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あらすじ
「もう生きたくない」 と思いながら人気のない橋に立っていたのは中学2年生の女の子・葵。
そこに現れたのは笑顔がよく似合う少年・光だった。
彼は「本当は生きたかったんだ」と語る、“生きることが出来なかった誰かの思い”を背負っている存在だった。
「あと7日間だけ一緒に歩いてみない?」
突然始まった不思議な7日間
毎日誰かの優しさに出会い、涙を流し、忘れていた「明日を、誰かを信じる気持ち」を取り戻していく葵。
けれど7日目の夜光はこういう_
「僕はもう葵とは居られなくなるんだ」
光は“1年前”いじめで自ら命を絶った同級生の男の子だった。
あの時何も言えなかった自分への後悔
言葉に出来なかった「ごめんね」と「ありがとう」
全てを胸に葵は小さな勇気を持って明日へと歩き出す_。
もう誰にも会いたくなかった。
消えてしまいたいと本気で思ったことは何回もあった。今日が初めてでは無い。
だけど今日の私はいつもよりも本気だった。
気がつくと私は人気のない橋の上にいた。
ここから飛べば楽になれるそう思い飛び降りようとした瞬間。
「ちょっと待って!7日間だけぼくと一緒に歩いてみない?」
そう笑顔でいう少年に出会った。少年は笑顔がよく似合う人懐っこい性格だった。
「僕の名前は光だよ。あなたの名前は? 」
「私の名前は高梨葵。」
「素敵な名前だね」
わたしと笑顔で話してくれる人は今までにいただろうか。
その日から私はその少年_光と一緒に過ごすことになった。
家に帰るとお母さんは男と遊びに行っていていない。いつもの事だ。
お父さんは3年前事故で他界している。
それからお母さんは狂ったように夜遊びをしまくっていた。家事をするのはもちろん私。
「それぼくがやるよ」
お皿洗い、洗濯干し、お風呂洗いなど私がやろうとしたことを光は変わってくれる。
わたしは久しぶりに誰かの優しさにふれた
「ありがとう」
わたしはそれからも人の優しさにふれることが多くなり、自然に笑顔も増えていった。
7日目の夜突然光はこういった_
「僕はもう葵とはいられなくなるんだ」
最初から決まっていたことだけどいざ言われるとわたしは頭を殴られたような衝撃を覚えた。
「なんで、?お願いもっと一緒にいたい」
ごめんねといつもの笑顔で言いかけてくる光をみてわたしは涙が堪えられなくなった。
泣き疲れていつの間にか眠っていた。目を覚ますと光はいなかった。
その代わりに置き手紙があった
「葵へ。
こんなぼくと一緒に過ごしてくれてありがとう僕はね1年前いじめで自ら命を絶ったんだ。
でも後悔してるんだ、もっと生きればよかった見返してやればよかった。だから僕は葵のような子を助けてるんだ。葵は僕の分まで長生きしてね。 光より」
わたしは泣きながら手紙をよんだ。光はもうこの世にはいなかった。笑顔がよく似合う光がわたしはすきだった。できることならもっともっと一緒にいたかった。光のお陰でわたしは誰かの優しさにふれ、沢山泣いて忘れかけていた「誰かを、明日を信じる心」を取り戻していた。
あの時光に気持ちを伝えればよかった。なんで寝てしまったんだろう。後悔した頃にはもう光はいなかった。光を助けられてあげられなくてごめんね。そしてわたしを助けてくれてありがとう。
わたしはこれからも光の分まで長生きするよ。