two time x azure鬱
直接的な表現は無し
azureが苦しんでるだけ
短い
草木の匂いが漂う森の中に、桔梗紫の花が咲いていた。
ぽつんと1輪だけ、仄暗い空には似合わない程の美しさ。 azureはそれを一瞥すると、背中で蠢く触手を使い、雑にその花を引き抜く。
「…」
鼻先に掲げると懐かしい香りが広がった。まるであの頃に戻されたような感覚、藍色の空、花畑、そして──
「two time……」
名前を出すだけでも、azureの心には様々な感情が広がる。煮えたぎる様な怒り、哀しみ、絶望、その他諸々。 ぬめつく触手に囚われていた花はぐしゃりと潰れてしまった。
花を潰すと同時に匂いが広がってゆく。頭の中で彼奴の様々な姿が映し出されて、それがまたazureを虚しくさせた。
『azure』
「…!!」
偶に聞こえる幻聴、もう慣れた筈なのに、額を汗が伝う。耳鳴りが酷くなって心臓がギリギリと痛み出す。
握り締めた拳には汗が滲み、髪をぐしゃっと掴む片手は震えていた。ストレスで瞳孔に涙の膜が張る、 胃から込み上げてくる液体が気持ち悪い。
「ぅ゙う、はぁ゙ッ…お゙ぇ、クゾ…く、ぞっ……」
『azure…』
頭に粘り付くような柔らかい声が鬱陶しくて、思わずその場に蹲る。怒りに任せて地面を殴りつけたが、土が舞うだけだった。
気持ち悪い、こんな幻聴に騙されている自分が、自分を刺し殺した相手に、まだ希望を抱いている自分が!!!
「…くぞっ、くそが……」
─きっと、俺はまた彼奴に会った時、怒りに任せてあの華奢な首を絞め上げるだろう。
だからこそ、二度と会いたくない
早くこの時間が終わってくれと、azureは嗚咽しながらそう願った。
「…azure………?」
コメント
2件
とてつもなく興奮しました。どうしてくれるんですか。😇
最高ですbro