私の日常は、まずティッシュ箱を投げつけられるところから始まる。
暴言、空腹、まともな会話なんて出来ない。夏はエアコンや扇風機の無い、窓を締め切られた部屋に入れられる。何度か熱中症になった。冬は凍えて、暖かさやぬくもりが欲しかった。
でも、おにーちゃんがいるから寂しくはなかった。
殴られても蹴られても、おにーちゃんがいつも庇ってくれた。
でも、なぜ、なぜ、あいつは…!
おかーさんを死に追いやった…!なぜ殺した…!
だから私はあいつを”裁いた”。なぜモンスターを生かす必要があるのだろう?
モンスターを殺したあの日、外は満月だった。月という私の名前にピッタリだった。
私はなぜ自分がミルグラムにいるのか分からない。私は罪人なのか?
…まあいいか、それは私が決めることではない。全て看守が決めることだ。
………看守、お前の罰を疑え