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「 … 気づいてたの?」
さっきまでとは違う、ニヤリとどこか不気味な笑みを浮かべた。そんな悪魔の背には象徴である悪魔の羽がついている。
「 最初見た時からあれって思ったんだ 悪魔にとって名前は重要って聞いたことあるし 名前言わなかったので確信した感じ?」
あどけなくコテンと首を傾げる。
この様子に悪魔はますます笑いが止まらないようだった。
「えじゃあ最初っから気づいてたの?普通に話してたじゃん
天使って悪魔のこと嫌いじゃないの?」
喉の奥から出る笑い声。おにーさん、およびこの悪魔は今までに出会ったことのない数々のことに目をキラキラさせている。
「んー、そういう天使多いけど俺は別に、
ほら、言ったじゃん嬉しいんだって」
この言葉からでももうヒロトという天使の心がガラスのように透けて見える。
「でも明日からは来ちゃダメだよ 教会の神気と天使の結界は悪魔にとって害でしかないんだから」
「 …. 滉斗 俺やっぱ明日もくるよ」
悪魔は羽をしまい、また元の状態へと座る
「話聞いてた? 体辛いでしょ?無理しない方が ….」
「それに関しては大丈夫!
だって僕天堕だもーん!」
「天堕… !? えおにーさんが?」
天堕とは天までもを堕とせると言う意味合いで悪魔の中で最強とされるものに付けられる称号のようなもの
天使が驚くのも無理はないだろう。
「羽の大きさからしてヒロトはまだ下級でしょ
それくらいなら効かないんだー」
「んぐっ、..」
悪魔の嘲笑に天使は顔を顰める。
しかし心の中は怒りというものは何にもなく、ただ単純にこの話している時間が心地よい。
「 …. それに俺も退屈で旅してたし、ひろとといたら退屈しなさそう」
「 … じゃ、ぁまだ明日?か,
こんなの初めてでなんか恥ずかしいね」
顔をくしゃくしゃにして笑う
この言葉は何気ない挨拶の一環かもしれない。ただそんなことはどうでもいい
この場にいた悪魔にはとてもそれが魅力的に見えて、腹の中で蠢いている。
この気持ちに名前はあるのか、なんなのかまだいまは分からない。
「うん , またね」
ふわふわの髪を一撫でしておにーさんは消えていった。