テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
2,777
503
昨日までの曇り空とは打って変わり、本日は久しぶりに暑さを取り戻した。そして、俺の心も同様に晴れ晴れしている。もうすぐ梅雨入りとは思えない。
桃「なっちゃんさぁ…」
桃「なんか今日おかしくない!?」
いるまと正式に付き合った次の日、確かにいつもより落ち着きがないのは自覚していたが、そこまでででは無いと思っていた。らんがこうやって話しかけてくるまでは。
赫「えーそうかな…」
桃「そうだよ!なんかそわそわしてるし!」
翠「やたら周り気にしてるよね…」
赫「そ、それは…」
今は2時間目が終わった後の休み時間だ。登校してから今日はまだ1度もいるまとは喋っていない。話しかけるタイミングをうかがったり、もしかしたら話しかけてくれるかもなんて思っていたら、それが行動に出ていたようだ。
茈「やほ」
赫「うぉ!?」
茈「驚きすぎじゃねw」
茈「あ、わり、こいつ借りていい?」
桃「どーぞ」
3人で話していたらいるまが急に話しかけてきた。ちょうどいるまのことを考えていたからか俺は必要以上に驚いてしまった。そんなことも知らずにいるまは素早く俺を廊下にと連れ去った。
茈「あー…おはよう?」
赫「…ん」
茈「えとー急にわりぃ…なんか話してたか?」
赫「いや、別に大した話では…」
茈「そっか…」
ぎこちない!!いるまの前だと俺はいつも通りにできないし、いるまも俺に気を遣っている。この緊張がいるまに伝わらないようにと俺は重めの前髪で顔を隠した。こうすると視界が狭くなって世界に他人が映りずらくなるからか落ち着くことができた。
茈「今日一緒に帰らない?」
赫「え…」
茈「あー…無理なら別に」
赫「いや!嬉しい!!!!」
焦って思わず食い気味に答えてしまった。
いるまちょっと驚いてる…!どうしよう引かれたかな?こんなはっきり言ったらキモいか?いやでも、誘ったのはいるまなわけで…
もんもんと色々なことを考えているといるまの手が俺の頭に置かれた。
茈「俺も嬉しい」
茈「断らないでくれてありがとうな」
頭に乗った手が優しく俺のことを撫でてくれる。おそらくいるまは俺のこういうところを察して気遣ってくれているのだろう。本当に優しいやつ。俺は益々いるまのことが好きになった。 撫でてくれる手が心地よくて俺はすっかりいるまの手の虜になっていた。
茈「何?撫でられんの好きなの?笑」
赫「え…//// いや、なんか…安心する…」
茈「ふーん…ならこれからいっぱい撫でてやるからな」
赫「え…///」
茈「俺も不安なこととかあるからさ、断れなくて安心した」
いるまも不安になることがあるのか…。普段のいるまは誰とでも仲良くしてるし、みんなに好かれている。人間関係の悩みなど無縁そうな男なのに、俺のことで不安になっていると思うと胸が熱くなった。
赫「好きな人からの誘うを断るわけない…///」
茈「…!そっか…」
俺が少し照れくさい台詞を言ったら3時間目が始まるチャイムが鳴った。幸い先生はまだ教室に来ていなかったため、俺といるまは急いで教室の中に入った。
桃「なっちゃんってあいつと関わりあったっけ?」
赫「あいつっているまのこと?」
桃「そーそー」
赫「まー席隣だし、喋るくらいは別に…」
桃「大丈夫?無理してない?」
赫「え… 」
桃「あいつ陽キャだし、もしなっちゃんが無理やり付き合わされてるなら一発あいつに… 」
翠「らんらん落ち着いて」
赫「あー…お前いるまのこと嫌いだよな」
桃「嫌いって言うか、気に入らない!あんなチャラチャラして…他のやつに迷惑かけんなし!」
翠「まぁ、ひまちゃんの好きにしていいと思うけど、あの子良くない噂もあるから、一応気をつけた方がいいかもね」
赫「良くない噂…」
良くない噂ってなんだ…?俺は今までそんな噂話聞いたことはない。そういうのがあるかららんはいるまのことが嫌いなのかもしれない。俺のことを友達として心配してくれるのはありがたいが、いるまの良いところももっと知ってもらいたい。
赫「大丈夫だよ、あいつ良い奴だもん」
翠「ひまちゃんがそう思うならいいと思うよ」
桃「何かあったら言うんだぞ!」
赫「分かったってw」
その後は、いるまの噂について気になって授業どころじゃなかった。望んでいないのに良くない噂について色々と想像力が働いてしまう。毎回思うが、これは俺の悪い癖だ。独りであることないこと考えても何も解決しないのに。ちゃんと本人に直接聞いた方がいい。そんなことを考えているとあっという間に放課後になってしまった。
赫「ごめん!遅くなった!」
