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「俺たち、付き合うとか…そういうのはできない」
はっきりとした拒絶。
でも声は震えていた。
「なんで…?」
わかってる。
頭ではわかってる。
それでも、聞かずにはいられない。
滉斗はゆっくり言う。
「年齢とか、立場とか…全部だよ」
現実を並べる言葉。
一つ一つが、正しくて、残酷だった。
「和葉には、ちゃんと同じ目線で好きになれる相手がいる」
「そんなのいらない!」
思わず強く言い返す。
涙が溢れる。
「私は滉斗がいいのに…!」
初めてぶつけた本音。
滉斗の胸が強く痛む。
それでも——
「ダメだ」
もう一度、言う。
今度ははっきりと。
「それは、俺が許さない」
優しさじゃない。
これは、線引きだった。
和葉は何も言えなくなる。
ただ涙だけがこぼれる。
滉斗は一歩近づいて、でも触れない距離で止まる。
「好きでいてくれるのは、嬉しい」
「俺も好きだ」
「でも、それ以上は進めない」
矛盾した言葉。
でも、それが全部だった。
和葉は震える声で言う。
「じゃあ…この気持ちはどうすればいいの?」
滉斗は答えに詰まる。
答えなんて、ないから。
長い沈黙のあと——
「…忘れろ、とは言わない」
絞り出すように言う。
「でも、今はそのままでいい」
あまりにも曖昧な答え。
救いにもならない。
でも——
「時間が経てば、変わるかもしれない」
その言葉に、和葉は顔を上げる。
「…待っててもいい?」
滉斗はすぐに答えられなかった。
待たせることの重さを知っているから。
それでも——
「…約束はできない」
正直に言う。
「でも、会うのはやめない」
それが精一杯だった。
和葉は涙を拭いて、小さく頷く。
「わかった」
本当は、わかってなんかいない。
でも、受け入れるしかなかった。
好きだから。
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