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プロローグ
冬の朝、校舎から見える景色は、朝焼けのオレンジ色に染っていた。花登は、学校の誰もいない廊下に立ち止まり、深呼吸をした。新しい高校生活が始まってからというもの、彼の心は、馴染みのない環境と期待に押しつぶされそうだった。
「高坂花登」ーー名前だけを聞けば、いつも女の子のように思われてしまう。幼い頃からなんどもからかわれ、そのたびに無理やり笑ってやり過ごしてきた。中学生の頃からこの名前が原因で、友達すら微妙な距離が生まれることをあった。
これから先、自分がこの名前を好きになることなど、一生ないと思っていた。
あの日の朝、彼女に会うまでは。
2話→♡50