初めて出会った時から今までずっと、彼を口説き続けたけれど、彼のお国柄なのか超が付く程の鈍感で、謙虚な子。
まぁ、そんな所も勿論愛しているんだけどね。
そして今日は、俺の家に彼が来る日である。勿論、俺ん家を満喫してあわよくばそのまま俺と一緒に … なんて妄想をしていると、彼からのメッセージがスマホに届いた。
『 フランシスさん。待ち合わせ場所は何処にしますか W廿_廿) ? 』
スマホの画面に文字を入力して行き、メッセージの返事は『 迎えに行くから、少し人気の無い所で待ってて ~ ζリ*´点`) 』と送信すると、彼の居る場所へと、軽い足取りで向かって行った。
「 だ ~ れだ ♪ 」
とても小さい彼を見つけると、気付かれないよう、彼の背後へと周って、自分の手で彼の視界を塞ぐと、彼はクスクスと笑って、 「 フランシスさん … ですよね ? 」 聖母のような微笑みを、俺は独り占めにしていた。「 正解 ~ ♪ 」 と口を開きながら、自分の手を彼の目から離すと、吸い込まれてしまいそうな位の黒い瞳が俺を映した。
「 お久しぶりです。フランシスさん。 」
「 久しぶり、菊ちゃん ♪ そして、ようこそ、フランスへ ♪ 沢山、フランシスを満喫してよね ? 」
「 えぇ ! 勿論です ! 」
山程話した、彼とのたわいの無い会話も、気付けば彼が日本へ帰国する当日になっていた。
「 はぁ ~ 本当に楽しかったです。 ! 」
「 それは良かった ♪ お兄さん、菊ちゃんの為に頑張ったもの ! 」
そう言うと、彼はふふっと笑って、俺の目を黒い瞳で真っ直ぐ見ながら、 「 有難う御座います。 」 とお辞儀をした。
「 いっその事、俺の家に住んじゃう ? 」冗談交じりで行ったけれど、いつもの様な鈍感で返されるのだろう。そう思ったが、今日は違った。彼はう ー ん … と少し悩んでから口をゆっくりと開いた。
「 そうですね、それも良いかもしれません。 」
「 ぇ… ? 、え ?! 」動揺して、頭が回ら無くなった所で彼はクスッと微笑んで、「 では、また今度。 」 と言い残して行った。俺は、彼の背中が視界から消えるまで彼1人を見続けた。そして、完全に彼が見えなくなったところで俺はポツリと呟いた。
「 脈アリって … 言うこと … ? 」
fin .
コメント
6件
うわー!!もう、ありがとうございます。余裕のないお兄さんの片思い、、、?美味しすぎます。ご馳走様でした。
お兄さんにとって思いもよらないことをじいちゃん言っちゃってて、余裕そうなお兄さんがキョドってるの愛おしすぎて爆発💥💥💥😡😡😡