らんとすちにいるまと一緒に帰ることを言うと色々聞かれて遅くなってしまった。呆れられていか少し心配しているといるまは俺に笑顔で答えてくれた。
茈「大丈夫、俺もさっき来たとこだし」
赫「そっか…」
茈「それじゃあ帰ろうか」
赫「うん…」
天気は朝から相変わらずの晴れで、少し暑い。学校から駅までは大体歩いて20分くらいだが、緊張しているからかいつもより長く感じる。俺もいるまも学校から家まで歩いて直接帰られるが、少し寄り道をしようと駅に向かうことになった。学校を出発してから既に3分くらいは経っているだろうが、何を話していいか分からず、いるまの話に軽く相槌を打つことくらいしかできない。
茈「歩くの速い?」
赫「え?」
茈「なんか、少し後ろにいるからさ」
無意識のうちに後退りをしていたのか、俺はいるまより1歩後ろ斜め辺りを歩いていた。
赫「いや違う!無意識!」
茈「なら良かった」
赫「ごめん…」
また気を遣わせてしまった。せっかく恋人になってこうやって一緒に帰ることができているのだから、俺だってもう少しスマートに振る舞いたいのだが、隣を歩くことすらできていない。すちに言われた噂話も気になるし、本人に聞きたいがそんなことができるはずもなく俺はまた頭の中で考えを巡らせていた。
茈「…寄り道嫌だった?」
赫「いや!そういうんじゃ…まじで…」
茈「…ゆっくりでいいよ」
赫「…!あ…その、緊張が…」
茈「なるほど笑」
茈「緊張するとこうなるのか笑」
赫「笑うなよ…!///」
茈「ごめんw」
茈「でも良かった」
赫「何が?」
茈「俺が嫌になったとかじゃなくて、意識してくれてるってことだろ?」
赫「まあ…//」
茈「なら大丈夫、2人で慣れてこ」(ポン
赫「うん…///」(ナデナデ
言ってたことを思い出したのか、いるまは俺の頭を撫でてくれた。やっぱりいるまの手は安心するし、なんだか気持ちい気がする。俺は思わず道端でリラックスしてしまった。すると、目的地に着いたようでいるまは俺の頭から手を離した。
赫「あッ…」
茈「また後で撫でてやっから笑」
赫「…もう必要ねーし////」
いるまが寄りたかったところはどうやらアイス屋さんだったようで、暑さもあってか俺もいるまも1番大きいサイズを頼んでしまった。なんだか放課後デートみたいで俺は浮かれている。ひょっとしたらいるまはそのつもりで誘ってくれたのだろうか。
茈「なつは何味?」
赫「チョコチップ」
茈「美味そ…俺はチェリーチーズケーキ…?」
赫「…変わった味だね」
茈「こういうのは冒険してみねぇと」
赫「でもなんでそのチョイス…」
茈「なんか、なつってさくらんぼっぽいやん?」
赫「は?///」
茈「まぁまぁ食おうや」
茈「美味いな…」
赫「良かったやん」
茈「意外とイケる、ほら」
赫「え…///」
茈「こんくらい恥ずかしがんなよ、俺ら恋人同士だろ?」
赫「…うん//」(パクッ
赫「…美味いわ」
茈「だろ?」
いつの間にか緊張も消えて、恋人っぽい雰囲気にもなってきた。学校から歩いた身体は少し汗ばんでいたが、アイスのおかげで少し涼しくなってきた。アイスも食べ終わり、そろそろ家に帰るかという話になった所で、いるまがトイレに行きたいと行ったので、俺はアイス屋の前で待つことにした。すると、クラスメイトだと思われる女子生徒が通り過ぎた。
︎︎♀「ねぇさっきいるまくん見つけちゃったんだよねー」
︎︎♀「え、駅使わないんじゃないの?」
♀「そー!でもいたの!!レアだよね〜!!!」
♀「遊びに行く途中なんじゃない?」
︎︎♀「あーなんか女の子とヤリまくってるって噂あるよね〜」
︎︎♀「今日もそのために駅にいるんじゃない?」
嫌ことを聞いた。本当は本人に直接聞きたかったのに。これでは勝手な噂話で感情が揺さぶられてしまう。確かにいるまはモテるし元カノとかもみんな可愛いだろうけど恋人がいるのに遊んだりする不誠実な人だとは俺は思わない。だが、噂の内容知ったからか余計本人に聞きずらくなってしまった。
茈「お待たせ〜帰ろうか」
赫「…うん」
茈「なつ〜」
赫「…」
翠「…」
桃「…あのー、、なっちゃん?」
昨日の放課後デートでのこともあり、俺はいるまと勝手に顔を合わせずらくなっている。いるまに話しかけられるとついらんの後ろに隠れてしまう。俺もしっかりしなきゃと分かっているのにいつものように想像力が悪い方に働きどんどん気持ちの整理ができなくなっている。
茈「俺、またなんかしちゃった…?」
赫「ちがッ…!…ッ」
茈「…ごめん」
茈「…昨日、楽しかったんだけどな…」(ボソッ
赫「あッ…」
