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inmの体調不良です。
⚠嘔吐要素有。嫌な人は回れ右。ご本人様とは関係ありません。
💡視点
頭が痛い、寂しい、誰か。たすけて、
『Dyticaに緊急要請、○○で大型KOZAKA-Cが出現。繰り返す。Dyticaに緊急要請、○○で大型KOZAKA-Cが出現。至急、対処せよ。』
放送の音だけでズキズキと痛む頭。薬飲んできたのになぁ、なんて考えるが至急対処しに行かなければならないため、痛む頭に気付かないふりをして立ち上がる。
「よし、みんな行こうか。」
「「「了解」」」
「想定より数も多いですね…」
「ライ!隙は作るからお前のハンマーでぶっ潰せ!」
「オーケー!」
カゲツは避難誘導で、ロウや星導が援護をしてくれる。思い切り自分の背丈より大きなハンマーを振りかぶる。それと同時に頭が警鐘を鳴らす。そんなものは無視して大きなハンマーを振り下ろす。と、同時に大きな音でKOZAKA-Cは呆気なく消えていく。
早急に報告を済ませ帰ろうとする。早く帰らないと、寝ないとまずい、と思った。先程着地した時から目眩が酷い。あ、
「おいライ!!」「ライ!」
「なんで助けてくれなかったの?」
よく言われる言葉だ。みんなのスーパーヒーロー、なんて言っているがみんながみんな助けられる訳では無い。仕方がない、仕方の無いことだということは分かっている。しかし聞こえる声を気にせずにはいられない。
「くそッ…、そんな機械なんか使ってるからだろ!!」
これもよく言われた。西じゃ理解のない珍しい機械を使っているオレは貶されたことも多かった。大好きな機械をバカにされるのは単純に辛かった。
「申し訳ありません。」
どんな時も何を言われてもこの言葉を使う。自分の感情は押し殺して。責任は負わなきゃいけないから。
見慣れた天井。体が怠い、寂しい。弱ると無性に誰かに会いたくなる。力を振り絞って起きようとするが起き上がった途端強い吐き気が込み上げる。
「ゔっ…」
「お”ぇ…ゔぅ、はぁっ…おえ”ぇっ…げほッ…」
なんとかトイレに駆け込んだが、冷や汗は酷く、頭痛も先程より酷くなっていた。
「はぁっ…っは…」
「ライ!…まだ吐き気しますか?」
星導の声だ。安心する声。
「…も、大丈夫」
立ち上がって返事をする。
でも、本当はちょっと、まだしんどい
「そうですか、それなら良かった。というかあなた、酷い熱なんですよ」
「う、ん」
やっぱり、熱あったんだ。みんなに迷惑かけたかな。みんな怒ってるかな。オレ、任務が終わったあとどうなったんだっけ。
「なんで言わなかったんですか」
「朝から体調良くなかったんでしょ」
「…うん、ごめん」
「ちょっとは頼るってことを覚えてください」
「うん…」
「どんだけ心配したと思ってるんですか」
「うん…」
「ちょっと、聞いてるん…」
そんなに吃驚した顔しないで、堪えられなかっただけだから、ちょっと弱ってるだけだから。ちょっと寂しいだけだから。
「ライ、ごめ、言い過ぎた」
星導はそう言っておれを抱きしめる。人の温かみ、温もり。改めて弱ってるなぁ、なんて感じる。涙が止まらない、もう泣き止みたいのに。また心配かけてしまう。
「っう…うぁ…、」
オレの泣きすする声だけが廊下に響く。星導はおれを抱きしめたまま頭を撫でてくれたり背中をさすったりオレを落ち着かせようとしてくれる。彼なりの精一杯の優しさだろう。
🐙🌟視点
やっとライが寝てくれた所。今は小柳くんとカゲツからお説教を受けています。
「おい、聞いとんのか」
「…はぁい」
「で?なんで俺らが来てみりゃ伊波が泣いてんだよ」
「なんで体調悪いの言わなかったのか問い詰めたんですよ」
「それで泣かせた、と?」
「お前ぇ…」
「弱ってる人間にそれは…」
「はぁい…すいません」
たしかに言いすぎてしまった節もあると思う。しかしそれはライにもう無理をして欲しくないから、みんなのスーパーヒーローであってほしいからだ。俺にはできない、みんなを明るく照らすこと。それを続けて欲しいからだ。
彼が泣いた時、ひどく驚いた。彼は人に弱いところを見せないから。いつも笑顔で希望の象徴のような存在だと思っていた。
だから、お願い、そんな寂しい顔で泣かないで。
💡視点
「ん…」
あれ、いつの間に寝てたんだろ。
起き上がろうとすると右手が誰かに握られていることに気付く。
「星導」
「ライ…?起きたんですね…」
「うん、おはよう」
「…ごめんなさい、昨日は」
「こっちも、なんか泣いちゃって…、ごめん。
でもるべは悪くないよ」
そう言うと星導は申し訳なさそうな顔をして黙り込んでしまった。もう頭も痛くないし体の怠さもない。昨日はみんな付きっきりで看病してくれたのだろうか。本当にいい仲間をもったな、と思う。
「…体はどうですか?」
「もう大丈夫だよ」
「あ、ライ、起きたんや」
「カゲツ、おはよ」
「おはよ」
「ロウは?」
「小柳くんは任務行きました」
「朝なのに?珍しいね」
「小柳くんもライのこと柄にもなくすごく心配してましたよ」
「ふふ、そうなんだ」
みんなと出会うまではずっと寂しかった。けどみんなと出会ってからすごく楽しい。そばに誰かがいてくれるというのはなんと心強く温かいものなのだろう。
みんなはオレにとってのヒーローだ。