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思わせぶりの君に伝えたい
放課後の教室。
夕日が差し込む中、窓際に立つのは曽野舜太。
その視線の先には、机に肘をついてぼんやりしてい る山中柔太朗 がいた。
曽野「なあ、山中」
山中「んー?」
曽野「また既読スルーしただろ」
山中「してないけど?」
曽野「した」
山中「してないって」
曽野「…..してた」
山中「証拠は?」
曽野「俺の心がそう言ってる」
山中「なにそれ、重」
山中はくすっと笑う。曽野は不満そうに眉を寄せた。
曽野「お前さ、そういうとこなんだよ」
山中「どういうとこ?」
曽野「思わせぶり」
山中「え、俺が?」
曽野「そう。俺にだけ優しいくせに、距離は詰めない」
山中「……そんなことないでしょ」
曽野「ある。めちゃくちゃある」
少しの沈黙。
窓の外で部活の掛け声が響く。
山中は視線を外したまま、小さく言う。
山中「じゃあさ、なんで俺がお前に優しいと思うの」
曽野「は?」
山中「誰にでもそうじゃないって、なんで言い切れる の」
曽野「…..それは」
曽野は言葉に詰まる。
山中「ほら、答えられない」
曽野「違う、そうじゃなくて」
山中「じゃあ何?」
曽野「…..俺が、お前のことばっか見てるからだよ」
山中「…..」
曽野「だから分かる。お前が俺にだけ違うの」
山中はゆっくり顔を上げた。
その目は少しだけ揺れている。
山中「それ、勘違いだったらどうするの」
曽野「それでもいい」
山中「よくないでしょ」
曽野「いや、いい」
山中「なんでそんな自信あるの」
曽野「自信じゃない」
山中「じゃあ何」
曽野「…..願望」
また沈黙。
山中が小さく息を吐く。
山中「ずるいな、そういう言い方」
曽野「お前の方がずるいだろ」
山中「俺?」
曽野「思わせぶりなくせに、決定打打たない」
山中「…..打ってほしいの?」
曽野「は?」
山中「言ってほしいの?ちゃんと」
曽野は一瞬固まる。
曽野「…..言えるなら、最初から言ってるだろ」
山中「言えない理由あるの?」
曽野「あるよ」
山中「何」
曽野「……壊れたら嫌だから」
山中は少しだけ笑う。
山中「もう壊れてるよ」
曽野「え?」
山中「曖昧なままの関係って、一番脆い」
曽野「……」
山中「ちゃんと壊すか、ちゃんと作るか、どっちかにしないと」
曽野は拳を握る。
曽野「じゃあ、作る」
山中「え」
曽野「ちゃんと作る」
山中「…..どうやって」
一歩近づく。
距離がぐっと縮まる。
曽野「お前が思わせぶりじゃなくなるように」
山中「それ無理じゃない?」
曽野「無理じゃない」
山中「なんで」
曽野「俺が全部受け取るから」
山中の目が少し見開かれる。
山中「…..ほんとに?」
曽野「ほんと」
山中「後悔しても知らないよ」
曽野「しない」
山中「言い切るね」
曽野「言い切る」
山中は少し考えてから、ふっと笑った。
山中「じゃあさ」
曽野「ん?」
山中「一個だけ、ちゃんと伝えてよ」
曽野「何を」
山中「ずっと言ってほしかったやつ」
曽野は深呼吸をして、まっすぐ山中を見る。
曽野「……好きだよ」
静かな教室。
時計の音だけが響く。
山中は少しだけ顔を逸らしてから、小さく言う。
山中「…..遅い」
曽野「え?」
山中「もっと早く言えばよかったのに」
曽野「じゃあ、今からでもいいだろ」
山中「……まあ、いいけど」
そして、山中は曽野の方に向き直る。
山中「俺も」
曽野「うん」
山中「思わせぶりじゃなくなる努力、するから」
曽野「それはちょっと寂しい」
山中「なんで」
曽野「お前らしくなくなる」
山中「どっちだよ」
ふたりは笑う。
夕日が完全に沈むころ、
曖昧だった距離は、少しだけはっきりした。
曽野「なあ山中」
山中「なに」
曽野「既読スルー、もうすんなよ」
山中「それは気分」
曽野「おい」
山中「でも」
曽野「?」
山中「お前には、ちゃんと返す」
その一言だけで、曽野の顔は少しだけ緩んだ。
…自分は何を作りたかったのでしょうか。
駄作ですね。(*´﹏`)