コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ふったらどしゃぶり
「うわ、雨…」
美術館を出ようとして、足を止める
「…走るかぁ、」
バッグを頭に、雨の下を走ろうとした時
「萩原」
「ぁ、…」
こっちに走って向かってくる
「…半井さん」
「こんなとこで何してるの」
「…分かんないです」
ここに来れば半井さんに会えるかもしれない
なんて気持ちと
半井さんのことを思うのはこれで最後にしよう
なんて気持ちが交差して
気づいたらここに辿り着いていた
「会うの、久しぶりだね」
「そうですね」
「…半井さん」
「今まで何してたんですか」
「こっちが言いたいんだけど」
あれから極力、顔を合わせないようにしていた。
それはきっと半井さんも同じで
「萩原、おれ」
「…っ、半井さん」
勢いに任せて、唇を重ねてしまった。
言葉が出なくて、半井さんの顔も見れなくて
「…俺、萩原に会いたかった」
「え、…」
「好きだよ」
半井さんの口からそんな言葉を聞けると思ってなくて
「…俺も、好きですよ」
嬉しくて仕方がなかった。
「俺、もう一回半井さんとセ*クスしたいです」
「うん、いいよ」
「…ホテル、行きましょう」
タクシーを捕まえて、二人でホテルに向かう。
乗ってる間、気まずいなんてことはなくて
あっという間に到着した。
「っ…は、ぁ…」
「半井さん、…」
「きす、しすぎだろ、…」
「だって…ずっと会いたくて」
かおりと別れてから 、日々に寂しさを感じるようになって
気づいたら半井さんのことを求めていて
「…すきです、」
「何回言うの、それ……おれも、好きだけど」
「…やっぱ、思う」
「…何をですか?」
「この身体がいらないなんて、贅沢なやつがいるんだなって 」
「…俺も思います」
「何を?」
「…今そういうセリフは反則でしょって」
end.