、可愛い」
若井は再び、眉間に皺を寄せた。
可愛いと言えば、なんでもいいと思っているのだろうか。
実際、ミノムシは可愛くない。
それに人に対して例えるには、あまり良くない生物だ。
若井は息を吐き出すと、口を開いた。
「だめ、全然うごけ…」
若井は、途中で言葉を飲み込んだ。
大森が若井の股間に、手を伸ばしたからだ。
ぞわりとした危機感が背筋を駆け巡ると、身体が勝手に動いた。
若井は重心を移動させて上半身を起こした。
さらに、その反動を使って横方向に勢いよく転がる。
ほぼ、反射的な動きだったので若井は気がついたら天井を見ていた。
辺りを見渡すと、大森の心底驚いたような顔が視界に映る。
若井の焦りが、土砂のように広がった。
大森の命令を聞けなかった自分は見放されると思ったからだ。
しかし、大森は眉を下げると両手で顔を覆った。
そのまま、力が抜けたように前に倒れ込むとお腹から吐き出るような笑い声を上げる。
「っあはは!!」
どうやら、何かがツボに入ったらしい。
若井は複雑な気持ちにもなったが、同時に安堵した。
許してくれるかもしれない。
大森がひとしきり笑うと、もう一度若井の様子を伺う。
「なんか… く、くふふ!!」
若井の姿を見たからか、再び波が来た様だ。
若井はもはや、安堵を通り越して羞恥心がまた顔を覗かせた。
若井が顔を赤くさせていると、大森が目元に滲んだ涙を拭う。
「すごいなー
若井って本当に飽きないね」
大森が感心したように言うと、上向きに倒れている若井の顔を覗き込む。
「びっくりしちゃったの?」
若井は表情を保ったが、心は海原のように荒れていた。
もう、その話題を続けるのはやめて欲しい。
「ちょっとだけ…
で、でも、今のは俺が悪いから」
若井は白旗を分かりやすく上げる事で、この話題から逃げようとした。
しかし大森にもそれが伝わったのか、片側だけ眉毛が下がると面白そうに笑った。
「ちょっとだけ、なに?
びっくりしただけじゃないでしょ
ちゃんと教えて」
怒涛の質問に若井は、ぎりぎりの状態で笑顔を浮かべた。
むしろ、だからこそ笑顔で居るしかなかった。
「え、どうだろ…あは…は」
若井は乾いた笑い声をあげると、大森から顔を逸らした。
しかし、それでも大森が顔を覗き込んでくる。
若井が再び顔を逸らすと、大森の口角がみるみると上がっていく。
「すっごい逃げてたよね
さっき触られたら…やばかった?」
「びっくりした、だけ」
大森の瞳が、じっとりと光ると若井の肩を掴んだ。
「あ、別にそれほど?」
「う、いやでも…びっくりはして…たぶん」
若井は分かりやすく慌てると、同じことを矢継ぎ早に話した。
「へー… 」
大森が話を遮るように、相槌を入れた。
そして、 若井の肩を抱えるように抱き込むと身体を起こさせる。
「じゃ、さっきのもう1回やろっか」
「い、いや…もういいかな」
若井が首を振ると、伺うように大森を見つめた。
しかし大森はその視線を無視して、若井を下向きに転がした。
当然、若井は両手を縛られたままベッドに転がった。
「うわっ!!ちょ元貴、話きいて」
若井は転がりながらも、説得しようと口を開く。
しかし、大森の手が若井の頭を抑えた。
そして説得を咎めるように、若井の顔を枕に押し込む。
「う゛…」
若井の口から、くぐもった声が出る。
「腰、上げて」
息付く間もなく、大森が若井の腰を掴むと ぐいっと持ち上げて膝を立てさせた。
「うぁ、なんか…ちょっと恥ずかしい」
「え、俺の前なのに?」
若井は、つい唇を噛んだ。
違う、元貴の前だから
「…若井」
大森の優しい声がすると、上から覆い被さるように抱きしめられる。
身体の体温と重みが、僅かに緊張を溶かしていく。
「大丈夫、力抜いてごらん」
大森が頭を撫でると、子供をあやすような雰囲気で囁く。
「ゆっくり息吐いて」
若井は少し口を開けると、息を吐き出した。
すると、身体の力が抜けていくのが分かる。
「できてるよ、いい子だね」
そう言うと、大森が若井の首筋にキスをした。
若井の感度が高くなっているのだろうか。
大森が触れると、そこがピリピリと痺れる。