そう言っているまは去ってしまった。いるまは俺に優しかったし、上手く言葉にできない俺に気を遣ってくれていた。それなのに俺は自分勝手なであいつを傷つけてしまった。これで嫌われても自業自得だと思う。
翠「ごめんひまちゃん…」
赫「すちが謝ることじゃ…」
翠「でも、俺があんな話したからでしょ?」
赫「いや…昨日あいつの噂のこと偶然聞いちゃって…本人に聞きたいけど、なんか…」
桃「気まずいのか」
赫「うん…でも、あいつが悪いわけじゃないし、俺が勝手に気になってるだけだから…」
桃「多分あいつは、なっちゃんが何言っても何も思わないと思うけど」
赫「え…」
桃「なっちゃんにどう思われるかよりもなっちゃんがどうしたいかの方があいつには重要なんでしょ多分」
赫「あ…」
翠「…話してきたら?」
赫「ありがとう…!」
いるまはいつも俺のことを気にかけて尊重してくれる。いるまは俺が何を言っても多分俺のことを嫌いになることはない。どこかでそう分かっていながらも、嫌われるのが怖くて何も言えなかった。そんな自分に素直になれない自分が大嫌いだ。でも、好きな人には正直でいたい。いるまが俺に安心をくれるように俺もいるまに安心を与えたい。俺はいるまが出ていった方向へと廊下を走った。
教室から少し離れた廊下にいるまはいつも一緒にいる2人の友達といた。話しかけるには勇気がいる状況だが、そんなことを気にしている余裕は今の俺にはなかった。
赫「いるま…!」
茈「なつ…」
赫「あの、ちょっと話が」
蒼「ほら!呼ばれてるぞ!」
黈「いってらっしゃい!」
茈「あ、おう…」
赫「突然ごめん…」
茈「いや、大丈夫」
空き教室に連れ込めたのは良いものの何も考えずに来てしまった。完全ノープランだ。何を言おうか悩んでいるまの方に目をやると彼は不安そうに下を向いていた。俺の前ではいつも余裕そうにしているいるまだが、たまにこういう時がある。そういう顔をしている時はおそらく俺が嫌な思いをすることをしてしまったのではないかと思いっているに違いない。本当に優しいやつだ。だが、そんな顔をする必要はない。なぜなら、いるまにやられて嫌だと思ったことは今まで1度もないからだ。俺はそれを伝えたくて思わずいるまの頭に手を置いた。
茈「え…」
赫「あー、、、」(ナデナデ
赫「俺はいるまにこうされると安心するから」
茈「あ…え、俺そんな顔してた?」
赫「なんか、不安そうだったから」
茈「はっずッ…」
赫「ごめんな、変な態度取って」
茈「いや、俺の方こそ…」
赫「昨日俺も楽しかったよ」
赫「もっといろんなとこ行きたいし、もっと一緒にいたい」
茈「俺も…!」
赫「俺さ、いるまの噂聞いちゃって…もちろんただの噂なのは分かってるんだけど、いるまとどう接すればいいか分からなくなっちゃって…」
茈「ごめん…それは俺が悪い」
茈「そういう場所に出入りしてたのは本当だし、誤解を招いても仕方ないと思う…」
茈「でも、決してやましい事があるわけじゃねぇから!」
茈「俺、なつ一筋だし」
赫「…それをいるまの口から聞けて安心した」
茈「不安にさせてごめん…」
赫「いや、大丈夫」
赫「いるまを信用してないわけじゃないし、けど、まだ付き合って数日なわけだし、信頼するには信用以外も必要だと思う…」
茈「あぁ、大丈夫。好きなだけ疑ってくれ」
茈「なんどだって証明するから」
赫「…うん!ありがとう!」
さっきまでの心のモヤモヤは俺が吐き出した言葉と共に俺の中から出て行った。予想通りいるまは俺の思いを尊重してくれたし、俺を安心させるために言いにくいようなことも言ってくれた。いつも俺はこいつにもらってばかりな気がする。行動することにはやっぱり勇気がいるが、その勇気を少しずつ小さくして行ければいいなと思った。
桃「あの2人なんかいつの間にかめちゃ仲良いよね」
翠「あんなに感情に振り回されるひまちゃんも見たことないしね…」
何かを察した2人。
✧•—————————————-•✧
この作品なんですが、元々練習として書いていたので、書きたくなったら書くにします笑
一軍男子と三軍男子っていう設定は無い短編集だと思っていただければ。おそらく1話完結でもおかしくないものを投稿していくと思います。
あ、リクエストがあればいつでも受け付けてます!ぜひコメントしてください!!
コメント
1件
普通に帰り道一緒に帰るの初心なカップルすぎててぇてぇ過ぎません⁉️可愛いです!😫ちょっとしたこともネガティブに考えちゃう赫彡心做しか可愛いと思える...。赫彡そんなつもりないのに考えすぎて茈彡の事避けちゃうの切ない😢のに最後には桃彡たちが背中押してあげて誤解とけたみたいで良かったです❕これからも仲のいい可愛い初心な夫婦()出会ってください...🫶🏻