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ウミは考えるのが嫌になり修行をして考えないようにした。
ウミが修行を初めてから5時間以上時間が過ぎた。
ウミの手はボロボロでマメが潰れているほどだった。
ウミ「ハァハァ…もうちょっとだけ…」
?「休憩にしたらどうだ?」
後ろから男の声が聞こえた。
ウミ「…ベックマン…」
そう、ベックマンだ。
ベック「おはよう。珈琲で良かったら入れてきてやる。」
ウミ「私、珈琲飲めねぇ」
ベック「そうか。なら紅茶か?」
ウミ「紅茶も飲めねぇ」
ベック「……」
ウミ「……」
ベック「何なら良いんだ。」
ウミ「お汁粉」
ベック「は?」
ウミ「え?」
ベック「動いた後に汁粉って大丈夫なのか?」
戻すのではないかと心配する。
ウミ「大丈夫。」
ベック「ま、まぁ、お前がいいなら良いがお汁粉飲みたいならルウを起こさねぇとな」
ウミ「あ、そこまでしなくていいよ。別に喉乾いてねぇし」
ベック「いや、飲め。…オレンジジュース飲めるか?」
ベックマンは何かを飲まそうとする。
ウミ「飲める。」
ベック「わかった、持ってきてやるから座ってろ。」
ウミ「わかった!ありがとな!」
ベックマンは飲み物を取りに戻る。
ドタ)
ウミが後ろ向きに横になる。
ウミ「はぁ〜強くなってんのかな?私。エース、サボ…私強くなってるか?」
ウミがエースとサボに話しかけるかのように呟く。
ベック「だいぶ強くなってきてる。」
ベックマンが帰ってきた。
ベック「ん。」
ベックマンがウミにオレンジジュースを渡す。
ウミ「ありがとう。」
ウミが受け取る。
ベック「今のお前に賞金が掛けられたら、6000万Bくらいにはなるだろうな。」
ウミ「それってどんくらい?」
ガクッ)
ベック「まじか…まぁ、分かりやすく言えば、ルフィの最初の懸賞額より上って事だ。」
ウミ「え!?じゃあルフィより強いのか!?」
ベック「なわけねぇだろ。アイツは億の位だぞ?」
シャンクス「お前なんてまだまだだよ、なぁ〜はっはっはっ」
シャンクスが起きてきた。
ウミ「なんだとぉ!?」
シャンクス「だはは!悔しけりゃ覇王色を操れるようにするこった!」
ウミ「絶てえ使えるようになってやる!」
シャンクス「んじゃあ今、寝るこったな。」
ウミ「なんでぇ!もう朝だろ?!」
シャンクス「お前寝てないだろ!」
ウミとシャンクスの言い合いが始まる。
ぞろぞろと皆が起きてくる。
シャンクス「ね!ろ!」
ウミ「い!や!」
ヤソップ「朝っぱらから元気だな2人ともよォ眠かねぇのかよ」
ルウ「それがこの2人だろ。慣れたろ1年も居たらよぉ。」
クルー「お頭!前の方に海軍の船が!」
『!!!!!』
ウミが戦闘態勢に。
シャンクス「ウミ、実戦してみるか?この1年で身につけた技を見せてみろ。」
ウミ「いいんだな?沈めちまうかも知れねぇのに。」
シャンクス「海賊なんてそんなもんだ。なぁ〜はっはっはっ!」
ウミ「……」
海軍の船から大砲が飛んでくる。
ウミは1年で身についた力で大砲を斬ったり跳ね返したりした。
ウミ「ウォーター・ハリケーン!!」
水の竜巻を作り海軍の船に攻撃した。
ホンゴウ「おいおい。すごくねぇか?」
ライム「思ってたより強くなってるじゃねぇか。」
ヤソップ「てかいつの間にミズミズの実の能力修得してたんだ?」
ウミの力で3隻落とすことができた。
そして、海軍の船も居なくなった。
シャンクス「ウミ!よくやった。」
ウミ「3隻しか落とせなかったけどな」
シャンクス「おいおい、3隻は、でけぇぞ?それに大砲付きと来た。すげぇじゃねぇか。なぁ野郎ども」
『おう!びっくりしちまったぜ!』
『すげぇな!』
ウミ「そうかな?ありがと。でももっとだ!もっと強くならなきゃ!」
シャンクス「よし!次は目隠し付けてやるぞ?」
ウミ「目隠し?」
シャンクス「ああ、見覇気を教えてやる。」