さらに大森は、若井の感度を高めるように背中や腰にもキスをした。
その度に、若井の身体に行き場のない快感が溜まっていく。
若井は、それを発散出来ないむず痒さから腰を僅かに揺らした。
しかし、背中を撫でていた指が脚の方へ降りて行く。
その指に、太ももの内側を刺激させると耐えられないほどの物足りなさが溢れた。
「っ…あ、もとき」
若井が枕に顔を埋めながら、色っぽく腰を動かす。
大森は、その声と仕草で性的な衝動に火がつきそうになった。
だが、その衝動を抑え込んだ。
思考よりも先に衝動を行かせなくない。
大森は、完璧に若井を理解したかった。
どこを触ったら嫌がるのか、どこなら若井の羞恥や嫌悪を溶かせるのか
この一夜で若井が他の人に頼れなくなるほどに
むしろ頼れば頼るほど、この夜を思い出せるように
大森は熱を放出するように息を吐き出すと、冷静を保った。
指を滑らせるように進ませると、 下の根元をくすぐる。
若井が身体を反らせると、呼吸が荒くなった。
さらに急き立てる為に、大森は背中に顔を寄せると背筋をなぞる様に舌で舐めた。
「く、…っ」
若井が悶えると、脚を震わせた。
下もお腹に付きそうなほどに、立ち上がっている。
「若井、大丈夫?」
大森が若井の横に寝転ぶように転がると、顔を覗き込む。
若井の瞳が燃えるように光ると、 大森を見返した。
「元貴」
何かを押し殺したような声で名前を呼ばれる。
大森はにっこりと微笑むと、若井の顔にかかる髪を払った。
「触られるばっかだと辛いでしょ
触りたいよね」
大森が、いらずらっぽく言うと若井の瞳に宿る光が強くなった。
煮えた熱湯のような視線が、真っ直ぐ大森に向けられる。
「…これ解いてくれる?」
「ううん、解かない
言ってみただけ」
大森が、そう言うと若井の瞳にじんわりと苛立ちが滲んだ。
しかしそれも一瞬で、すぐに瞳を逸らすと誤魔化すように唇を舐めた。
大森は起き上がると、犬を撫でる様に若井の頭をガシガシと撫でた。
「もっと、俺のために頑張れるでしょ
まだまだ、こんなもんじゃないよね?」
言葉の重さの割に、あっさりとした口調で大森が言う。
しかし、それでも若井の心は重りを落とした様に動けなくなった。
若井は、大森にこう言われるとどうしても弱くなってしまう。
何故なら、大森がこの言葉をただ煽る為に使ってない事を若井は知っているからだ。
この言葉は、大森の期待や願いから来るものだ。
これに応えないと、この程度と思われたまま弁解の余地すら与えられなくなる。
若井は大森と接する時、そういう経験が山ほどあった。
だが、好きというこの感情は “その程度” だと思われたくない。
若井は、溢れ出す欲望に蓋をした。
どうしても、この愛を認めて貰いたかった。
コメント
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遅くなってすいません! やっぱり元貴は完全に歪んだ愛を若井に向けているのか…これも演技なのか…よくわからないなぁ〜… 次の話も楽しみにしてます! 頑張ってください!
若井さんが何もできなくて 大森さんに操られるの めっちゃ好きです…!!
前回のコメントで次若井受けって聞いてめっっちゃ楽しみにしてました…!!今回も最高すぎる😭もっくんの攻め方が、いつも若井さんが逃げた先で待ち伏せしてるかんじが全部操ってるみたいでめっちゃドキドキしながらみてました💗あと拘束ぷれいラブすぎるから読みながら心の中でよっしゃぁぁぁ!ってなってました笑笑純粋?にそういうSっ気あることしちゃうかんじが天才感?あって大好きですっ!笑次もまだ拘束ぷれい続くのかな…??(続いて欲しい願望)どんどん二人の世界になってく感じが過去編とも繋がってきて次も楽しみすぎますっ(もう湯の内さんも蚊帳の外?)ただ涼ちゃん二人のことどう思ってるんだろ?って思ったらちょっといたたまれなさすぎて😭あ、あと全然関係ないんですけど、リブートみてSっ気涼ちゃん熱?が密かに再燃してます笑笑今回も長々とごめんなさい!🙏次回も楽しみにしてます!!