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喜八郎は語った 。
あの日 、僕は頑張って滝ちゃんを追いかけた
けれど 、それは長くは続かなかった 。
僕は運悪く何かの仕掛けに引っ掛かっちゃって
足からはドクドク血が流れて 、痛かった 。
もう 、追いかけることができなくて
暗くなっていく空を見上げながらただただ泣いた
気付けば僕は寝ちゃってて 、
あたりはすっかり暗くて灯りもない真っ暗な森に
一人ぽつんと居たものだから 。
たまらなく怖くてまた泣いてしまった 。
すると 、ふたつの足音が鳴った 。
獣かなって思って 、慌てて泣きやもうとした 。
でもみつかっちゃった 。
でも 、その正体はイノシシでもクマでもなく
人だった 。
でもこれが後にサンゾクだって知った 。
その人たちは優しかったんだ 。
最初はね_______
自分たちの宿に僕を連れてってくれて
手当までしてくれた 。
そこから数日間 、
甲斐甲斐しく世話をしてくれたけど
僕の足が完治したある日 、僕は
僕はその人たちを癒してあげた 。
癒しなんてことば 。馬鹿みたいだけど
滝ちゃんにはまだいいたくないよ
でも 、そんな生活には限界があって
ある日僕はその場所を飛び出した 。
おじさんたちは僕を一生懸命探した 。
でも僕はあるお家に逃げ込んでいたから
バレずに住んでいた 。
一時避難していたそのお家は人が見えなくて
その安堵から深い眠りの入ってしまった 。
次 、目が覚めると僕はお布団の中にいた 。
慌てて飛び起きれば 、囲炉裏を挟んで
一人のおじいちゃんと男の子が
僕をまあるい目で見つめた 。
また 、怖い思いをするかと思えば違くて
そのおじいちゃんと男の子は優しいの 。
今まであったことを話せば 、
僕を抱きしめて泣いてくれた 。
でも 、僕は泣けなかった 。
泣くとか笑うとか分からなくなっちゃった
それでも 、ふたりは僕を見捨てず
一緒に暮らしてくれた 。
男の子は僕のひとつ上で 、いつも優しくて
頼もしくてかっこいい 人だった 。
本当のお兄ちゃんみたいで嬉しかった 。
だから僕はその人をお兄ちゃんって呼んだ 。
お兄ちゃんもね 、去年から忍術学園に通ってるの
おじいちゃんは 、いつも元気で
よく笑わそうとしてくるひと 。
そんなおじいちゃんでも 、僕やお兄ちゃんに
それぞれにあった忍術を教えてくれた 。
僕は 、体の小ささ故に
あまり武器は向いていなかった 。
だから 、罠を仕掛けることにした 。
罠のかけ方 、作り方 。ひとつひとつ繊細に
凝って凝って凝りまくって 、それでやっと
ひとつの罠が出来上がる 。
たしかおじいちゃんは 、
僕が9歳の誕生日の日に亡くなったんだっけ
お兄ちゃんも居なくて 、ぼく一人でおじいちゃん
の看病をしていたけれど 、ダメだったみたい
ジュミョウってやつらしい 。
だから僕は 、ひとりで大きな穴を掘って
大好きなおじいちゃんを埋めてあげたの
ついでにね 、今までのおじいちゃんとの思い出
楽しかった思い出を一緒に埋めてきたんだ 。
すると今度はどこからかお兄ちゃんが
飛んできてくれて 、背の高い男の人とおじいちゃん
よりは若いおじいさんを連れてやってきた 。
何かを察したお兄ちゃんは 、
涙ぐんで僕を抱き締めた 。
やっぱり涙は出なかった 。
そこからは 、僕も忍術学園に行くことになって
でも入学するには歳が幼いから 、一年ほど
学園長の元でお世話になったんだ 。
幾日 、学園長の部屋に「 学級委員長委員会 」と
呼ばれる委員会のふたりが来たり
お兄ちゃんやその同輩 、はたや
興味本位の人などがお邪魔してきたりした
「…..まぁ 、あんま辛くは無いかもね」
『……….っ 、』
目を伏せながらそう言う喜八郎に手を伸ばした
すると 、パシッと弾かれてしまう 。
「….勘違いしてるみたいだから言うけど」
「僕 、もう大して滝ちゃんのこと覚えてないし
同室だからって同情はやめてよね 。」
そう言って彼はある所へ去っていった 。
その瞬間 、ドッとなにかが重くなった 。
私は 、なにかとてつもなく大事なことを
しないといけないかもしれない 。
でも 、それが何かがわかることが出来ない 。
そもそも 、あのざっくりし過ぎた説明はなんだ
サンゾクに何をされたのか 。
何の仕掛けによってなんと言う怪我をしたのか 。
一体 、兄とはだれなのか 。
色々思案していると 、
バン!!!!と大きく戸が開いた
「ここがい組の部屋だな!!」
『ななな 、なんだ貴様は!?』
ふと現れたのは 、茶髪に赤い大きな目に
比較的整った顔のヤツが仁王立ちしていた 。
まぁ 、私には劣る顔だったがな
「アーッハッハッハ!!!