ウミ「!!!わかった!てことはまず飯だな!」
シャンクス「よし!ルウ!飯だ!飯!」
昼食になり、皆が食事している。
ヤソップ「おい、ウミ〜お前いつの間にミズミズの実の能力、あんな上手く使えるようになってたんだァ?」
ウミ「ん?シャンクスとの修行が終わった後とかで練習した」
ルウ「ルフィより頭良いんじゃねぇか?」
シャンクス「それはルフィに失礼だぞ!なぁ〜はっはっはっはっ〜」
ベック「ルフィもウミもそういうとこだけは頭が働くからな」
ウミが海軍の船を3隻、落としてしばらく経った頃。
クルー「お頭!!お頭は居るか!」
1人のクルーがシャンクス達を探して走る。
ベック「どうした。」
シャンクスと一緒に居たベックマンが聞く。
クルー「ウ、ウミに…ウミの奴に………懸賞金がァァァ!!」
クルーはウミの手配書を広げ見せ、
シャンクスは飲んでいた酒をブーッ!!!!と吹く。
ホンゴウ「おいおい。嘘だろ!」
ライム「嘘じゃねぇよ!こりゃ!」
『8000万!?』
ベック「まぁ、うち(赤髪海賊団)に居て、最初の額がこれなんだ。当たり前なこったろ。」
ルウ「なんでそんなに落ち着いてんだ!あんたは!」
シャンクス「そ、そんなに、お、驚くことじゃ、ね、ねえだろ。」
シャンクスの酒を持つ手がガタガタ震えている。
ルウ「アンタが落ち着け!」
ガチャ)
ウミ「ん?何騒いでんだ?」
ウミが船室の扉を開け、中に入ってくる。
ヤソップ「お、ウミ。お前、これ見てみろ。」
ヤソップがウミの手配書をウミに見せる。
ウミ「なんだ?これ。」
ベック「お前の手配書だ。」
ウミ「………………ん?て?手配書?」
ウミの頭が混乱中。
ウミ「…………て!手配書!?」
それから、ウミ、そしてクルー達は騒ぎ出し、夜には宴が行われた。
シャンクス「野郎共!!ウミの初手配書に乾杯だ!!!!」
そして、宴が始まりしばらく経った。
シャンクス「うおーい。ウミ。お前もこっち来いよ!」
ウミ「うわ、酒臭〜」
シャンクス「失礼なやつだなぁ。」
ウミ「(ホントにくせぇ)」
ウミがシャンクスを引いている。
シャンクス「…にしてもよくやったな。お前には悪党、海賊なんてものになって欲しくはなかったんだ。正直に言やぁな。でも、あの日のお前の目に意志に俺は…俺らはなんも言えなかったんだ。初めてお前が俺達に意志を言った日だし。俺にもわかるんだ。大切な人を奪われた辛さもやるせなさもな。だからあえて止めなかった。」
シャンクスは酔ったせいか、呟く。
ウミ「シャンクス……。言ったろ?私はエースの仇を取るなら、誰かを守れる強さを持てるなら私は、悪党になってやるって。私は、私にはそれしかないから…他に望みなんてない。それ以外には何も。」
「……」
シャンクスは黙ったまま、ウミの頭を撫でた。
それから、日が超えウミや他のクルーは寝入っていた。
ベック「お頭。あんたもそろそろ寝ろよ。」
シャンクス「ああ。……なぁ、ベック。」
ベック「ん?」
シャンクス「ウミをあんな風にしたのは海軍。そして、世界だ。昔のウミは生きる事に希望を持ってた。」
ベック「そうだな。…最近のアイツは仇を取ることしか頭にねぇ、アイツの瞳に生きてる輝きってもんが消えた。」
シャンクス「ベック、俺はな。ルフィを友達だと思ってる。だけど、ウミの事は2人目の娘だと感じてるんだ。」
ベック「奇遇だな。俺もだ。多分、俺とアンタ2人じゃねぇよ。この船の奴ら、全員アイツを娘だと思ってる。」
シャンクス「フッ。そうだな。だから、俺達の娘を傷つけた世界を俺は敵に回す覚悟だ。ウミが海軍と一戦を望むなら俺達はウミに手を貸す。娘を1人で戦わせるわけにゃ行かねぇだろ。」
ベック「俺も同じ意見だ。」
シャンクスとベックマンはルウの上で大の字になり寝ているウミを見る。
シャンクス「寝てる時は昔のウミだな。」
ベック「普通の少女なのにな。」
