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ワンクッション
第1話
tn????←←←←←♡♡gr
まだ恋愛的に好きというわけではありません
キャラ崩壊注意
ご本人様に関係ありません。
お名前をお借りしました。
検索避けにご協力お願いします。
大丈夫な方はどうぞ
雰囲気の良いカフェで紅茶を啜る。「え〜?まだ行ってへんのぉ?」
煽るようなへらへらとした声が耳に入ってくる
「仕方ないだろ…人混み得意じゃないし…」
「んまぁ…そうやけどさ…だからって限定特典がある握手会にも参加せんのはなんかちゃうくない?」
「…」
思わず押し黙る。
目の前にいる有名なアイドルの青い彼が慣れたように一番オタクに刺さる角度で首を傾げて話す。
「とんち、絶対握手会来て欲しいって思っとるて思うんやけどな…人混みが辛いんよう分かるけどさ…」
「…首を傾げるな。気色悪い。」
はいはーいと反省してない声色で返ってくる。
その様子に呆れる。
こちとら真剣に相談してるのに…このクズめ…!
私は情熱のように赤く、ルビーのような瞳のアイドル、トントンのオタクだ。
昔の握手会には毎回行っていたのだが徐々に人気が出て行列が出来るようになってから行かなくなってしまった。
「…せやなぁ…」
と言い話し始めた。
「僕らが何とかして握手会に来る人数を下げたるわ!これでどうや?」
「バカか。一発炎上やろ。ボケ。」
「えぇ…そんなに言わんでもええやぁん」
「きっしょ…猫撫で声を出すな…」
彼が得意な泣き真似をし始める。
よく周りにバレないもんだ。
見た目はほとんどいつもと変わりない。
プライベート服なだけであって隠す気もない。
女の子にバレたらそのままお持ち帰りする予定なのだろう。クズの権化だ。
なんて考えていたら爪の長い指が俺を指し言った。
「猫撫で声出すなて…グルちゃんもやで?とんちの話してる時すっごい甘い声やで?」
「…は?」
そんなことは無い。…いや、あるかもしれん…。
全部のライブ、配信は全てリアタイするほど大好きなのだから。もちろん出来るだけのグッズも集めている。
「どんなんやったか再現する?」
「せんでええ。殺すぞ。」
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え、オタクの俺が芸能界に?!
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少し暗くなってきたので解散することになった。
まぁ、ずっとあいつと話してる暇があるなら仕事かトントンを眺めた方が得だったな。
…クソッ時間を無駄にした。
早く帰ろう。
「はぁ…」
ため息をつきながら自室に入る。
周りを見渡すとトントンのポスターが丁寧に飾ってあり、そして雑誌、床にはコンビニ弁当、完全栄養食のゴミ、ティッシュが無造作にあった。
我ながらに汚い。
だが、仕方ないのだ。ここ数日仕事が立てこもりパソコンから目が離せなかったのだ。
これも全部あのクソ上司が悪い。死ね!
