【シガーキス】
kn×br
喫煙者設定
↓
わんく
↓
br「あ、珍し」
kn「きりやんの見てたらなんか吸いたくなったから」
企画会議の合間、煙草を吸いにベランダへと出ればそこには先客がいた。
基本的に家でしか吸うことのないきんときが吸っていることが珍しくて声をかける。
ワイテルズのメンバーは公言していないが全員が喫煙者だ。
紙だったり電子だったりと様々ではあるが一応は全員がタバコを吸っている。
とはいえもっぱら実況界のNHKなどと呼ばれ、自分達でも擦っている手前なかなかに言い出せなくなり、結局メンバー間でも言う必要がないという結論に至ったためにリスナーが知らないだけとなった。
流石に撮影中に吸い始めるようなヘビースモーカーはいないし、バレなければいいという発想である。
br「…紙って美味しい?」
kn「気になる?」
煙を吐きながらそう言われる。
電子から煙草を吸い始めた俺は今までずっと電子しか吸っていない。
メンバ 一の中には紙から電子にいったりその逆もまたあったりとどちらも経験のあるメンバーもいるが、俺は吸い始めてからは電子しか吸っていない。
たまにきりやんが吸う?と聞いてくれるが別に今から紙を吸ってもなと断ってきた。
とはいえ見た目の煙草のイメージとしてはやはり紙がそれっぽく見えてしまって興味が出てくるのも必然というもの。
br「まぁ、興味はあるよね」
kn「いいじゃん吸ってみれば」
スっと差し出された煙草の箱。
1本手を伸ばして取ってみると電子よりは長くて慣れない。
くわえてみると視界に入るそれがいつもの感覚とは違くて如何にも煙草っぽいなという感想を抱いてしまう。
いや、別に普段吸ってるのも煙草であることに変わりはないんだけど。
kn「ライターは…」
ごそごそと煙草をくわえたままライターを探すきんときを見る。
じわじわと灰になっていく部分は夜だから か火が着いているのが分かりやすかった。
1回だけ、見たことがある。
それが今ならできるのかな、そう思ってきんときに顔を近づけた。
br「いいよ、こっちからもらうから」
kn「えっ…?」
パッと顔を上げたきんときと、煙草1本分の距離になる。
近くで見つめあった瞳同士がバチッと交差した。
びくっとなったきんときだったが状況を把握したのかそのまま動かずに見つめ合う。
押し付けた煙草に火が移ってくる。
暗闇で見るきんときの深い青に綺麗だな、なんて見とれてしまう。
そんなことを考えていると火がついたのか口の中に煙が入ってきてきんときから離れた。
br「ん、ついた」
ふーっと煙を吐くといつもとはやはり味が違う感じが する。
これがいつもきんときやきりやんが吸ってる感じなんだな。そんな呑気なことを考えながら煙草を吸っていると、きんときは無言で吸い終わった煙草をべランダに置いてある灰皿に突っ込んだ。
…流石にやりすぎたかな…
br「きんと…」
煙を吐いて、謝ろうかと声をかけた時目の前を通り過ぎようとしたきんときの腕が回され首を引き寄せられた。
そのまま顔が近づいて短く交わされた口付け。
状況が飲み込めないままいると唇をぺろ、と舐められた。
驚いてバッと離れるときんときに笑われる。
kn「っふ、お返し」
そのままひらっと手を振ってスタジオ内に戻っていくきんときの背を見送ってずるずると座り込んだ。
br「〜っ… ずるい、なぁ」
いつもドキドキさせられてるお返しにとチャレンジしてみたのに、結局最後はきんときに負けてしまった。
ぽつりと呟いた言葉は地面に落ちた灰と空に溶ける煙のように夜の帳に消えていった。
コメント
1件
こういうのもめっちゃ好き…! これどっちが受けだろ(((