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※リクエスト
※ご期待に添えているわかりませんが喜んでいただけると嬉しいです。
※短めです。申し訳ない……
『社長室来て』
ディスコードではなく、珍しくLINEに来たメッセージ。
タスクをキリのいいところで終わらせ、パソコンを閉じた。
事務所に来たのが18時とかで、作業に集中していたらもう20時前。
社長室までの廊下を歩く途中には、もちろん社員さんの姿は一つもなくて、ないこいつまで作業してんだ、とか考える。
いや、俺も人のこと言えへんけど。
「ないこー、入るよー」
ノックを数回してから、ノブに手をかける。
中に居るのはないこなのに、そんなことをしてしまうのは社会人としての礼儀が染み付いてるせい。
「どしたのないこたん」
後ろ手で扉を締め、いつものように3つのモニターとにらめっこしてるないこに声を掛ける。
「まろ」
心地良いないこの低音が名前を呼ぶ。
いつもなら、ここでないこが視線をこちらに向けて要件を話してくるのだが。
今日は目も合わなければ、モニターに隠れて表情すらも見えない。
怒ってる、にしては思い当たる節がなさすぎるし、ドッキリにしては演技の雰囲気もカメラの気配も感じられない。
ぐるぐると思考を巡らせていると、ふと、ないこが手招きをしてきた。
またなにか企んでいるのかと思いながら、従うままにないこのもとに歩み寄れば、ぐっと体を引き寄せされて。
「……ごめん、ちょっと肩かして」
そう言って、俺の肩口に顔を埋めたないこ。
背中に回ってきた両手が、スーツを掴む。
左肩がひんやりとしてくる。
ないこの肩が細かく震えている。
……泣いてる。
……泣いてる??泣いてる!?!?
ないこが、あのないこが、声を押し殺して、まろの肩で泣いている。
めったに泣かないあのないこが。
何か声をかけようにも驚きすぎて声が出ない。
心配が無いわけじゃない。
けど、それに勝るレベルの衝撃が脳内を埋める。
両手は、ないこを抱きしめ返すべきか否かを決めかね、宙を彷徨っている。
「ない、こ……たん……」
絞り出した声でないこを呼ぶと。
「ごめん……あと、ちょっとだけ……」
すん、と鼻をすする音がして、再び謝るないこ。
意を決してないこの頭に手を置くと、抱きつく力が強くなった。
それに、いつもメンバーのまとめ役やっとるけど、やっぱりないこは年下なんやなって思った。
「いつもありがと、ないこ」
コメント
5件
はあはあはあすきですやっぱ結婚しましょう
:(っ'ヮ'c):ハワワ 𝑩𝑰𝑮 𝑳𝑶𝑽𝑬すぎますって🫰🫰 今回も神作をありがとうございます!
いつもは冷静頓着な青さんがわたわた慌てふためいているしている姿、私的には新鮮でとても良かったです……😌👍🏻 でもやっぱり青さんは頭の回転の早さで桃さんを安心させることができるんですよね、だから青桃は頼り頼られの相棒のような一番近い関係なのかなーと感じます。とてもいいですね。もう、凄く。