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#などなど
유리
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ぴく。
狼耳が動く。
同時に。
五色の獣耳もぴたりと立った。
「……?」
日向が首を傾げる。
「どした」
五色は答えない。
黒尾も答えない。
二人とも。
空気の匂いを嗅いでいた。
数秒。
そして。
「――あ。」
黒尾が呟く。
「来るわ」
「何が」
影山が即座に反応する。
黒尾は遠くを見る。
城の外。
森の向こう。
「及川」
「んー?」
「多分魔法少女十五人は来るぞ」
静かな声だった。
「堕とす準備しとけ」
沈黙。
数秒後。
「十五!?!?」
及川が飛び上がった。
「多くない!?」
「今回は結構多い」
黒尾が頷く。
すると。
五色が青ざめた顔で続けた。
「待ってください」
「ん?」
「火薬の匂いもします」
空気が変わった。
影山の目が細まる。
「……人間軍か」
「っすね」
五色が耳を伏せる。
「魔法少女だけじゃないっすよぉ……!」
「うわぁ」
日向が嫌そうな顔をした。
「めんどくせ」
「しかも結構近い」
黒尾が即答する。
「あと二十分くらい」
「早くね?」
「だから帰ってきたばっかの俺でも気づいたんだよ」
その時。
研磨がぽつりと呟く。
「……クロ」
「ん?」
「戦うの?」
「そりゃな」
黒尾は肩を竦めた。
「でも」
そこで狼みたいな笑みを浮かべる。
「俺このままだとバレるから」
「……あ」
澤村が思い出した。
そうだった。
こいつ。
五百年人間側で活動してるスパイだ。
顔バレしている。
「変装して闘うわ」
黒尾はひらひら手を振る。
「ちょっと待ってて」
そう言って。
消えた。
十分後。
城内会議室。
全員揃っていた。
「遅ぇ」
影山が腕を組む。
「クロどこ」
研磨もそわそわしている。
「変装って言ってもなぁ」
菅原が苦笑する。
「そんな急に――」
扉が開いた。
ギィ。
全員が振り返る。
「やぁ」
知らない男が立っていた。
「…………」
「…………」
「…………」
沈黙。
知らない。
本当に知らない。
長い銀髪。
青い瞳。
片眼鏡。
細身。
貴族みたいな服。
声まで違う。
「え?」
日向が固まる。
「誰」
「黒尾」
「は?」
五色が飛び上がった。
「嘘でしょ!?」
「マジ」
「はぁ!?」
菅原と澤村も目を見開く。
「えっ!?!?」
「別人じゃん!!」
黒尾がニヤリと笑う。
その笑い方だけ。
少しだけ元の面影があった。
「だから敏腕スパイなんだよ」
「いやいやいや」
日向が引いている。
「誰だよそれ」
「人間側で使ってる顔の一つ」
「一つ!?」
「もっとある」
「怖ぇよ!!」
五色が叫ぶ。
影山だけが慣れているらしい。
「まぁそんなもんだろ」
「飛雄慣れてる!?」
及川が驚く。
「昔見た」
「俺も初めて見た」
研磨がぽつり。
「……クロ」
「ん?」
「かっこいい」
黒尾が固まった。
日向も固まった。
五色も固まった。
菅原が吹き出した。
「研磨」
「何」
「お前本当に隠さなくなったな」
「別に」
全然別にじゃない。
黒尾の耳が真っ赤だった。
「……」
「……クロ?」
「いや」
咳払い。
「ちょっと待って」
敏腕スパイが顔を逸らす。
「研磨の破壊力上がってない?」
「何が」
「全部」
その瞬間。
ドォォォォォン!!!
爆発音。
城が揺れる。
「来た」
黒尾の目が変わった。
一瞬で。
スパイの顔になる。
胡散臭さだけは残ったままだったが。
「正門」
狼耳がぴくりと動く。
「魔法少女十五」
「人間兵三十七」
「砲撃部隊五」
「魔導師八」
全員が固まる。
「なんで分かるんすか」
五色が引く。
黒尾は当然みたいに答えた。
「音」
「怖」
「匂い」
「怖」
「心拍」
「怖ぇって!!」
日向が叫んだ。
黒尾は笑う。
「まぁ」
その瞳が細くなる。
「せっかく帰ってきたんだ」
狼獣人の牙が覗いた。
「派手にやろうぜ」
その瞬間。
魔王城の化け物達が。
一斉に笑った。
コメント
1件
おお、第13話読んだわ!もう冒頭の狼耳ピクッからの空気読むシーンで「来るぞ感」がやばかった。黒尾の変装シーン、片眼鏡銀髪貴族スタイルで「かっこいい」って告白した研磨に黒尾が照れるのずるすぎるだろw しかも「研磨の破壊力上がってない?」ってセリフで笑った。最後の「派手にやろうぜ」で一気にテンション上がったわ!次回が待ち遠しい🔥