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雨の夜。
任務帰りでずぶ濡れの二人は、ロイの自宅に転がり込んだ。
「ったく……アンタが無茶するから、俺までびしょ濡れじゃねぇか!」
エドがタオルで頭を乱暴に拭きながら睨む。
「助かったのは君のおかげだ。ありがとう」
ロイが穏やかに笑うと、エドは赤くなってタオルで顔を隠した。
「これで520センズ分はチャラな!」
「はは、それはどうかな」
着替えを済ませ、温かいコーヒーを飲む。
「悪いな、風呂まで借りちまって」
「いいさこれくらい。君の体調の方が大事だからね 」
落ち着いた空気の中、ロイが不意に手を伸ばす。
ちゅっ
エドの頬に軽く口づけをした。
「なっ……なにしてんだ大佐!」
跳ね上がるように立ち上がり、顔を真っ赤にするエド。
「…感謝の気持ちだ」
「そんなキモい感謝あるかよ!」
つい叫びながらも、胸の奥はざわめいていた。
気まずい沈黙。
そのまま時間だけが過ぎていく。エドの視線は床に釘付けである。
けれど、ふとした拍子に視線がぶつかり合う。
ぎし……とソファがきしむほどに近づいてくるロイ。
「……鋼の。俺はお前に感謝以上の気持ちを抱えてる」
真剣な声に、エドは言葉を失う。
「……っ、ふざけんなよ……」
「ふざけてなんかない…」
こちらを見つめる視線を逸らせない。
ちゅ……くちゅ……
もう一度重なる唇。
「ん……っ……クソ大佐……」
「クソでもいい。俺はお前が欲しい」
ベッドへ引き寄せられる。
シーツがくしゃりと沈み、身体が重なり合う。
「おや……鋼の、これは」
「くそ、言わせんなよ!」
「ふふ、君は準備がいいんだな」
にへらと笑うロイの間抜けツラが気に食わなかったエドはロイの口を塞いでしまった。
「ぼさっとしてねえで……早く… 」
「ああ」
ぴと……ぐ……ぐぐぐ……
深まる音に、エドの強がりは次第に溶けていく。
「あっ……や、だめ……っ……」
「だめじゃないだろう。ほら、エド」
「……っ、たいさ……」
パンッ、パンッ……ぱんっ
激しい音に混じって、エドの声が甘く揺れる。
それでも途中で強がりを忘れない。
「だ、誰にも言わねぇからな!絶対だぞ!」
「言うわけない。これは私たちだけの秘密だ」
やがて熱は収まり、静かに重なる呼吸。
エドは赤い顔を隠すようにシーツを被りながら、ぽつりと呟く。
「……大佐じゃなくて、ロイ」
「そうだ。それでいい」
互いに素直になれた夜。
窓の外の雨は止み、エドはいつもよりぐっすり眠れた。