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注意です。
書いた人は単行本74巻までの知識です。
突然始まって突然終わります。
キャラ崩壊、矛盾の可能性があります。
危険を感じたらすぐに閉じることをおすすめします。
大丈夫な方はお進み下さい!
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ジャヤの西 「モックタウン」
酒場にて─────
ぎゃあああああああああ!!!!!
何だコリャあ?!!!
手だ!!手があ?!!!!
…。
いつもうるさいジャヤだが今日は一段とうるせえな…。なんだってんだ…?
件の酒場に目をやると、そこには騒がしい海賊共とどこか見覚えのある女がいた。
…ニコ・ロビン……?!!
「そのクリケットという男の居場所を教えなさい」
クリケット…。モンブラン・クリケットか…。
…そうだ、このジャヤで空島の情報を集めるんだったか。今頃ルフィゾロナミがベラミーや黒ひげとも会っているのだろう。
するすると蘇る“前世の記憶”に俺は口角を上げ、逃げ出す人の波に逆らいながらその酒場に足を踏み入れたのだった。
「…あら、あなたは?」
「モンブラン・クリケットを探しているのか」
「!ええ。…知っているの?」
「ああ」
俺が話しかけると気づいた彼女は交差していた腕を下ろしてこちらを振り向く。
今のところ俺に敵意はないようだ。短く息を吐き出してから親指で背後を示す。…いまさっきの騒動でこの酒場は目立ってしまっている。
「他所で話さねえか?」
どうせなら服をみたいと言われたため、現在地はジャヤの比較的落ち着いた服屋である。
「…そう、それでこの町を追われているのね」
「ああ。地図渡しとく。…ここがモックタウンだ。んで、反対側のバツ印がクリケットのいる場所」
「ありがとう、とても助かるわ」
「…空島だろ?」
「…何か知っているの?」
「まあな…。でも自分達で聞いた方が面白い」
「あら。その言い方はこのクリケットさんに会うのは正解なようね」
ふふ、と微笑んで会計にむかった彼女を見送る。
…頭がいい人と話すのは少し緊張する。下手なことを言わないよう気をつけなければ。現に今も原作以上のヒントを与えてしまったかもしれない。…まあ少しくらいいいだろう。
「あなたは空島へ?」
「いや。情報として知ってるだけだ…もうこの町に用ないか?だったら送るぞ、…あんたにゃ必要ないかもしれないが」
「…じゃあ頼もうかしら」
会計から帰ってきた彼女の荷物を受け取って店を出る。相変わらずこの町はどこも治安が悪い。
「そこの綺麗な方…、りんごはいかがかな?」
「あなた、いる?」
「やめろ」
2人で歩いていると西海岸が見えてきた。彼らの船も見える。…が、騒がしい。
「…あの羊の船か?なんか騒いでるぞ」
「そうね…」
近づくに連れてナミであろう声が大きくなってくる。チョッパーとウソップも慌ただしい。
「ずいぶん荒れてどうしたの?」
「お帰りロビンちゃ…ッ誰だテメェ?!!今すぐロビンちゃんから離れろ!!!」
サンジの反応がすげえ。んで威嚇もすげえ。
「ロビンどっか行ってたのか。誰だ?そいつ」
「ええ。服の調達と“空島”の情報を…この人に聞いてたの」
「“人に聞いた”??!!!」
ナミの反応もすげえ。ルフィはのんびりしてるけど。…これ俺にも被害来そう。早いとこ退散した方がいいな。
荷物をロビンに返して苦笑する。
「んじゃ俺は行く」
「あ!待て!お前空島のこと知ってんのか?!!」
「あー…地図渡したからそこ向かってくれ」
「地図?!ロビンどれだ!!」
「違うだろルフィ!そうじゃねぇ!おいクソ野郎!!どういう了見でロビンちゃんと買い物してんだ!!!」
「お前の方が違うだろ」
「うるせえウソップ!!!」
あっちが騒いでる間に俺はそそくさとその場から離れた。…ゾロが静かだったのが怖いが何もないと思いたい。
「おっさんの金塊!!返せよ!!」
「うわあああ!!!やっぱり本物なんだあああ!!!」
「ベラミーがやられたあ〜!!!」
ああああああああぁぁぁ─────
店の前にある階段に腰掛け、逃げ惑い目の前を通り過ぎる海賊達をただ見ていた。
残ったのはルフィと倒れてるベラミー以外はサーキース達と俺。パチリと目が合った。
「あ、お前地図くれたやつか」
「おう。金塊たぶんここだぜ、俺も手伝う」
「ほんとか!ありがとう」
サーキース達は一旦置いておき、2人で中に入って金塊をまとめる。
「空島行けそうか」
「おう!地図ありがとな、助かった!!」
「ああ」
主人公の笑顔を受け止めつつ金塊を布に包む。…重いな金塊。肩こりそう。
上機嫌なルフィに背負わせて外に出る。サーキース達もいたがそこも無事原作通りのくだりを繰り広げた。
「お前は行かないのか?」
「あ?どこに」
「空島」
「行かねえ」
「すげー面白そうなのに」
まあ確かに黄金はあるがゴッドとか試練なんざごめんだ。入国料もないし何しろナミ程の航海士がいない。
「楽しんでこいよ」
「ああ!行ってくる!」
手を振るルフィに手をあげて応え、その姿が見えなくなるまでそこに立っていた。これからルフィ達は空でいろいろとんでもない目に合うだろう。そして感動の展開を迎えてくれるはず。俺もあの鐘の音を聞きたい。
…アイツ今からヘラクレス探し始めるけど。
オチなんてないよ!!!
ありがとうございました!