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1年前の日曜日、ちょうど今日のように暑い日だった
俺は学校に忘れ物があったのを思い出し、隠し通路から学校へ入り込んだ
日曜日だから部活もない。誰もいない静かな学校のはずだった
後ろからパタパタと走る音、声が聞こえたんだ
「お前どっから入ったー!!」
生徒指導の先生の怒った声が聞こえる
俺はまずいと思い、トイレへ駆け込んだ
しばらくすると、走る足音がトイレへ近づいてくる
うわ!?見られてた…!?
と思ったが、走ってきたのは生徒だった
個室の中に入っていたから姿は見えなかった
でも
「はぁ、はぁ、あぶねー、」
そんな声が聞こえた
ガチャ
??「っ!?」
「、なんだ、先生じゃなかったのか、」
「なんでここにいるの?」
きり「…君こそなんでいるの?」
それが初めての俺とこいつの会話
??「学校に忘れ物してさー、笑」
きり「…俺もだよ」
??「ちゃんと先生に言った?」
「俺隠し通路から来たから、生徒指導の先生に見つかって追いかけられてたんだよなぁ…あっ、!」
…隠したがってたのか?
“隠し通路のことを言ってしまった”とでも言うような反応だった
きり「俺も隠し通路から来たよ」
??「え!?まじ!?」
「おいなんだよー、知ってたの俺だけじゃなかったのかよー、」
そう言いながら顔をムッとさせる
こいつの第一印象は、顔に感情が出やすいやつだなって思った
??「何組の人?」
きり「2組。4組の人だよね?」
??「え!?なんでわかったの!?」
…俺がこいつを知っているのは学校で結構有名だから
いい意味っちゃいい意味の噂で
すごく明るく人当たりがいい、ノリがよく誰とでも話せる身長低めの残念イケメン
そう言われている
…確かに見るからに身長はあまり高くない
俺も175辺りで平均くらいだけど、こいつは恐らく170もないくらいに見える
…別に170もそこまで低いとは思わないけどな
??「?無視?」
きり「え?あ、なんだっけ」
??「なんで俺のこと知ってるのって!話したことあったっけ?」
きり「いやないよ」
「噂で聞いてただけ」
本人に言っても良かったのか
そう思ったけど大丈夫そうだった
??「あーあれな。」
「あれ酷くね!?身長低めの残念イケメンって!」
「別に低いって言われるほど低くねぇし!!」
確かにそれはそう。
でもこいつとよくいるやつがすごく身長が高い
だから余計低く見えるのだろう
??「俺の名前はNakamu!君は?」
きり「きりやん」
なか「きりやんね!忘れ物もう取りに行った?」
きり「まだ。生徒指導の先生の声聞こえたから逃げてきた」
なか「俺のせいじゃん!ごめんー!!」
…噂通りの人だなと思った
明るく元気で、初対面の俺とも気まずくならないよう、沢山話してくれる
きり「大丈夫だよ。Nakamuくんはもうとったの?」
なか「Nakamuでいいよ!」
きり「…Nakamuくんはもう取りにいった?」
なか「呼び捨てでいいって言ってるじゃん!!」
拗ねたような怒ったような表情、声色で伝えてくる
…これが人気者の理由なのかな
表情がコロコロと変わって面白い
きり「あはは笑 ごめんごめん」
「Nakamuはもう取りに行ったの?」
なか「!!行った!!」
呼び捨てで呼ばれてすごく嬉しそうな反応をする
こいつがモテる理由が分かった気がする
なか「きりやんまだなら一緒に行こうよ!」
きり「いや、いいよ!?また見つかったらやばいし早く帰りなよ」
そう言ってもNakamuは俺の話など聞いてくれ無かった
なか「いーの!俺が行きたいんだから!!」
俺の腕を引っ張り、トイレから出る
その時、丁度トイレの目の前を生徒指導の先生が歩いていた
なか「あっ…」
先生「あ?お前まだ帰ってなかったのか?」
「きりやんもいるじゃねぇか」
きり「…いやー…あはは…」
漫画かよって思ったさすがにね。
そんなことある?
いざ行こうとして出た瞬間会うって
俺はもう諦めていた
あーあ。説教じゃん、めんどくせー。
その時
グイ
きり「えっ、!?」
なか「走って!!」
先生「あ!おい!!」
Nakamuに腕を引っ張られ走っていた