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3件
comiさんが書く、普段の🍼の💙さんたちを扱う小説を読めるのも、めっちゃ嬉しいです!!! そして💙さんの嫉妬してる姿…!たまりませんねぇ🤤 しっかりドス黒い嫉妬最高です😇 それに気づいていない💛さんも好きです🫶
読み終わりました…!めっちゃ切ない、でもすごく好きな雰囲気でした。 ダイチの「好きなんや」って気づく瞬間、胸がぎゅっとなりました。好きな人の横で笑うのが自分じゃないって分かってるのに、目で追っちゃう感じ、すごくリアルで…。打ち上げの賑やかさと、ダイチの静かなモヤモヤの対比がたまらなかったです。 エンドロールってタイトル、めっちゃ刺さりました。💙さんの片思い、似合いすぎてて泣けます。comiさんの言葉選び、すごく丁寧で好きです。続き、読みたい…!
会場を揺るがすような歓声と怒涛の熱狂に包まれたライブが終わった。
その高揚感を抱えたまま関係者への挨拶や諸々の片付け、着替えを終えた五人。
この後は近くにあるオシャレな居酒屋での打ち上げ。
参加するのはメンバーといつもの気心の知れたスタッフのみ。
隠れ家と呼ばれるのも納得の、大通りから少し外れた場所にある洋風の外観を構えた小さなお店に、五人と数名のスタッフは足を踏み入れた。
通されたのはお店の一番奥、右手にある個室。
扉を開けると、こじんまりした部屋に落ち着いた間接照明、鈍い光沢を放つ褐色の革張りのソファー席が目に入った。
「お!いい感じの店じゃん」
一番に部屋に入ったハヤトが、テーブルを挟んで右側奥の席に滑り込んだ。
続いてシュンタとジュウタロウが左側の席へ並んで腰掛ける。
となるとーー
左利きのアイツが座る席は、必然的にハヤトの横やな、まあ左利きとか関係なしにそうやろうけど。
俺はジュウタロウの隣へ腰を下ろした。
それからスタッフさんと談笑しながら歩いてくるアイツ。
「はい、いいっすよ!好きなもん、じゃんじゃん頼んじゃって!」
「今回も吉田君が勝っちゃうかもよ〜」
「いやいや、その時は全然払わせて頂きますんで」
「というか今日こそダイチに払わせますから」
「ははは、じゃあ後でね〜」
スタッフさんと別れ、最後に入ってきたジントが静かに扉を閉めた。
「へぇ、いい感じの店だな」
ハヤトと同じことを言いながら、
当然のように、というか3対1で当然なのだがハヤトの横によっこらしょ、と腰を下ろす。
「おいちゃんお疲れですね」
はいはい、とハヤトの軽口を適当にあしらい、上着を脱ぐ。
隣では仲良くメニューを覗き込みながら、ここドリンクめっちゃ種類多いよ?とか、これ美味そうやな〜とか、落ち着いた店内のBGMを掻き消すようにワイワイと楽しそうな会話が繰り広げられていた。
ハヤトはスマホをチェックしながら、水の入ったグラスに手を伸ばしている。
「なぁ、YouTube撮影もせんのに男気じゃんけんするん?」
俺はお絞りで手を拭うジントに声を掛けた。
「当たり前だろ」
少し上目遣いでニヤリと微笑むジント。
「そろそろダイチの悔しがる顔見たいわー」
「まぁ俺、今日も負ける気せんけどな!」
「財布も持ってきとらんし」
「マジかよ」
そんな俺を呆れたような表情で見てくる。
「でもさ、だいたい俺かジントじゃん?これで奢るのって」
スマホをテーブルに置いたハヤトが少しこちらへ身を乗り出す。
「なんでお前らこんな時はジャンケン勝たねぇんだよ」
「まぁ運やからな。俺は全然奢りたいんやけどなぁ」
生意気な末っ子の煽りに大袈裟に顔を歪めて悔しがる長男。
「はいはいじゃあウーロン茶五つねー」
「待って勝手に決めるなよ!」
檸檬牛乳
檸檬牛乳
💛
41
れもん
1,697
「俺はジンジャーエールな」
「食べ物も適当に頼んどく?」
そんなこんなで、楽しい五人だけの打ち上げが始まった。
しばらくは美味しい食事と高いテンションで、いつもの賑やかなトークが繰り広げられた。
先程まで行われていたライブの話で盛り上がる。
カメラが回っていようがいまいが、五人の空気は変わらない。
それぞれが好き勝手に話し、突っ込み、笑う。
だけど相手を傷つけないように自然に気も遣うしフォローもし合う。
そんな関係が本当に心地よかった。
このまま、この関係が一番いい。
きっと俺にとっても、アイツにとっても。
やがてお腹と会話が落ち着いてくるのと同時に、先程まで頭と胸にこびりついていたライブ後の高揚感も落ち着いてきた。
ダイチは一人グラスを片手に今日のステージを振り返る。
あそこ、リハよりタイミング上手くハマっとったなとか、ここはもうちょい派手な演出でもええかな、とか。
ぼんやりとライブの一連の流れを回想しつつ、向かいの壁に飾られた、何のモチーフなのかよくわからないがなんとなくお洒落なアートを眺める。
だが次第に目線は、そのままアートの下に位置する二人に注がれた。
相変わらず肩が触れ合うほどの近い距離。
まぁでも今に始まったことではない。
結成して十年以上。
彼らとは、自分も含めオリメンとしてともにこのグループを支えてきた。