「…はぁ…」
本日2度目のため息をつく。
片付けないとなぁ…なんて思いつつもそのままベッドにダイブする。
「…握手会か…」
全く…もう何年行っていないのだろうか。
どんなに欲しい特典があっても人が多く行く気にならない。
しかも、並ぶ列には女性が多く近寄り難い。
ライブ会場もそうだが、男が多めの場所を選んでるからまぁ、大丈夫。
唯一生で見れる機会だし、ライブは行く。
てか、ライブ終わり疲労で倒れそうだから直帰した方が身のためだ。
嗚呼…このまま寝てしまおうか…
…薬飲まな眠くならんな…飲んでから寝よう。
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…今日も仕事か…
握手会はいつだったか…今週末…
「行こうかね…」
本音は行きたいめっちゃ行きたい。
会いたい。中々アイドルと触れ合えないからこそ行きたい。会いたい。
だが人混み。良い経験がない。
…行くだけ行ってみるのもいいなぁ…
そう思いながら大好きなトントンのポスターを眺める。
相変わらずカッコイイが生の方がカッコイイ。
ぼーっとしていたら結構時間が経っていたようだ。仕事に行かなければ…
今週、今日合わせて3日頑張ればトントンに会える。頑張るか…。
ため息をつきながら支度をし仕事に向かう。
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3日がたちライブ当日になった。
忘れ物が無いかバックの中身を確認する。
ライブチケット、水筒、お金、薬。
そして、握手会チケット。
まさか当選するとは思わなかった。
まぁ、それより
「…覚えとるかなぁ…」
もう何年も行っていないのだ。
こっちはポスターやら雑誌、グッズ。そしてライブに行っているおかげで顔や声を忘れてはいない。
あちらは何年も見ていないし、ライブ会場は大きく見つけるのも不可能に等しい。
まぁ、忘れていたとしてもゼロ距離で会えるだけ嬉しすぎて死にそうなんだがな。
ライブ会場前
やっと着いたという気持ちともう着いてしまったという気持ちが混ざる。
ライブなんてすぐ終わってしまう。
だからこそ握手会がより怖くなる。
「は、ぁ…」
声と手が震える。
会場内に入れず竦んでいると後ろから肩を叩かれた。
「グルちゃんじゃん。大丈夫?」
「は、ぇ…ひとらん…?な、んで…?」
後ろを振り向くと白を基調とした服をよく着ている彼、ひとらんらんがいた。
「うん。ひとらんだよ、なんでって…今回のライブマンちゃんがゲストとして参加するから…」
「あ、ぁ…そういや…そうか…」
そうか…オスマンがゲスト参加か…
ひとらんはオスマンと昔からの仲なのだから来るだろうな。
忘れていた。
いつも、自分の事ばかりで周りが見えなくなる。困ったものだな…そう思い苦笑いをする
その様子に疑問を持ったのかひとらんが首を傾げて聞く。
「なんでライブ前なのにそんな…悲しげな顔するの?ぐるちゃん」
「ぇ…?」
そう言われ顔に触れる。
そんな顔してたか…?してたならこんな顔彼に見せられない。ポーカーフェイスは得意だろ。
そう考えながら顔を手でマッサージする。
そうしてると手を掴まれる。
「…ぐるっぺん、行こ?」
「ぁえ…ああ…」
掴まれていない手でスマホを取り出し時間を確認する。
意外とギリギリだ…ひとらんがいて良かった。
会場に入る。
もうすぐで入場するとこだったらしい。
危ない危ない。
今回はどの曲を歌うのだろうか。
たのしみだ。
もうすぐ始まるのでペンライトを取り出す。
横にいるひとらんを見るともう既にペンライトを手に持っていて少し暗い緑色に光らせていた。
俺も赤色に光らせる。
大きく振り回すわけではないが持ってて損はないだろう。
もしかしたら気づいてくれるかもだし…
少し時間が経ち彼らが会場に入場してきた。
相変わらずキラキラしていて見蕩れてしまう。
周りの大きくうるさい歓声、禁止とされている高いヒールを履いている女性など目にも入らないくらい見入ってしまう。
時間は過ぎ、あっという間にライブは終わってしまった。
退場命令が出されその命令に従い会場を出る。
握手会に向かう。
ひとらんも握手会に行くらしく着いてくる。
「…オスマンといつも会ってるから別にいいんじゃないのか…?」
「ん?いや…なんか応募したら当たっちゃってさ…」
幸運の持ち主だな…なんで当たるんだよ…
各目当てのメンバーのところに向かう。
やはり、トントンは人気だからか凄い行列だ。
他も同じくらいだが、少し多いくらいだ。
周りを見ると女性ばかりだ。
ヒールで少し背を盛っていて俺より大きい。
邪魔だなぁ…。
順番はまだまだ。順番が来るまでどのくらいかかるんだか…
次回
握手会
数年ぶりに会う2人
果たしてトントンはグルッペンは覚えているのか。