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まぜけちゃ
地雷さん注意!!
「あー!!!」
思わず大きな声を出した
大切にしていたキーホルダーを、いつの間にか落としてしまったらしい。
気づいた時にはもう遅くて、けちゃは青ざめた顔でみんなに事情を話した。
あのキーホルダーは昔おばあちゃんが誕生日にくれたものだった
「探そう!」と声を上げたあっきぃを先頭に、みんなで店の中も外も隅々まで探した。
でも、どこにも見当たらない。
けちゃはみんなにこれ以上負担はかけまいと、小さく笑って言った。
「…今日はもういいよ。僕、また明日探すから。みんな、帰ろ?」
遠慮気味なその一言に、みんなは渋々頷き、その日は解散になった。
翌日。
けちゃはひとりで、昨日の道をなぞるように歩いていた。
目を凝らしても、しゃがんで覗き込んでも、キーホルダーの姿は見つからない。
「……ない、かぁ。」
大事にしていた思い出の品を失くした喪失感が胸に重くのしかかる。
肩を落としたその時だった。
「探してんの?キーホルダー」
振り返ると、まぜ太が立っていた。
「まぜち…?」
「俺も朝イチに店に行って色んな人にも聞いたし、周りも一周してきた。けど、なかったな。」
淡々と告げるその声に、けちゃは小さく頭を下げる。
「…ありがと。わざわざ……」
落胆が隠せず、笑顔はうまく作れなかった。
そんなけちゃを見つめながら、まぜ太はふっと口角を上げる。
「ほんっと、お前は抜けてんな。」
そう言ってポケットから取り出したのは――
なくしたはずの、あのキーホルダー。
「!? それ……!」
「店じゃなくて、普通にヒカリエに落ちてただけだったぞ。」
わざとらしく笑って、手のひらでひらひらさせる。
驚きと安堵で目を丸くするけちゃ。
その顔を見て、まぜ太はからかうように鼻で笑った。
「ま、俺が拾ったから良かったけどな。感謝しろよ。」
けちゃは両手でキーホルダーを大事そうに受け取り、瞳を潤ませながら笑った。
「……ありがとう、まぜち。」
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