いつもみんなの前に立ち、持ち前のリーダーシップと知名度と、そして弛まぬ努力でグループを引っ張ってきた最年長。
そんな彼を支え、性格も意見もバラバラなグループをまとめ、憎まれ役も弄られ役もこなす頼れるリーダー。
そんな二人にしか分かり合えない、分かち合えない空気というものを、俺は一番近くで感じていた。
悔しいけど、同期である俺より、年上のハヤトの方が頼りがいがあるのはまあ納得や。
世間では「さのじん」とか呼ばれて盛り上がっとるし。
ホンマ、息ぴったりでお似合いの二人やもんな。
俺の役目はオリメンでありながら、追加メンバーである二人とともに年下組としてグループの潤滑油となり盛り上げること。
それを不満に思ったことなどないし、むしろありがたいポジションやなって本気で思ってる。
でもこうして改めて自分の立場や抑えている気持ちを思い返すと、隠していた仄暗い感情がムクムクと膨れ上がっていくのを感じる。
ーーアカンな……
ちゃんと生姜が効いたジンジャーエールを、一気に喉に流し込む。
そして目の前、正確には左斜め前に座る同期に目を向ける。
右側に座る最年長と目を合わせ、楽しそうに何か話している。
この距離だから会話は聞こえているのだが、何故だかその声は店内に流れるクラシックのBGMと同じくらい、何も頭に入ってこない。
ーー何やその上目遣い……
狙ったものではないとわかってはいるが、どうにも胸がジリジリと焼き付くような感覚に襲われる。
軽く息を吐いて、テーブルに並ぶタン塩に箸を伸ばした。
添えてあるレモンを、これでもかとばかりに思いっきり握り潰す。
瑞々しく酸っぱい香りが鼻を掠めた。
すると。
「ほらダイチ野菜も食べろよ」
アイツはいちいち俺が食べる気のないサラダを取り分けてくる。
「ええって」
思わずイラッとした声が出る。
「ダイちゃんどうしたの?さっきからやけに静かだけど」
隣に座るジュウタロウが顔を覗き込む。
「ああ、ちょっと眠くなってもうて」
「今日ダイちゃん、ステージでだいぶ暴れとったからなぁ」
「ホントそれな!俺まで笑っちゃったし」
「でもあれ、スゴイうけてたじゃん!ダイチ良かったよ」
素直に褒めてくれるアイツ。
「もうええって!そんなん言われたら恥ずかしいやん」
俺はやけに酸味の強い肉と一緒に、無理やりサラダを頬張った。
食事もある程度済み、各々スマホを弄りながらカメラも回っていないため好きに過ごす。
相変わらず向かいの二人はゼロ距離で笑い合っている。
ジントはいつの間に頼んだのか、デザートの桃のソルベをそれは美味しそうに口に運ぶ。
それを見つめるハヤトの目のなんと優しいことか。
実際のところ、二人が付き合っているとか、お互い恋愛感情を持っているとか、俺は何も知らない。
正直知りたくもない。
だからいつも興味のないフリをしてやり過ごす。
でも互いを見る目が、熱を孕んだような瞳と声が、他のメンバー相手とは違うって思うのは俺だけやろうか。
俺はスマホを弄るフリをして、アイツの顔を盗み見る。
ーーはぁ、……俺の好きな顔や。
目尻の下がった、フニャッとした笑顔。
たまに見せる、少し大人びたような表情。
グラスを傾ける横顔。
好きなんやーー
いつかそう言えたなら、良かったのに。
アイツの横で笑っているのは、いつも俺じゃない。
きっと、アイツが辛い時に一番支えになってきたのはハヤトだから。
所詮、俺はアイツのヒーローではない。
物語の主人公は必ず報われるって言うなら、この物語は、俺の目線ではないんやろな。
何度も見切りをつけて諦めようと思ったけど、無理やった。
諦めるのも勇気がいる。
覚悟がいる。
俺はそんなに強くない。
なのに募る想いだけは溢れて落ちてゆく。
誰にも受け止めてもらえずに。
でもアイツのこと、憎めない。
もちろんハヤトのことだって。
そんな自分がなんか悔しい。
いっそのこと嫌いになれたら、離れられたら楽やのにな。
俺は結局一人で悲劇のヒロインを演じてるだけみたいやん。
なんて切ないストーリーやろか。
自嘲気味に笑う。
俺の物語の結末は、どんなエンドロールが流れんのやろ……。
「そろそろやりますか!」
ハヤトの声で一気に現実に引き戻される。
「今日は俺グーしか出さんから!」
「いやそこはパーでしょ」
「何気に俺も男気ジャンケンで払ったことないんだよねー」
メンバーが目をギラつかせ、肩を回したり拳を握っている。
俺は立ち上がった。
「ぅおっしゃあ〜!!やったるでぇー!!」
「ダイチ急にうるさい!」
「気合い入りすぎ」
笑うメンバーを横目に、俺はいつもの俺を演じる。
チラリとジントに目をやると、今日こそはという不敵な笑み。
ーーあぁ、好きや。これも俺の好きな顔や。
この物語はまだ終わらない。
果たして予想もしない結末が待っているのか。
流れるエンドロールには何が描かれているのか。
今の俺には、想像すらできなかった。
初めての読み切り短編です。
大好きな川崎鷹也さんの「エンドロール」という曲をもとに書いてみました。
誰目線にしようか悩んだのですが、💙さんがしっくりきたので。
💙さんはモヤモヤ切ない片思いが似合う気がするのは私だけでしょうか??