テラーノベル
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1
#タイムスリップ
えれめんたる
12
#架空の病気
えれめんたる
15
いつからだろう。いってきますを言わなくなったのは。
心の中ではわかっている。いつか別れる時が来るなんて。親がいるのは当たり前じゃないなんて。
でも、どうしても、いってきますの6文字が、たったの6文字が、鉛のように重くなり、喉元に沈んでいく。
いつからだろう。自転車のヘルメットを被らなくなったのは。
風が気持ちいい。少し悪いことをしているようで、そんなことのない背徳感が、気持ちいい。
いつからだろう。勝手にアプリを入れるようになったのは。
内緒でルールを破ってしまう。自分で決めたはずのルールを歪めて生きていくのは、どうしてだろう。
いつからだろう。塾から帰る時に寄り道するようになったのは。
家に帰りたくないわけでも、居場所がないわけでもないのに。
いつからだろう。スマホを勝手に弄るようになったのは。
別に見たい動画があるわけでもないのに。
いつからだろう。こんなことを考えるようになったのは。
いつからだろう。
いつから。 いつから。いつから。いつから。いつから。
いつからだろう。自分の心がわからなくなったのは。
わかったとしても、きっと気分は右肩下がりなのに。
いつからだろう。本当は辛いのに、気づかないふりをしているのは。
自分より苦しい人がいる。鬱じゃない。そんなのは甘えだ。なんて思うようになったのは。いったい。
いつからだろう。自分に嘘をつき始めたのは。
大丈夫。キャラじゃない。落ち込んでるだけ。なんて上辺だけでの言葉で納得させていたのは。
いつから。いつから。いつから。いつから。いつから。いつから。いつから。いつから。いつから。いつから。
いつからか、私は深い眠りについていた。
コメント
5件
いや〜、刺さる、、。 いつからか分かんないことって多いよね。
えれめんたるさん、読ませていただきました。 「いつからだろう」という言葉の反復が、心の奥底にある曖昧な違和感をそのまま掬い取ったようで、胸が締め付けられました。特に「鉛のように重くなる」という表現が、小さなことほど言えなくなるあの感覚をすごく的確に描いていて、印象に残っています。第1話なのに既に深い余韻があって、続きが気になります……!