シャンクス「コイツが生きたいと思える世を作りてぇな」
ベック「お頭に今の顔、見せてやりてぇよ」
シャンクス「ん?なんだ?なんかあるか?」
ベック「いや、今の顔が父親みてぇだったんだよ」
シャンクス「何言ってんだ、ベック。……俺はパパだ!」
ベック「(ᯅ̈ )ウワァ」
ベックが気持ち悪いと言うかのように言う。
そして、次の日、ある島へ赤髪海賊団が来ていた。
ルウ「俺達は食料の調達に行くけどウミ、お前はどうする?」
ウミ「え〜。ん〜。じゃあウロチョロする」
ルウ「そうか?迷子にはなるんじゃねぇぞ。」
ウミ「はーい。」
ウミは返事をするとすぐさま走り出す。
ルウ「信用ならねぇなぁ💦」
ヤソップ「まぁ、そん時はそん時で何とかすりゃいいんじゃねぇか?」
ルウ達と別れた後のウミ。
ウミ「ん〜。する事ねえんだよなぁ。…修行できそうな広いとこねぇかな?」
ウミはテクテク歩き、探す。
そして、ちょうど良い広さの場所を見つけ修行をしようと。
ウミ「ここ良いな。人目もあんまねぇし、海もよく見える」
それからウミは時間を忘れ、修行にのめりこんでいた。
その頃、海軍のある男がその島を彷徨いていた。
?「初めて見る海賊だ。いや?初めてか?この顔どっかで…」
その男はウミの手配書を見ながら歩いている。
『フッ!ハッ!』
?「?なんだ?」
その男は声のする方へ歩き出す。
?「!!!!!!アイツは!(思い出した。1年前マリンフォードで…麦わらの!妹か!)」
その男は自分の能力でウミに近づく。
その能力とは煙?モクモクしている。
そう、その男とはまさに、マリンフォードで海兵に殺されそうになっていたウミを助けた海軍中将、スモーカーだ。
ウミ「!!!!!!」
ウミはすぐさま避ける。
スモーカー「ほぅ。今の攻撃を避けるとはな。」
ウミ「誰だよ!お前!!」
スモーカーがパチクリする。
スモーカー「まじかよ。覚えてねぇとは…」
≡≡≡ヾ(⌒(_‘ω’)_タッタッタッ)
たしぎ「スモーカーさん!こんなところに居たんですか!どれだけ探したと思って!ん?貴方!賞金首の!」
スモーカー「捕まえろ!」
たしぎ「はい!」
スモーカーの号令で海兵達はウミを捕まえようとする。
ウミは戦おうとしたが逃げることを考えた。
ここで暴れてはいけないと本能的に感じたからだ。
それからスモーカーも能力でウミを追いかける。
ウミはその能力を見て「ケムリん」と名ずける。
ウミはスモーカーのことを思い出す。
それから逃げ回りながらレッド・フォース号に辿り着き、乗り込む。
ホンゴウ「おい!お前また何したんだ!追われて!」
スモーカー「くそ!逃げられた!」
スモーカー達は赤髪海賊団に手を出そうとはしなかった。
そして悔いていた。
ウミがスモーカー目掛けて大声を出す。
ウミ「…私さ!昔から1人じゃ何も決められなくて誰かに流されてばっかだった!自分の意見なんか言ったことなくてさ!今でもあんま変わんねぇけど!でもあの日、ケムリんが助けてくれたことでさ!自分の中で何かが吹っ切れた気がしたんだ!それにあの時、ケムリんが助けてくれなかったら!私は死んでた!エースに会う前に!本当にありがとな!」
ウミがニカッと笑う。
スモーカーに風が吹く。
スモーカーはウミに返事を返す。
スモーカー「海賊ごときに礼を言われる筋合いはねぇ!あの時はてめぇが麦わらの妹だと知らなかっただけだ!調子にのんじゃねぇ!」
スモーカーの言葉にウミも返す。
ウミ「それでもお前は私の命の恩人だ!私がお前に礼を言いたいって思ったんだから礼を言うんだ!だって嬉しかったんだから!お前に何を言われようと私はあの日の事に礼を言う!」
ウミが言い切る。
偽りなんて知らない、疑うことを知らない、純粋な表情で。
そんなウミにスモーカーはドキンとしてしまう。
海軍が海賊に持ってはならないと、こんな気持ちになってはいけないと思いながらも、ウミに対する想いを鎮めることができなかった。