私か?私は一年ろ組田村三木ヱ門!!!」
「これから六年間!このアイドル三木ヱ門様が
お前の良きライバルとなるだろう!!!!」
『……….なーにィ??』
だが喜八郎を忘れるほどの出来事が起きた 。
そう 、初めて喧嘩ということをした 。
うるさく突っかかってきては 、
私を煽り自分を褒めまくる 。
そんなのに黙ってはいれず 、
負けじと私だってやり返してやった 。
お昼時にしていたせいか 、
それは食堂に行くまで続いた 。
食堂に入れば 、
開口一番に声をかけてきた人達がいた
「ダーッハッハッ!!お前ら仲良いなー!!」
「 「 仲良くなんかない!!! 」 」
「なんだか留三郎と文次郎みたいだね」
「お前らももっとコイツらみたく可愛ければな」
「な!余計なお世話だ!!仙蔵!!」
「朝から勘弁してくれよ 。」
「………もそ」
萌黄色の制服を纏った先輩方は
そう言っては互いに盛り上がっていた 。
あまりにその風景がおかしくて 、
気付けば私たちは静かになった 。
「笑笑 、ところで…なに突っ立てるんだ?」
「ほら座って食え」
『…えっ』
「えじゃない!さあ共に食うぞ!!」
『 「は 、はぁい 。」 』
その後大人しくその場に加わり 、
はじめての学食を食すのだった 。
「…….そういえば 、お前ら一年生は
いちだんとキラキラしているなァ!!」
『え??ま..まぁ!!
私のような顔を持ちなら当たり前ですね!』
「そうでしょうそうでしょう!!
私みたいなアイドル!そういないですし!」
「…どうも濃いのが入ってきたなァ。」
「なーはっは!!どうだ!
体育委員会に入ってみないか??」
「なーにを言う小平太ァ
コイツらは我が会計委員会に入るのだ!」
「貴様も馬鹿を言うな!!
この二人は用具委員会の一員だァ!!!」
「…..もそ 。」
「もぉ〜また喧嘩してぇ….」
「….ん」
「どうしたの?仙蔵」
すごい勧誘されたと思えば 、
今度は仙蔵?先輩からすごく睨まれてるのだが…
「いや 、もうひとり 。
女子のように美しい一年を見たのだが……」
……..女子のように 、美しい………??
『..きっ喜八郎!?!?!!』
「喜八郎 、呼ばれてるけど ? 」
『…….そうですか??』
「もー!喜八郎ったらオニイサマに
ひっつきすぎなんじゃないのー!!!!」
「きゃーずるい!!!
私も喜八郎に甘えてもらいたいなぁ」
「俺もーー!!オニイサマそこをどけー!」
「僕だって 、羨ましいなぁ?」
「もう!!ここじゃあ
オニイサマ呼び禁止だってば!」
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