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ここはどこだろう。
真っ暗で何も見えない
きっと今の僕の瞳は広がっているだろう
やっとの思いで見つけられたあの居場所。
嫌だ。まだ離れたくない。
なんてね
「司くん」
「寧々」
「えむくん」
と名前を呼べば気がついてくれるのだろうか。
早く助けてよ、ここから出してよ… ねぇ…
手遅れだなんて言ってないで。
助けてくれ
なんて本音に蓋をする
何も見えない。何も聞こえない。何も感じない。
僕はここで消えていく運命なのだろうか
不意になにかの音が聞こえた。
それはまるで紙を丸める時のような音
そして気がついてしまった。
ここには何も無い
がらくたとなってしまった今までの思い出が雪として降り積もる
降って積もってを繰り返す
そのうち埋まって溺れてしまうのではないかと考える
この思い出達も僕と一緒に消えられるのならばあまり寂しくはないかな、なんて強がってみる
君たちの心に残してくれるかな、僕、神代類という男の存在を
でも、忘れて欲しい気持ちもあるかな
ふと、意識が落ちていく
ただでさえ暗い視界が暗くなる
でも不思議と怖さはない
平気、大丈夫だ
何も見えなくて、何も聞こえなくて、何も感じない、消えてしまいそうな空間に声が響く
これは司くん達かな。
なんて思いつつ何もない真っ暗な空間におやすみ、と告げる。
真っ暗な空間から戻った僕は司くん達と話しつつも心ではまた死ねなかったな、なんて呟いた